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低空飛行が続いていたIntelsatがチャプター11を申請【週刊宇宙ビジネスニュース 5/12〜5/17】

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低空飛行が続いていたIntelsatがチャプター11を申請

5月13日に、衛星通信サービス会社のIntelsat(インテルサット)は、米国連邦破産法11条(チャプター11)に基づく会社更生手続きの適用を申請したことを発表しました。

Intelsatはチャプター11を申請することで、150億ドルある債務の半分を解消し、ほかの事業に資金をあてたい考えのようです。

同社は、1965年に商用通信衛星の打ち上げに世界で初めて成功した老舗企業。2019年末から株価の下落が続き、2月には破産申請を検討していることが一部のメディアで報じられていました。

Source : REUTRES

プレスリリースでは今回の申請について、米国による5Gネットワークの構築のためのCバンド帯クリアリングに参画する必要性があることと、新型コロナウイルス(COVIT-19)感染拡大により市場の景気が後退していることを要因としてあげています。

同社は業務や顧客へのサービス提供はこれまで通り継続することを強調しており、すでに10億ドルの融資を取り付けたことも明らかになっています。

経営難のVirginグループ、Virgin Galacticの株式を売却へ

新型コロナウイルスの感染拡大により経営難に直面しているヴァージングループの創業者リチャード・ブランソン氏は、宇宙旅行サービスの提供を目指すVirgin Galacticの株式4億ドル相当の売却を宣言したことが報じられました。

ヴァージングループ傘下の航空会社・Virgin Atlantic (ヴァージン・アトランティック)は、サービスの需要が激減した影響を受けて、5月5日に全従業員の3割を占める3,150人を解雇すると発表しました。

Virgin Galacticは2019年10月に宇宙旅行会社として初の上場を果たし、株価は今年2月には37ドルまで高騰しました。現在は15ドルまで下落していますが、2,500万株の売却により少なくとも4億ドルを調達できる見込みです。

モルガンスタンレーは、Virgin Galacticは宇宙旅行サービス便が年間150フライトを超えるまでは損益分益点に到達せず、フリーキャッシュフローを得ることはできないと見込んでします。サービスの提供が遅れた場合にも備えて融資を受けるべきではないかとの提案がされています。

NASAがソユーズ座席を追加購入

NASAは、2020年後半分のソユーズの座席をロスコスモスより追加購入するために9,000万ドル以上を支払うことを発表しました。

昨年10月にも、NASAがソユーズの座席購入を検討している旨を長官のブライデンスタイン氏が示唆していました。

Credit : NASA OIG

スペースシャトルが退役して以来、ソユーズは宇宙飛行士をISSへと輸送できる唯一の手段。独占状態とも言える座席の価格は高騰が続いています。

ブライデンスタイン氏は座席の購入は、NASAの宇宙飛行士が継続してISSに搭乗し続けるための保険的措置だと説明しており、5月28日に予定されている、 SpaceXのクルー・ドラゴンの有人飛行テストの成功が待たれます。

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参考

Intelsat Undertakes Financial Restructuring to Pave the Way for Future Innovation and Growth

History

Satellite operator Intelsat files for Chapter 11 bankruptcy

Intelsat aiming to cut debt in half through bankruptcy

Intelsat Weighs Chapter 11 Among Options on C-Band Plan

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