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嫦娥4号、夜を迎える。朝には国際協力ミッション【週刊宇宙ビジネスニュース 1/14~1/20】

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ローバーから撮影した嫦娥4号 Credit : CLEP/CNSA

3. 嫦娥4号、夜を迎える。朝には国際協力ミッション

中国国家宇宙局が人類で初めて、月の裏側に着陸させた無人探査機「嫦娥4 号」は、一通りの任務を終えて、はじめての夜を迎えたようです。月の夜は約14日間あるため、しばらくはスリープモードに入ります。

昼間の探査の中で中国は、嫦娥の中で、綿花の種の発芽に成功したほか、ジャガイモや菜種などの発芽実験も行われました。現在綿花は枯れてしまっていますが、月環境の中ではじめて発芽するという偉業を成し遂げることとなりました。

嫦娥4号での綿花実験の様子 Credit : Chongqing University

2017年末頃、トランプ大統領が出した宇宙政策令で、「人類を月に戻す」という方針が発表されて、ちょうど1年ほど経過しました。将来の有人火星探査に向けて、月が位置関係上、中継地点に適しているため、火星に宇宙飛行士を送る前に、まずは月面に宇宙港を建設するというマイルストーンを引いているのです。この政策令を実行するための計画も、先月NASAから発表されたばかりです。

NASAの掲げる月の宇宙港計画 Credit : NASA

中国が成功した綿花の発芽実験は、アメリカの月面宇宙港計画にも寄与すると考えられます。スリープモード解除後には国際協力ミッションを行う予定で、アメリカとの協力も予定しています。

中国に対抗するように、 イスラエルのSpaceILも月探査機を打ち上げ予定、インドも、今月末を目標に月探査機「チャンドラヤーン2号機」を打ち上げ、初の月着陸に臨みます。インドの月探査ミッションでは、日本も国際協力ミッションを予定しています。

2019年は月探査をめぐり、各国で競争・協力が一層活発になっていきそうです。

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