衛星の運用が変わる?Amazonによる地上局×データセンタ誕生【週刊宇宙ビジネスニュース 11/26~12/2】

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今や利用していない人の方が少ないのではないか、と思えるAmazon。そのAmazonが、衛星運用分野へと参入してきました。

【今週(11/26~12/2)のピックアップ】
1.衛星の運用が変わる?Amazonによる地上局×データセンタ誕生
2.火星探査機InSightの着陸を影で支えた探査機MarCO
3.NASAが約2900億円の月探査契約を9社に絞り込む

1. 衛星の運用が変わる?Amazonによる地上局×データセンタ誕生

AWS Ground Stationによって運用がどう変わるか
Image credit:sorabatake

Amazonは、2018年11月末に米ラスベガスで開催されたre:Inventカンファレンスにて、AWS Ground Stationを発表しました。宇宙業界の一部には大激震が走ったのではないでしょうか。
AWS Ground Stationーこのサービスは、世界12の拠点に新たに設置した衛星通信アンテナによって、衛星経由のデータ通信を、世界中に存在するAWSの通信ネットワークとデータ処理能力とともに利用することができるというものです。これにより、衛星を介したデータの送受信がより気軽に、容易に利用できるようになります。さらに、AWSでは、LandSatを始め、様々な衛星データが提供されています。ユーザとしては、この衛星データが欲しい、というよりは、この場所のこの時間のデータが欲しい、と思っているため、様々な衛星データが集まっている方が、ユーザ視点では利用しやすいのです。かつ、画像販売網を独自に用意するのは難しいため、AWS上で合わせて衛星データを販売することができれば、衛星開発事業社としては大きな利点となるのです。

このサービス内容の発表とともに衝撃だったのは、宇宙業界大手のロッキードマーチンとDigitalGlobe、新進気鋭のBlackSkyとSpire Globalとのアライアンス。ロッキードマーチンの持つ小型衛星基地局Vergeで、Amazonの保有する12台のアンテナの補完を行うそうで、受信可能エリアは徐々に増えていきそうです。

各企業が衛星の運用機数を増やし、ユーザ視点にも衛星データが使えそうな機運が高まってきたこのタイミングで、衛星開発事業社だけでなく、データ利用者まで含めた各ユーザのニーズを一気に満たすようなサービス展開をしたAmazon。
対して、すでに運用が課題になることを見越し、先行して地上局のシェアリングサービスを展開している日本のベンチャーがあります。それが、インフォステラです。
インフォステラはデータセンターやデータプラットフォームを有していません。国内で衛星に関連するデータセンター及びデータプラットフォームを提供している事業者として、さくらインターネットが挙げられます。同社は、Tellusという衛星データのプラットフォーム(なぜ日本初衛星データPF「Tellus」のデータビジネスに期待が集まるのか)を提供しようとしています。そのため、両社を組み合わせることで、Amazonと近しいサービスになるのです。(ただし、Amazonは各アンテナごとにデータセンタを構築する予定だ、と述べてはいますが…)

Amazonとインフォステラの両社が競合になることは間違いありませんが、どのような関係性になっていくのか、今後に注目しましょう。なお、今回のニュースは非常に重要なため、また別途詳細な記事を執筆予定です。

【今週(11/26~12/2)のピックアップ】
1.衛星の運用が変わる?Amazonによる地上局×データセンタ誕生
2.火星探査機InSightの着陸を影で支えた探査機MarCO
3.NASAが約2900億円の月探査契約を9社に絞り込む

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