ロシアと中国が共同月探査に関する協定を締結【週刊宇宙ビジネスニュース 9/16〜9/22】
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ロシア・中国が共同月探査に関する協定を締結
9月17日、ロシアと中国は、サンクトペテルブルクで行われた首脳会談にて、共同探査協定に調印したことを明らかにしました。
同協定は、ロスコスモス局長のドミトリー・ロゴジン氏と中国国家宇宙局長のチャン・ケジャン氏によって署名されたもの。内容は、以前から言及されていた月と深宇宙探査のためのデータセンタの設立および運用、そして2020年代前半から中期にかけて計画されているロシアのLuna Resurs-1と中国のChang’e 7月極地研究ミッションの協力調整についてです。
月探査というと、2024年までに再び月面有人着陸を目指すNASAのアルテミス計画を想起する方も多いのではないでしょか。ロスコスモスは、NASAが計画を進める月面を周回する宇宙ステーション「GateWay」にも協力する姿勢を示しています。
一方で米国は、中国との二カ国間協定を結ぶことが事実上禁止されています。
宇宙開発に勢いをあげる中国との関係性構築は、月・深宇宙探査における一つのキーワードとなるのではないでしょうか。
ISSに2mmの穴、ロシア理由を公開せず
2011年にNASAのスペースシャトルが退役して以来、ロスコスモスの宇宙船ソユーズは宇宙飛行士をISSへと運ぶことができる唯一の輸送手段です。
そのような中、昨年2018年8月にISSキャビン内で圧力低下が報告され、ドッキングした宇宙船に2mmの穴が発見されました。穴は、テープ等によって塞がれ幸いにも大事には至りませんた。
当初原因は、微小流星体の衝突によるものであると推測されていましたが、人が偶然または故意に穴を開けた可能性についても示唆されています。
この出来事に対して、今月19日に開催された会議の質問セッションで、NASAのジム・ブリデンスタイン氏は、ロスコスモスが依然として正式なレポートを出していないこと、しかしながら主要なパートナーであるロシアと今後も良好な関係を保ちたい旨を話しました。
有人宇宙事業を独占し、運賃の値上げを続けるロシアですが、米国主導での有人宇宙船が再び打ち上げられる日も近づいてきており、信頼の回復が期待されます。
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参考文献
Russo-Chinese agreements on Lunar research
China, Russia to cooperate on lunar orbiter, landing missions