宙畑 Sorabatake

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Northrop Grummanが商用衛星の軌道上ドッキングに成功!【週刊宇宙ビジネスニュース 2/24〜3/1】

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Northrop Grummanが商用衛星のドッキングに成功!

2月25日に、軌道上サービスを計画しているNorthrop Grummanと同社の完全子会社のSpaceLogistics LLCが、軌道上ドッキングに成功しました。

今回のミッションは、ミッション延命機であるMission Extension Vehicle-1(MEV-1)と、燃料が不足しているが機能として不足がないIntelsatの衛星Intelsat 901(IS-901)のドッキングであり、商用衛星同士の軌道上でのドッキングは世界初の快挙です。

軌道上サービスとは文字通り軌道上で、自社の人工衛星(サービス衛星)が顧客の人工衛星(クライアント衛星)に対して行うサービスです。
軌道上サービスは、大きく以下の5種類に分類されます。詳細は、以下の記事をご覧ください!

軌道上サービスの分類表 Credit : sorabatake

Northrop Grummanは、SpaceLogistics LLCという軌道上サービス専門の子会社を設立し、民間の静止衛星を対象としたサービスを展開予定で、今回のドッキングは記念すべき初のドッキングでした。MEV-1は設計寿命が15年で約2300kgの衛星となっています。

MEV-1は、10月初旬にプロトンロケットで打ち上げられた後、2月1日までに電気推進の小型スラスターを利用してIntelsat-901の軌道に投入されました。MEV-1はIS-901に近づきながら、2月24日までにIS-901から約80m離れた地点でカメラやランデブーシステムのテストを完了していたとのことです。

SpaceLogistics LLC 社長のTom Wilson氏は、

Our Mission Extension Vehicle provides an innovative, satellite life extension service. Together, Northrop Grumman, SpaceLogistics LLC and Intelsat have taken the first step in pioneering in-space logistics services for both commercial and government customers.

(訳:当社のMission Extension Vehicleは、革新的な衛星延命サービスを提供します。Northrop Grumman・SpaceLogistics LLC・Intelsatが共同で、民間・政府機関問わず、宇宙物流サービスの先駆者として最初の一歩を踏み出しました。)

と述べており、軌道上サービスのパイオニアとして更なるビジネスの拡大を狙っているようです。

ドッキングのイメージ図(右がMEV-1で、左側が対象となる人工衛星) Credit : Northrop Grumman

SpaceLogistics LLCが今回打ち上げたMEVは、クライアント衛星に接近・ドッキングし、そのまま軌道維持や軌道遷移を行うサービス衛星です。

同社はその他に、Mission Robotic Vehicle (MRV)と呼ばれるサービス衛星も開発中です。この衛星はロボットアームを搭載しており、将来的には、軌道上での衛星や宇宙線のメンテナンスや修理するサービスを提供する予定です。

本ミッションは、Northrop Grummanに買収される前のオービタルATK社時代から計画されていました。企業買収を挟みながらも、技術が継承されミッションを実行できた事は非常に素晴らしいことではないでしょうか。

人工衛星が一度ロケットで打ち上げられ所定の軌道に入ってしまうと、例え故障しても修理することは非常に困難であるというのが常識でしたが、昨今の民間宇宙ベンチャーの台頭で、その常識は塗り替えられようとしています。

Relativity Spaceがロングビーチへ移転

3Dプリント技術でロケットを開発しているRelativity Spaceが2月28日に、カルフォルニア州のロングビーチにある約11,150㎡の施設に移転し、新しい本社とロケット製造工場の開設を発表しました。

新しい工場で3Dプリント技術による製造ラインを完成させ、最初の打ち上げを、2021年にケープカナベラル空軍基地にて実施予定です。 Relativity Spaceは現在、ミシシッピ州のNASAのStennis Space Centerで燃焼試験を実施しています。

最初に打ち上げ予定のロケットであるTerran 1の高さは約29mで、通常のロケットの部品は全体のわずか1%しか使用しないと発表されています。Terran 1のスペックは、地球低軌道に最大1250kgのペイロードを軌道投入が可能な2段式ロケットです。これは、Rocket LabのElectronのような小型ロケットとSpaceXのFalcon 9などの大型ロケットのちょうど間の能力です。

Relativity Spaceはまだ打ち上げを実施していませんが、昨年秋の資金調達ラウンドで1億4000万ドルを調達し、同社が獲得した投資総額は1億8,570万ドルにのぼります。

更に、水推進の宇宙機を開発するMomentus・Telesat・Spaceflight Industries・タイを拠点とするスタートアップmu Space等、既に複数の顧客と打ち上げ契約を発表しています。

ロングビーチには現在、宇宙輸送を手がける宇宙ベンチャーが集結しています。ロケットの空中発射を目指すVirgin Orbit・カタパルト発射を目指すSpinLaunch・小型ロケットベンチャーのRoket Labが、本社や工場をロングビーチに構えているのです。

開発資金も獲得済みで顧客も獲得しているRelativity Spaceは、今回の新しい工場でペイロードの開発に集中できることでしょう。
ロングビーチに集まるロケットベンチャーの中で、資金も顧客も得ているRelativity Spaceの今後が楽しみです!

ロングビーチに新しく開設されるRelativity Spaceの新しい工場の内観 Credit : Relativity Space

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参考文献

Northrop Grumman Successfully Completes Historic First Docking of Mission Extension Vehicle with Intelsat 901 Satellite

Northrop Grumman’s MEV-1 servicer docks with Intelsat satellite

Northrop Grumman space logistics services

Relativity Space will 3D-print rockets at new autonomous factory in Long Beach, California

Relativity to move headquarters to Long Beach