ニュース 2019/10/14

Rocket Labが5年間のライセンスをFAAから取得【週刊宇宙ビジネスニュース 10/7〜10/13】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新！

Rocket Labが5年間のライセンスをFAAから取得！

小型ロケット界の雄であるRocket Labが、10月10日にFAA(アメリカ連邦航空局)から5年間の打ち上げオペレーションライセンスを取得したことを発表しました。

これまでは打ち上げの度に毎回FAAに申請を出す必要があったRocket Labですが、今回の通年ライセンスの所得によって、同社が保有するニュージーランドのLC-1打ち上げ場からのElectronロケットの打ち上げに関しては5年間申請が不要となりました。他の打ち上げもしくは別の種類のロケットの打ち上げに関しては申請が必要となります。

今回のライセンス取得は、Rocket Labの打ち上げのオペレーションの簡素化に繋がると期待されています。特に同社が打ち上げる小型ロケットは高い打ち上げ頻度を目指しているので、このライセンス取得は同社のビジネスを更に推し進めるいい材料となりそうです。

Rocket Labは、SpaceX・Virgin Galactic・Relativity Spaceと共にCommercial Spaceflight Federationというコンソーシアムを組んでおり、かねてからFAAに対して昨今の商業宇宙ビジネスにフィットする規制への改革を申請していました。今回は、その申請の一部が通った形であるとも言えます。

スタートアップ企業の躍進と政府の規制改革。これら双方の足並みがそろうことが民間宇宙産業の更なる発展には欠かせないと思われます。

Rocket LabのElectronロケット Credit : Rocket Lab

Stratolaunchが所有権の移行を発表するも具体名はベールの中

ロケットの空中発射事業に取り組んでいるStratolaunchが、元々所有権を保持していたPaul Allen氏（昨年10月に惜しまれながら死去）から正式に所有権を移行したことを発表しました。

Stratolaunchは2011年の創業以来、マイクロソフトの共同設立者Paul Allen氏の持ち株会社であるバルカン（Vulcan Inc.）が所有していました。今回の声明で新たな所有者の名前が明かされることはありませんでしたが、引き続きロケットの空中発射事業を継続し、次の飛行試験を目指していることを明言したかたちになります。

今年4月13日にカリフォルニア州のモハベ宇宙港でテスト飛行を行ったStratolaunchの航空機 Credit : Stratolaunch

Stratolaunchは一部報道で事業の撤退が囁かれていましたが、事業の継続の兆しも見えています。実際、同社のホームページにはテストパイロットを含む11種の求人が掲載されており、飛行試験運用を引き継ぐという声明とも一致しています。

ロケットの空中発射には技術的なハードルが複数存在しますが、今後の同社の取り組みに引き続き注目です。

SpaceXのStarlink打ち上げで使用済みブースターの使用を発表

通信衛星のコンステレーション網”Starlink”の実装に取り組んでいるSpaceXは、10月17日に予定しているStarlink衛星の打ち上げにおいて、使用済みの第1段ブースターを使用することを発表しました。

ケープカナベラル空軍基地に着陸するFalcon 9ロケットの第1段ブースター
Credit : SpaceX

来週の打ち上げで搭載されるStarlink衛星の具体的な個数はまだ明かされていませんが、Starlink衛星60機を軌道投入させた今年5月のFalcon 9ロケットの打ち上げに似たものになると予想されます。

来週のStarlink衛星フライトにより、使用済み第1段ブースターを使用した打ち上げは27回目にのぼり、SpaceXの今年の10回の打ち上げのうち7回で使用済み第1段ブースターが使用されています。

これまでの実績から、Starlink衛星を高度450kmの軌道に投入する打ち上げミッションでも、使用済み第1段ブースターは問題なく動作すると期待されます。2019年度中に100機のStrlink衛星を軌道投入し、2020年代半ばまでに12,000個のStarlink衛星を軌道投入予定のSpaceXの歩みも、盤石のようです。

また、SpaceXがStarshipを打ち上げる予定のテキサス州ボカチカの住人に対して住宅所有者への買い取りを検討しているとの発表もありました。