中国・iSpace社 同国初の民間衛星打ち上げに成功【週刊宇宙ビジネスニュース 7/22〜7/28】
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中国・iSpace社 Hyperbola-1の打ち上げと軌道投入に成功
今月25日、中国のiSpace社は同社が開発したHyperbola-1の打ち上げおよび商業人工衛星2機の軌道投入に成功し、中国初の民間打ち上げ事業者としての頭角を現しました。
Hyperbola-1は重量31トンで、260kgのペイロードを搭載することができます。今回は、北京工科大学と航空宇宙科学技術宇宙工学開発株式会社(Aerospace Science and Technology Space Engineering Development Co. Ltd.)の衛星が搭載されました。
さらに、詳細は明らかになっていませんが、スポンサーのワインメーカーと自動車会社のペイロードもそれぞれ搭載されていたとのことです。
2016年に創業したiSpace社は、現在120名を超えるメンバーを抱える、中国有数のNewSpace企業。これまでに、Matrix Partners China、CDH Investments、などからシリーズAラウンドで1億ドル以上の資金を調達しています。
2014年の政策転換により中国では、打ち上げ事業と小型衛星事業が民間企業に解放されました。同国は、軍事統合国家戦略の影響を受けてデュアルユーステクノロジーを推進しようと、民間企業へ制限された技術を移管しています。
Northern Sky Research社のアナリスト・Leena Pivovarova氏は、「スタートアップ企業との統合によって、競争価格以下でサービスを提供することができます」とコメントしている一方で、現行の規制により顧客基盤が国内に制限されることを指摘しています。
中国の民間宇宙産業の発展には、宇宙産業以外の市場へのアプローチも求められるのではないでしょうか。
SpaceX社 後続のCRS-2契約に向けて
打ち上げ成功のニュースは続き、25日に米国・SpaceX社はファルコン9を打ち上げ、ドラゴン補給船のISSとのドッキングに成功しました。
今回のミッション(CRS-18)では、ファルコン9の第一弾ロケットブースターの再利用に成功したことが大きく報道されています。さらにカプセル部分は、過去2回のミッションで使用したものを再利用していて、高い評価を得ています。
SpaceX社はドラゴン宇宙船のサービスを、NASAが米国企業にISSへの物資補給飛行を担わせようと発足させた、商業補給サービス(Commercial Resupply Service 以下、CRS)契約により、提供しています。
その契約は次々回のミッションを持って、後続のCRS-2契約に移行する予定です。CRS-2契約では、現行のSpaceX社とノースロップ・グラマン社に加えて、シエラ・ネバダ社が加わる予定となっています。
ミッションマネージャーのJessica Jensen氏は、今年4月の試験中に起きた同宇宙船の事故に関して、事故調査の結果、安全に関する改善点があれば導入する予定であるが、現時点では、ドラゴン宇宙船2の開発には影響を及ぼさないと予想しているとの旨をコメントしています。
なお、SpaceX社は、大型有人宇宙船であるStarship開発に向けた試験機StarHopperの機能確認試験も、当初の予定通り20 mほどの高度まで打ち上げられ後に着地し、成功裏に終わらせています。今後も試験を段階的に重ね、2020年代の早い段階での打ち上げを目指しています。
同時並行にいくつもの大型プロジェクトが走っているSpaceX社、勢いのある中国のNewSpaceの各社。
今後のロケット市場がどのような変遷をたどるのか、楽しみです。
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参考
Chinese iSpace achieves orbit with historic private sector launch
Hyperbola-1 China launches first commercial rocket
SpaceX launches Dragon as it prepares for next cargo contract
CRS-18 MISSION
Commercial Resupply Services Overview