【2020年1月の宇宙ビジネスニュースまとめ】活況を呈す衛星ビジネス。その裏で深刻化する「スペースデブリ問題」
本記事では、2020年1月に起きた宇宙ビジネスニュースをまとめてお届けします。
新年に入っても、宇宙ベンチャーに対する投資の勢いは衰えず、大規模な資金調達のニュースが飛び込んできました。一方で、ボーイングのスペースプレーンプログラム撤退や、ますます深刻化する「スペースデブリ」の問題など宇宙産業に影を落とすニュースも。
2020年は「持続可能な宇宙開発」について、議論が活発化する1年になるかもしれません。
それでは、2020年1月に取り上げたニュースとその要約を8本ご紹介します。興味のある記事や読み忘れていた記事などございましたらぜひご覧ください。
衛星データ提供サービス、シリーズAで総額10億円を調達
NASA・Planet・ESA・CSAなどが所有する衛星データ(地球観測データ)を、APIを用いて利用しやすく提供しているカナダのベンチャー企業・SkyWatch社がシリーズAで約10億円の資金調達に成功しました。
またシリーズAと併せて、リモートセンシングオペレータ向けのサービス「TerraStream」もリリース。衛星データ取得をより容易できるよう、さらなる挑戦を続けています。
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衛星データ提供サービス、シリーズAで総額10億円を調達【週刊宇宙ビジネスニュース 12/30〜1/5】
アルテミス計画発表後初の新たな宇宙飛行士が誕生!
2020年1月10日、NASAは2年間の基礎訓練を終えた11名の宇宙飛行士候補者(Astronaut Candidate 通称、ASCAN)が宇宙飛行士として任命されました。新たな宇宙飛行士が誕生するのは、2024年の有人月面着陸を目指すアルテミス計画が発表されて以来、初めてです。
18,000人を超える応募者の中から厳選された精鋭たちは、今後月面ミッションだけでなく、火星ミッションにアサインされる可能性もあり、今後の活躍に注目が集まります。
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アルテミス計画発表後初の新たな宇宙飛行士が誕生!【週刊宇宙ビジネスニュース 1/6〜1/12】
民間宇宙産業の市場規模を経済分析局が調査!
米国商務省長官・ウィルバー・ロス氏は、少なくとも20年以内に「民間宇宙ビジネスは、1兆ドルの市場になる」と発表しました。
急成長を続ける宇宙産業。各調査機関により、その推計値に大きな違いはあるものの、成長産業であることは間違いないようです。
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民間宇宙産業の市場規模を経済分析局が調査!【週刊宇宙ビジネスニュース 1/6〜1/12】
ルクセンブルク政府が宇宙特化型ファンドに出資の発表、その金額は?
1月16日、ルクセンブルク政府は宇宙特化型・Orbital Venturesへ出資したことを明らかにしました。出資額は非公開ですが、Orbital Venturesはこれでおよそ85億円の資金を集めたとのことです。
宇宙ビジネスへの参入を積極的に進めるルクセンブルク。次の一手に注目が集まります。
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ルクセンブルク政府が宇宙特化型ファンドに出資の発表、その金額は?【週刊宇宙ビジネスニュース 1/13〜1/19】
独自の軌道投入システムを検討するSpinLaunchが3500万ドルを調達!
人工衛星を軌道投入させる新しいシステムを構想するSpinLaunchが、シリーズBで総額3500万ドルの調達に成功しました。2014年に創業した同社の調達額はこれで総額約8000万ドル。ロケットより安価に衛星を軌道投入できる新システムの開発は順調に進んでいると見られます。
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独自の軌道投入システムを検討するSpinLaunchが3500万ドルを調達!【週刊宇宙ビジネスニュース 1/13〜1/19】
ボーイングの苦難とSpaceXの前進、アメリカの有人飛行に明暗
アメリカを代表する”航空宇宙の雄”の間で、明暗がはっきり分かれました。
ボーイングは、米国国防高等研究計画局(DARPA)と進めていたスペースプレーンプログラム(XS-1)から撤退することを発表。第3フェーズまで予定されていたプログラムは第2フェーズで終了となりました。
一方、SpaceXは、1月19日に宇宙飛行士が搭乗予定のクルードラゴンの脱出テストを無事成功したと発表。ロケットに万が一異常が発生した際に、宇宙飛行士が搭乗するカプセルが無事に地上へ帰還できるか検証した同試験を突破し、SpaceXは有人宇宙飛行に向けてまた一歩前進しました。
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ボーイングの苦難とSpaceXの前進、アメリカの有人飛行に明暗【週刊宇宙ビジネスニュース 1/20〜1/26】
Capella Spaceが3月に打ち上げ予定の商用衛星衛星の詳細を発表
Capella Space(カペラ・スペース)は、今後打ち上げを予定している小型SAR衛星の詳細を発表しました。36機の小型衛星でコンステレーションを実現すべく、2020年は7機の打ち上げを計画しています。
また今年3月29日には、Capella Space初の商用衛星Sequoia(セコイア)が打ち上げられる予定です。
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Capella Spaceが3月に打ち上げ予定の商用衛星衛星の詳細を発表【週刊宇宙ビジネスニュース 1/20〜1/26】
スペースデブリ増加、除去技術実証・ルール整備に待ったなし
通信コンステレーションを実現するべく、大量の衛星が打ち上げられる一方で「スペースデブリ」の問題が深刻化しています。
先日、ボーイングが打ち上げたSpacewayのうちの1機が、電源トラブルにより衛星がスペースデブリ化しました。今後このようなスペースデブリをどのように処理するか、早急なルールづくりが求められます。
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スペースデブリ増加、除去技術実証・ルール整備に待ったなし【週刊宇宙ビジネスニュース 1/20〜1/26】
以上、2020年1月に宙畑が取り上げた宇宙ビジネスニュースでした。
次回2020年2月の宇宙ビジネスニュースまとめは、3月中旬ごろの公開を予定しています。
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