宙畑 Sorabatake

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NASAが月着陸船開発を11社に打診。官民共同プロジェクト「NextSTEP」とは?【週刊宇宙ビジネスニュース 5/13~5/19】

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2019年5月16日、米国・NASAは次世代宇宙探査技術パートナーシップ(NASA’s Next Space Technologies for Exploration Partnerships 以下、NextSTEP)として、2024年までに再び有人月面着陸を目指すアルテミス計画の月着陸船の開発とプロトタイプの作成を米国企業11社に打診したことを発表しました。

NextSTEPはNASAの高度探査システム事業部が実施する官民共同プログラム。2014年に最初のアナウンスがあって以来、移住開発システム開発、電力と推進力における研究などさまざまな分野があります。

今回発表があったのは、Appendix Eの有人輸送システム分野
選出企業は、

  • Aerojet Rocketdyne
  • Blue Origin
  • Boeing
  • Dynetics
  • Lockheed Martin
  • Masten Space Systems
  • Maxar Technologies (formerly SSL)
  • Northrop Grumman Innovation Systems
  • OrbitBeyond
  • Sierra Nevada Corporation
  • SpaceX

以上の11社。

NASAはこれらの企業に対して合計4550万ドルの資金を支給しています。企業は開発とプロトタイプ作成にかかる総コストの20%は自社で負担することが義務付けられています。また、NextSTEPでは交渉が未確定の間も開発に取り組めるよう契約の方式も工夫がされていて、NASAが同計画に力を入れていることがわかります。

NASA 月探査プログラム担当ディレクターを務めるマーシャル・スミス氏は「我々は月へ戻るために、ビジネス的な方法でプロジェクトに挑戦しています。官民共同プロジェクトを実施することは、月面有人着陸システムを開発するための重要なステップです。」と述べています。

月面開発の話題はこれだけに留まりません。
Google Lunar Xprizeに出場し、惜しくも軟着陸には失敗したものの、民間としては初めて月面軌道投入に成功したスタートアップ企業、イスラエルのSpaceIL。
同社の衝突着陸した探査機・べレシートをNASAの探査機が発見したことも先日発表されました。

Credit : NASA/GSFC/Arizona State University

さらに、2019年1月に月の裏側にたどり着いた中国の探査機・嫦娥4号から分離したローバー・玉兎2号は、月のマントルに由来する鉱物を発見したと発表されました。
これは世界初の快挙であり、長年議論されている月の起源を紐解くヒントになると言われています。

これらの盛り上がりから、宇宙開発競争時代に有人月面着陸を達成した米国だけではなく、世界各国で視線が月面に向けられていることを改めて感じます。
そのような中で、官民が互いにエコシステムを構築していくことは一つのキーワードとなります。
NASAのNextSTEPは大規模な官民共同プロジェクトの事例として、今後も注目が向けられるのではないでしょうか。

参考

NASA Taps 11 American Companies to Advance Human Lunar Landers
NASA selects 11 companies for lunar lander studies
NASA Awards $45.5 Million for Private Moon Lander Work on Project Artemis
Moon Crash Site Found! NASA Probe Spots Grave of Israeli Lunar Lander
What Lies Below the Moon’s Crust? China’s Yutu-2 Rover May Be the First to Find Out.

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