【Tellusマーケットが本格始動!】有料ツールの売買が可能に!表示速度などの機能もアップデート
今まで無料ツールのみが並んでいたTellusマーケットにいよいよ有料ツールが登場!さらに表示速度などの機能がアップデートされ、よりデータの比較や検索性が向上しました。様々なデータを見てみたいという人も、自社のツールを売ることができないかと考えてる人も、ぜひ今一度Tellusを触ってみませんか??
記事作成時から、Tellusからデータを検索・取得するAPIが変更になっております。該当箇所のコードについては、以下のリンクをご参照ください。
https://www.tellusxdp.com/ja/howtouse/access/traveler_api_20220310_
firstpart.html
2022年8月31日以降、Tellus OSでのデータの閲覧方法など使い方が一部変更になっております。新しいTellus OSの基本操作は以下のリンクをご参照ください。
https://www.tellusxdp.com/ja/howtouse/tellus_os/start_tellus_os.html
2020年12月23日、Tellusのマーケットで有料ツールの対応を開始しました。これにより、企業が所有しているデータやアルゴリズムをTellusのマーケット上で、有料で売買することが可能になります。
今回は、課金対応に伴ってどのようなことができるようになったのか、追加されるツールや合わせてアップデートされたTellusの機能について紹介します。
(1)Tellusとは
Tellusとは、衛星データを利用した新たなビジネスマーケットの創出を目的とする、クラウド環境で分析ができる日本発のオープン&フリーなプラットフォームです。
衛星データだけではなく、人流データや気象データなどの様々なデータを搭載しており、データの掛け合わせから新たなビジネス創出を促進します。
新たなビジネス創出を促進するためにTellusは以下の6つの機能を提供しています。
そして、2019年の2月にローンチしてから2020年12月現在までに19,000名の方にカスタマー登録していただいています。
Tellusのこれまでのアップデートについてはこちらをご覧ください。
2019年2月リリース! 衛星データプラットフォーム「Tellus」でできること
【Tellus Ver.2.0がリリース!】サイトのリニューアルやOSのUI改善、オープンする「マーケット」とは
アップデートのポイントは大きく分けて2つ!
今回のアップデートのポイントは以下2つ。
①2020年2月からオープンしているTellusマーケットでの有料ツールの取扱いが開始
②UI/UX機能をアップデート
以降の章では、詳しくその中身について紹介していきます!
(2)有料ツールの取扱い開始!
Tellusでは2020年2月にTellusマーケットをオープンし、無料ツールの取扱いを開始しました。
そしていよいよ、2020年12月から有料ツールの取扱いを開始します。
今後も有料・無料ツールが続々と追加されていく予定ですので、日々Tellusマーケットをチェックしてください!
※追加されるタイミングはツールによって異なります。
以下、宙畑編集部が今回追加されるツールについて、その使い方を勝手に妄想しながら紹介します。
・日射量データ:有料/株式会社気象工学研究所
株式会社気象工学研究所さんが出品されるのは「日射量データ」です。
衛星データを使って、日射量のデータを推定、予測できるAPIとなっています。
同社による日射量推定については、以前宙畑の記事でもご紹介しておりました。
衛星データでソーラーパネルの発電量を予測する! その手法と効果
日射量の予測を行うことで、記事にあるようにソーラーパネルの発電量を予測したり、日焼けの注意喚起アラートを流したり、洗濯物を干すのを勧めたりできるようになるかもしれませんね。
・防災情報:有料/ゲヒルン株式会社
「日本をもっと安全にする」をミッションに掲げ、インフラストラクチャサービス「Gehirn Web Services」・法人向け情報セキュリティサービス・防災気象情報配信サービスを提供するゲヒルン株式会社さんが提供するのは過去に起きた10分毎の地震情報APIです。
これまでの地震情報を地図上で並べて見ることで地震が多い地域・少ない地域と、防災グッズの売れ行きを比較してみるなど、防災対策に役立てられるかもしれません。
・雷観測情報(有料版):有料/株式会社島津ビジネスシステムズ
株式会社島津ビジネスシステムズさんからすでに出品されていた雷観測情報(無料版)は、無料版としての提供で情報が2019年台風15号関連のデータ(2019/9/9~2019/9/10)に限定されていました。
有料版では2017/11/7から現在までと期間が拡大し、利用者が自由に最近のデータまで選べるようになっています。
雷の影響を受けやすい設備がある工場の建設地を新しく探す場合に、候補地の時系列にデータを取得し、1年を通して雷の少ない地域を探すなどの利用法が考えられます。
雷観測データを無料で触れる! 雷の原理、種類から学ぶ雷データの使い方
・降水予測情報(有料版):有料/株式会社島津ビジネスシステムズ
こちらも、すでに出品されていた降水予測情報ですが、無料版では「降水実測値と3時間先までの予測値」であったところが「降水実測値と6時間先までの予測値」に拡大しました。
リアルタイムに6時間先までの降水予測データを得ることができるので、傘を持って家を出たほうがよい場合はプッシュ通知するアプリを作るなどの利用法が考えられます。
・降水観測情報(有料版):有料/株式会社島津ビジネスシステムズ
降水観測情報についても、無料版では情報が2019年台風15号関連のデータ(2019/9/9~2019/9/10)に限定されていましたが、有料版では、1年前から現在までと期間が大幅に拡大し、利用者が自由に選べるようになっています。
降水観測情報と、すでにTellusで公開されている人の流れのデータ(人口統計情報|モバイル空間統計や位置情報|Profile Passport)と重ねて解析することで、雨が降った時に人が行く場所がどのように変わるのかを可視化することができ、タクシーの配車や出店計画などに役立てることができるかもしれません。
AIによるビッグデータ活用で30分後のタクシーの需要が予測できる!
・500mメッシュ推計人口:無料/株式会社MIERUNE
株式会社MIERUEさんから2015年の国勢調査に基づいた、関東圏の2050年までの500mメッシュ別の将来人口の試算を行ったデータがAPIで公開されています。
年齢別の集計も出ているため、ある特定の年代をターゲットにしたサービス・製品展開のマーケティングに使うことができます。
高齢化が進みそうなエリアには老人ホームといった高齢者向けのサービス、子供が増えるエリアには学習塾といった子育て世帯に需要のあるサービスなどの活用法が考えられます。
・行政区域データ:無料/株式会社MIERUNE
国土交通省が公開している全国の行政界ポリゴンデータも新しく追加しています。全国の行政界について、都道府県名、支庁名、郡・政令都市名、市区町村名、行政コード等が含まれています。
例えば、保育園の場所や小学校の場所を地図上で重ね合わせることで、居住エリアに対して、行政サービスが足りていない地域を可視化することができるかもしれません。
・駐車場空きスペース検出:無料/Tellus公式ツール
最後にご紹介するのが、Tellusの公式ツールとして新しく出るアルゴリズムです。
衛星データを使って、駐車場スペースを検出する機械学習アルゴリズムになっています。
本ツールの開発の裏側は、2020年夏に実施したTellus SPACE xData Fesでもご紹介していますのでこちらの記事も合わせてご覧ください。
駐車場に使える場所を衛星データで自動検出。akippa、Ridge-i、さくらインターネットが取り組むサービス化の課題と改善点
こちらで紹介したツールは随時公開されていきますので、マーケットから興味のある商品を探してみてください。
(3)カスタマーの声を反映してTellus OSもUI/UXをアップデート!
カスタマーの声に答えるといった形で、Tellus OSでは30以上の改修が行われました。詳しくはTellus公式のお知らせページに記載されている情報をチェックしてみてください。
Tellus公式のお知らせページ
ここでは宙畑編集部的に推しのポイントをピックアップしてご紹介します。
表示速度が改善!
UIの大幅リニューアルを行ったものの、ロードすべき機能が多々あり動作が一部重たいといった声が挙がっていたver.2.0。今回のリリースで表示速度を改善しました。
複数のデータを表示した際の挙動や、2画面モードにした時の動きが今までに比べ早くなっています。
バンド合成機能のカスタム・プリセットがわかりやすく!
従来の、RGBにバンドを任意に割り当てることができる機能はそのまま「カスタム」として残しつつ、バンド合成のプリセットにNDVI(植生指数)が追加されました。(AVNIR-2データのみ)
NDVIは植物の活性度合いを見ることができる指標で、衛星データ解析ではよく使用されます。もちろん今までも、開発環境を使用すれば合成することができていましたが、今回からTellus OSでも簡単に確認することができるようになりました。
タイムスケールパネルのUIがより使いやすく
複数データを表示する際、今まで順番を入れ替えるには、データサムネイルの横にある目のマークを押して一度非表示にして順番に表示する必要がありました。
今回、タイムスケールパネル内、タイムラインバーに表示されているデータ名をドラッグすることで、表示の上下を入れ替えできるようになりました。
また、タイムラインバー内部・タイムラインバー下部の目盛りなどをクリックすることで指定時間を変更できるようになったほか、「>」「<」のマークを押すことで目盛りを一つずつ移動させることができるようになりました。
さらに、該当するデータが無いときにタイムラインバー内部にメッセージが掲出されるようになり、エラー内容がわかりやすくなりました。
(4)まとめ
今回の機能追加やUI/UXのアップデートによって、いよいよ本格的にTellusを使ったビジネスが可能になりました。有料ツールの購入だけではなく、みなさんがお持ちのデータやアルゴリズムなども販売することが可能です。
今までもTellusを活用していた方も、小さなアップデートがたくさんありますので、使い勝手がどのくらい良くなっているかぜひ確かめてみてください。
今後も紹介したツールだけではなく、様々なツールが追加されていきますので、マーケットに何が増えていっているのか引き続きチェックお願いします。