ニュース
天地人が衛星データを活用して水田から排出されるメタンガスを推定する方法論を発表【宇宙ビジネスニュース】
【2022年11月28日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
天地人が衛星データを活用して水田から排出されるメタンガスを推定する方法論を発表
衛星データをはじめとする各種データを活用した土地評価エンジン「天地人コンパス」を開発している天地人が、水田からのメタンガス排出量を推定する独自の方法論を開発し特許を出願したことを発表しました。
近年、気候変動による温暖化の解決のために、温室効果ガス削減の取り組みが加速しています。温暖化の主な要因は二酸化炭素ですが、メタンガスの影響も大きく、温暖化の人為的要因の約30%を占めるとされています。中でも、水田から排出されるメタンガスは全体の排出量の約12%に上るとされています。
今回、天地人が特許出願した方法論は、天地人の強みである衛星データ、AI分析、および水田農業の専門性を組み合わせた独自の方法論となっています。
天地人は、本方法論の発表とともに事業化に向けたビジネスパートナーの募集を始めました。国内外のビジネスパートナーと共同で、対象地域の環境・社会・経済、および「グローバル・メタン・プレッジ」(※1)に貢献したいとのことです。
※1:2021年に開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)で宣言された、メタンガスの排出量を2030年までに30%削減する目標
衛星データを活用した森林の二酸化炭素吸収量の推定など、衛星データを活用した脱炭素ビジネスにも注目が集まっています。さまざまな企業の取り組みとともに、天地人が、温暖化の解決に貢献していくことに期待です。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
衛星データ
髙倉有希
【保存版】環境問題を可視化する衛星データまとめ〜環境問題の指標・世界の取り組み・利用できる人工衛星〜
特集
神田 匠(こうだ たくみ)
地球環境を守るだけではなく企業の成長にも不可欠? 「サプライチェーン排出量」について専門家に聞いた
ビジネス事例
宙畑編集部
農業×衛星データ最新事例紹介~生育管理・適地選定・保険・農地管理~
今週の宇宙ビジネスニュース
ニュース
宙畑編集部
国連、COP27で衛星データを利用したメタン検知システム「MARS」を発表。排出元に通知し、排出量削減を目指す【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
日本と欧州、2030年までのISS運用延長に合意。「アルテミス計画で必要となる技術実証の場として不可欠」【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
ANA、航空機とドローンを活用し温室効果ガスを観測。JOGMECと共同調査へ【宇宙ビジネスニュース】
ニュース
宙畑編集部
オリオン宇宙船がついに月へ。相乗りしたJAXAの探査機「エクレウス」には水推進エンジンが搭載【宇宙ビジネスニュース】
参考記事
JAXAベンチャー天地人、国内外でビジネスパートナーを募集。衛星データを活用して水田から排出される温室効果ガスを推定する方法論を開発。