宇宙の「traffic management」とは? 第14回「今週のSPACE ENGLISH」
今週はマニアックな英単語が多めでしたが、重要な単語もいくつか登場したのでぜひ記事をご覧ください
英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。
今週は6/24~6/30の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を10個ご紹介します。
※7/8(日)更新予定でしたが公開が遅くなってしまいました、申し訳ございません
それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!
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集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/6/24~2018/6/30
※()内の数字は該当期間の登場回数です
terminals(37)
端末、終点、末端。今回は地上局の設備についての話が多く、「optical terminals = 光通信端末」という用いられ方をよく見かけた。
さて、あらためて端末とはどういうものなのか。気になったので調べてみたところ、Wikipediaの説明が分かりやすかったので引用すると「回線やネットワークの末端に接続され、他の機器と通信を行う主体となる機器のこと」とのこと。
ちなみに「ターミナル駅」という言葉を聞いたことのある読者も多いだろう。ここで言うターミナルはもちろん今回ご紹介した「terminal」であり、「発着点(末端)の駅」のことだ。
management(33)
管理、運営、取り締まり。日本でも「マネジメント」という言葉は根付いているが、宇宙ビジネスにおいて何を管理するのか。
もちろん組織の管理も登場するケースはあるが、今回頻出した理由は次に紹介する「traffic」の説明に譲りたい。
traffic(26)
交通、交通量。上に紹介した「management」とセットで「traffic management」という並びが頻出した。
宇宙ビジネスにおける交通管理とは何か。それは衛星同士の衝突や衛星とデブリ(宇宙ゴミ)の衝突が発生しないための管理である。
秒速7km以上もの速度で地上をくるくる回る衛星と衛星との衝突事故を想像を絶する。デブリを生み、それがさらにデブリを生み……と自然増殖し、人類では手の施しようがないほど宇宙がゴミだらけになってしまうかもしれない。
それを未然に防ぐため、交通管理を行うことが重要なのだ。現在デブリを処理するサービスも生まれ始めており、期待が高まっている。
ground(25)
地上の。衛星はロケットで宇宙に打ちあがり、軌道に乗ってからが仕事の始まり。宇宙のデータや地球を観測したデータ、また、通信衛星の場合は送信局から送られてきたデータを地上の特定の受信局に送らなければならない。
それらの送信局や受信局をまとめて「ground station = 地上局」とあらわす場合が多い。
spectrum(25)
波長、分光、スペクトル、範囲、幅。
たとえば、宙畑で以前紹介した気候変動観測衛星「しきさい(GCOM-C)」は近紫外から熱赤外(380nm~12µm)の波長域で観測を行うことができる。
また、今回頻出した要因となったのはC-bandの波長についての話題であった。
solid(25)
固体、固形の。宇宙ビジネスで固体といえば、固体ロケットである。日本ロケットの起源「ペンシルロケット」も固体ロケットである。
capacity(24)
容量、能力。通信衛星の強みのひとつとして、テレビやラジオなど、大容量のデータを一斉に広域に送れるという強みがある。
ceo(24)
最高経営責任者。「Chief Executive Officer」の頭文字をとったもの。日本でも「Chief Technical Officer = 最高技術責任者」「Chief Marketing Officer = 最高マーケティング責任者」など、様々な肩書があり、日々新たな肩書が生まれているのは気のせいだろうか。おそらく気のせいだろう。
fcc(23)
アメリカの連邦通信委員会「Federal Communications Commission」の頭文字をとったもの。アメリカの放送通信事業における規制監督を担うアメリカの独立機関。
launches(22)
第1回「今週のSPACE ENGLISH」で登場した「launch = 打ち上げ、打ち上げる」の複数形。
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以上、第14回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。
次回の「今週のSPACE ENGLISH」は7/15(日)に7/1(日)~7/7(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。
これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!
※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら