ロケットやSSA開発に取り組むポーランド、月面にも意欲。アルテミス合意に署名【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/10/25〜10/31】
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宇宙分野では世界最大規模のカンファレンスイベント「国際宇宙会議(IAC)」が10月25日から29日にかけて開催されました。26日には、新たにポーランドがアルテミス合意に署名しました。
宙畑メモ アルテミス合意
有人月面着陸を目指すアルテミス計画を見据え、宇宙利用の基本原則をまとめたものです。米国、日本、カナダ、英国、イタリア、ルクセンブルク、オーストラリア、UAEが2020年10月に署名。その後、ウクライナと韓国、ニュージーランドが署名しています。
ポーランド宇宙庁のGrzegorz Wrochna(グジェゴシュ・ヴロチュナ)長官は、
「アルテミス合意への署名は、ポーランドの宇宙産業を発展させる重要な一歩です」
とコメントを述べています。
ポーランドは2012年にヨーロッパ宇宙機関(ESA)の加盟国になり、2014年にポーランド宇宙庁を設立しました。
2030年までにヨーロッパの宇宙関連市場の3%にシェアを広げることをポーランド宇宙庁は目標と掲げています。その足掛かりとして、2019年から2021年にかけて取り組む「国家宇宙プログラム」には、ロケットや宇宙状況把握(SSA)システム、ロボット技術の開発など大規模なプロジェクトの構想が盛り込まれ、約70億円が投じられると見られていました。
アルテミス合意の加盟国は続々と増えています。これについて宇宙政策の第一人者である東京大学大学院の鈴木一人教授は、各国が月軌道ゲートウェイの先に見据えるものは?【国際政治の視点からみるアルテミス計画 後編】で「ヨーロッパ諸国が宇宙開発に取り組むドライビングフォースは、それぞれ異なる」と語っていました。
宇宙開発先進国である日本がどのような役割を果たしていけるのか、慎重に考えていく必要がありそうです。