宙畑 Sorabatake

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人型ロボットFedorを乗せた補給機のドッキングが延期に【週刊宇宙ビジネスニュース 8/19〜8/25】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

22日打ち上げられた、ロシアが開発したヒョードル(Fedor:F-850)という人型ロボットを乗せた国際宇宙ステーション(ISS)への補給機。

補給機はISSへのドッキング(結合)を24日に予定していましたが、ISSへと接近するためのシステムに異常を検知、ドッキングを26日へと延期しました。現在はシステムが正常に動作していることが確認され、再度ドッキングすることを試みます。
過去には打ち上げを失敗し補給できなかったことが5回あったようですが、今回はISSに結合中の他の宇宙船の配置を変更することで対応を試みるようです。
※今までのISSへの補給についてはJAXAのページにまとめられています。

ISSと言えば、2024年に民営化を予定しており、(民営化に向けて)様々な施策が行われています。
例えば、SpaceXやBoeingが開発しているISSへの有人宇宙船や、NanoracksとMomentusが組むことでISSからの衛星放出機能の高度化、Bigelowによる拡張モジュールの検討などがあります。

今回打ち上げられるFedorもその1つと言えるでしょう。
ロボットがISSへと送り込まれたのは過去にもありますが、足もある完全なる人型ロボットは今回が初めて。ISSで宇宙飛行士の各種作業を補助/代替するようです。

今まではプロである宇宙飛行士がISSに滞在してきたため、異常が発生したとしても対応できていましたが、今後宇宙旅行者が滞在するようになると必ずしもその場に対応できる人はいないかもしれません。
船外活動や装置の修理のみならず、ケガをした場合の応急処置など、人型ロボットであることで地上から遠隔で対応しやすくなることを期待されています。

日本でも、宇宙用作業代替ロボットを開発するGITAIが、20日4.4億円の資金調達を発表。
AVATAR Xでも話題となりましたが、今後も遠隔操作技術は、宇宙のみならず地上含めて普及していくことが期待されます。

話題は変わりますが、上に挙げたMomentusはSpaceXとの提携も先日発表しました。
SpaceXが提供する相乗り打ち上げサービスのオプションとして、相乗りしている衛星が希望する軌道へと投入するのを、推進器を開発しているMomentusが補助するようです。
相乗り打ち上げというと、衛星は軌道を選びにくい、ということが課題でしたが、今回の協力により相乗り打ち上げであっても希望する軌道へと投入できる選択肢が増えます。
残す課題は打ち上げまでに時間が長くかかる、というところでしょうか。
宇宙空間の利用に加えて、今後大型ロケットと小型ロケットがどのようにすみ分けられていくのかも楽しみですね。

参考記事

参考

Russian Soyuz Spacecraft Carrying Humanoid Robot Aborts Docking at Space Station

Russia Has a New Plan to Dock a Soyuz at the Space Station After an Unexpected Abort

宇宙用作業代替ロボットを開発するGITAIが約4億4千万円の資金調達を実施

Momentus To Provide In-Space Transportation Service to its Customers On SpaceX SmallSat Rideshare Launch

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