宇宙のガソリンスタンド計画!Orbit Fab社がISSでの実証実験に成功【週刊宇宙ビジネスニュース 6/17〜6/23】
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今月18日に、Orbit Fab社は、無重力空間での燃料充填実験に向けた、2つの装置間での燃料に見立てた水の移動、「Furphy」に成功したことを発表しました。
同社は、軌道上で衛星の燃料を塡充する“宇宙のガソリンスタンド計画”の実施を目指す、米国・サンフランシスコに拠点を置くスタートアップ。
今の衛星は軌道上で燃料補給可能になるような設計はまだされていませんが、将来的には補給できるような衛星のコンセプトも検討されており、同社は市場を先導していると言えます。CEOのDaniel Faber氏は昨年2018年のインタビューで「(市場が成熟していない。)だからこそ、私たちは今始めるのです」と答えています。
さらに、“インドのシリコンバレー”と称されるIT都市・バンガロールを拠点とするスタートアップ・Bellatrix Aerospace社が300万ドルの資金調達に成功したことが明らかになりました。
同社は、衛星向け推進器の開発で知られていますが、その技術を活かし次に目指すのは小型ロケットの開発・製造。今回調達した資金は、スラスター技術の実証に充てるとのことです。
共同創業者である、Rohan M Ganapathy氏とYashas Karanam氏はともに、経済誌「Forbes」が選ぶ「30 Under 30 2018」に選出され、世界からも注目されている若手起業家の二人。
今回の資金調達はインドの投資家から行われましたが、Ganapathy氏は、「次のラウンドに向け世界へアプローチしたい」と述べています。Karanam氏は、「Bellatrix Aerospace社の強みはコストの低さ」「アメリカとヨーロッパにも拠点を開設したい」と述べています。同社のシリーズAラウンドは2020年末に終了予定。
世界の宇宙スタートアップの強気な動向に、ますます期待が高まります。
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