宙畑 Sorabatake

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日本政府、宇宙基本計画工程表を改定【週刊宇宙ビジネスニュース 12/9〜12/15】

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政府は12月13日、第21回宇宙開発戦略本部を開催し、宇宙基本計画工程表を改訂しました。宇宙基本計画工程表とは、宇宙基本法の施工に基づき策定している、日本が宇宙分野においてどのような施策を実行していく予定か、計画を示している資料です。この計画は毎年見直し・改定されています。

検討結果に対して意見募集が毎年一定期間なされており、その理由については下記のように示されています。


現行の計画は、平成27年1月9日の宇宙開発戦略本部(本部長:安倍内閣総理大臣)に おいて決定していますが、本計画では、環境変化に応じて個々のプロジェクトを通じて達成 すべき政策目標を柔軟に見直し、また新たに実施すべき宇宙プロジェクトや講じるべき施策 を追加する等により、「常に進化し続ける宇宙基本計画」を目指すとされています。
「宇宙基本計画工程表(令和元年度改訂)の策定に向けた意見募集について」より


今回の会議の議事録はまだ公開されていませんが、当日利用された資料は下記リンクより既にご覧になれます。
宇宙開発戦略本部 第21回会合 議事次第
https://www8.cao.go.jp/space/hq/dai21/gijisidai.html

提出資料の1つ目として、今回の改定のポイントがまとめられています。

資料1 宇宙基本計画工程表(令和元年度改定)(案)のポイント Credit : 内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 Source : https://www8.cao.go.jp/space/hq/dai21/siryou1.pdf

まず、アメリカやフランスが設立し話題となった宇宙軍を、日本でも新設する、という話題。これは、何も戦争をする、という話ではなく、宇宙の状況を監視していきます、というもの。空間を周回する大量の衛星や宇宙ゴミ(デブリ)の状況を監視することや、宇宙環境(天気)を監視する、ということなどが含まれています。

次が、宇宙の利活用を促進させる取り組みについて。これには測位衛星(みちびき)や政府衛星データの利活用促進(Tellus)、今後の衛星打ち上げ計画も含まれます。

そして最後に、宇宙輸送について。これには、現在開発中の新しいロケットであるH3ロケットや、サブオービタル飛行(地上から宇宙まで行ってすぐ地上に戻ってくる飛行のこと)の実現に向けた検討も含まれるようです。

他にも、東京オリンピック・パラリンピックの機会を活用した先導的社会実証実験の話題や宇宙の潜在力を活用して地上の生活を豊かにし、活力のある未来の創造につながる取組、などに関する話題もあります。

詳しくは議事次第リンクの宇宙基本計画工程表(令和元年度改訂)(案)資料3をご覧ください。

政府の方針にうまく乗れるスタートアップは急成長のチャンスがありますし、逆に方針に沿っていない場合には政府からの補助が出にくくなる可能性もあるので何かしらの工夫が必要となる場合が多くなります。

以下の例は政府の方針を決めるための検討のための契約となるので、上記の話題とはズレるのですが、先週アメリカのアメリカ国家偵察局(NRO)は、Capella Space社とHawkEye 360社の2つのスタートアップとdata integration study contractsと呼ばれる契約を結んだことを発表しました。

Capella Space社は超小型の合成開口レーダー(SAR)衛星を開発・運用し、Hawkeye 360社は無線(RF)による観測をする衛星を開発・運用しています。(Capella Space社についてはデータが公開されていないのでどのような状況か分かりませんが)両社のデータは政府が実用するにはまだ評価などが十分ではなく、そのため、データが利用するに値するかどうかを評価するための検討のために契約を今回結んでいます。
今回の評価結果が良ければ、政府は今後も定期的にデータを購入することになるでしょうし、結果が不十分でない場合には、十分な質にするための施策を打つ、もしくは契約を打ち切る、などの選択があるかと思われます。

実際、同機関のディレクターは以下のように発言したようです。
Pete Muend, director of the NRO Commercial Systems Program Office, said the goal is to understand the capabilities of a variety of commercial vendors.
(NROのPete Muend氏は、さまざまな商用ベンダーの能力を把握することがゴールだと言いました。)

政府の方針と上手く沿った企業/スタートアップがいることと、方針にはないが新たな指針を打ち出すことで、結果として政府の方針に自身の取り組みを書き加えることができる企業/スタートアップがいること、この両方が宇宙開発をスムーズに進めていくためには重要かと思われます。
定期的に変化する宇宙基本計画工程表を眺め、現在どのような状況にあるのか、ということを追ってみるのもよいでしょう。

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