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ICEYEが洪水時にリアルタイムに災害状況を知ることができるFlood Insightsの提供を開始
【2024年5月6日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
5月2日、SAR衛星の開発・運用を行うICEYEが洪水の災害状況をリアルタイムに把握できるFoold Insightsを発表しました。本サービスは、主にカナダでの利用を想定しているとのこと。
洪水での迅速な衛星データ利用
SAR衛星の強みは、夜間や天候に左右されにくい性質を利用して災害監視に使用できることにあります。特に、洪水が発生しているタイミングは天候は雨か曇りで、光学衛星では状況の把握ができず、SAR衛星の特性が活かされる場面であることが多いのです。
SAR衛星のデータから状況を即座に読み取り、災害状況を保険会社に早急に伝達することで、罹災した方への支払いの高速化による信頼性の向上や発災の確認のコストを下げるメリットがあります。この Flood Insights はこの試みを叶える製品になるでしょう。
また、早期警戒情報として、災害が起きそうな地域の情報を発災前の96時間前から把握が可能となっており、災害直後だけではなく、発災中やその後まで24時間ごとに洪水の広がりや収まりの状況に関する情報を提供することが可能とのこと。Foold Insightsが提供されるカナダでは、年間平均3271億円(112.8レート計算)ほどの被害額があるそうで、少しでも被害額が抑えられることが期待されます。
ICEYE は 2015年から保険会社には住宅保険向けの水害情報提供サービスを展開していますが、今回の製品はより広い層の顧客にもそれらの情報が提供できるような体制を整えた動きと言えるでしょう。
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