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中国国産ロケット会社設立によりロケット商業化へ

中国は、長征ロケット株式会社を2016年10月19日に設立しました。

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中国の国産ロケット Credit : 新华社

中国の長征ロケットとは

中国は、長征ロケット株式会社を2016年10月19日に設立しました。当社は、既に有している衛星打ち上げ、商業衛星の統合運営サービスに加えて、将来、柔軟性のある打ち上げサービス、宇宙旅行サービスなどを計画しており、宇宙ビジネスの発展が期待されています。

長征ロケットは、人工衛星打ち上げ用ロケットです。1970年に1号を打ち上げてから今までに200機以上打ち上げられている、歴史あるロケットととして国際的にも認知されています。

中国は、国産ロケットの商業化により、米露などの宇宙強国により独占されている商業ロケット市場での地位を拡大していく見込みです。商業として成立するための重要な観点として、信頼性、性能、コストがありますが、長征は実績から既に信頼性において、一定の競争力を備えています。また、コストに関しても、衛星とロケットインターフェースの標準化、バッチ生産技術などから、打ち上げコスト平均30%減、期間は最短8%減に抑えられるとみており、今後の商業化するにあたり大きな強みとなっていくと考えられます。

将来的なサービスとして、宇宙旅行が挙げられています。当社は10年以内にサブオービタル*1における研究開発を完了し、サブオービタルでの観光事業の展開が見込まれています。既に商業化されてSpaceXのFalcon9ロケットの垂直着陸などもしかり、今後商業ロケットはより身近なものになっていくでしょう。

今週の中国語フレーズ

长征火箭迎来新起点,意味着中国火箭的商业化时代正式来临,商业航天必将引发社会生产、生活方式的系列变
新たな出発点に立つ長征ロケットは、中国ロケットの商業化時代の到来と社会で生み出されるものや生活に必ず変化を与えるでしょう。

用語解説

*1 サブオービタル: 大砲の弾のように弧の弾道を描く飛行形態。一般的には、弾道ミサイルや軌道に到達しないロケットの飛行経路を指す言葉として使われる。宇宙開発の分野では宇宙弾道飛行や準軌道飛行と呼ばれることもある。

出典元

2016/10/19, XinHua Net, 中国长征火箭有限公司成立 开启中国火箭的“商业化时代”,http://news.xinhuanet.com/politics/2016-10/19/c_1119751463.htm

参考: http://www.spaceflightfans.cn/4446.html

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