インターステラテクノロジズら4社がJAXAと超小型衛星の打ち上げ輸送サービスの基本協定を締結【宇宙ビジネスニュース】
【2024年4月1日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
3月26日、JAXAは「打上げ輸送サービスの調達に関する基本協定」を三井物産エアロスペース、インターステラテクノロジズ、スペースワン、Space BDの4社と締結したことを発表しました。
今回発表された契約は、中小・スタートアップ企業の宇宙産業への参入促進や事業化を支援する目的で、JAXAが超小型衛星ミッションを公募し、JAXAが選定した民間輸送サービスで打ち上げる「JAXA-SMASH (JAXA-Small Satellite Rush Program、産学官による輸送/超小型衛星ミッション拡充プログラム)」によるものです。
今回の公募は、日本国内からの打ち上げ、日本国籍を有する船舶もしくは航空機に搭載された打ち上げ施設からの打ち上げ、ISS日本モジュールからの放出により行われることのいずれかに当てはまることが要件とされていました。
打ち上げ輸送サービスの選定にあたっては、以下の3点を満たす事業者は、発注契約が優先されることになっています。
1.日本国内のロケット開発事業者が機体全体のシステム設計を行い、開発した機体であること
2.新たに開発された機体であること
3.基幹ロケット(H3ロケット、H-IIAロケット、イプシロンロケット)ではないこと
なお、JAXAは基本協定の締結事業者の応募を引き続き通年受け付ける予定です。
今回、基本協定の締結事業者として選定されたインターステラテクノロジズの代表取締役社長・稲川貴大さんはJAXA-SMASHの取り組みについて「宇宙技術は難しく挑戦の機会が少ないことにより、宇宙利用の広がりと産業成長が制限されています。JAXA-SMASHはその制限を打破するための超小型衛星の革新的な技術実証の機会です」と述べています。
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参考
「JAXA-SMASH」で優先打上げ事業者に選定され、JAXAと超小型衛星の打上げ輸送サービスに関する基本協定を締結しました