よく聞くジャイロってどういう意味? 第29回「今週のSPACE ENGLISH」
第29回「今週のSPACE ENGLISH」に登場する単語は、軍に関するものが多く見受けられました。
英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員T.N.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。
今週は10/8~10 /15の7日間で『SpaceNews』内で最も頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を10個ご紹介します。
それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!
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集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2018/10/8~2018/10/15
※()内の数字は該当期間の登場回数です。
1.army(52)
軍隊。
今週のニュースで多く取り上げられていたのが、軍事と宇宙に関する話題です。トランプ大統領が発表した宇宙軍創設に向け、話し合いが行われています。
さらに米国では、宇宙技術を利用した通信技術システムの導入を推進しています。この詳細については、8番でも説明しています。
2.spyder(28)
UP Aerospaceが提供している固形燃料型ロケットの名前です。サブオービタル用、つまり、地球に戻ってくるようのロケットです。
固形燃料型ロケットはポンプ等の機械部品で燃料を燃焼室に移送する必要がなく固体燃料へそのまま点火します。燃料を充填するための地上設備が不要で構造が簡単なので、取り扱いが容易でコストがかからないという特徴があります。
安全保障にかかわる衛星は有事のとき、直ぐに打ち上げる必要がある場合があります。短い間隔での打ち上げが必要になる政府のミッションにこの固形燃料型ロケットが利用できるのでははないかと期待されています。
政府のミッション利用に向けUP Aerospaceが固形型燃料ロケットを開発。
3.Larson(34)
Jarry Larson。UP Aerospace の社長です。
前述したように、固形燃料型ロケット”spyder”の打ち上げに注目が集まっています。これからの宇宙ニュースで目にする機会は増える事が予想されます。
4.gyro(23)
回転、輪
宇宙関連の記事でgyro(ジャイロ)と聞くとgyroscope(ジャイロスコープ)の略の場合が多いです。
このgyroscopeとは、物体の角度や角速度(ある点を回る回転運動の速度)を検出する装置のことです。自分がどちらの方向を向いているかを把握するため、衛星にはこの装置が搭載されています。
この単語がランクインしたのは、NASAが打ち上げたハッブル望遠鏡に搭載されている3つのジャイロのうち一つのジャイロで問題が起きたことが話題になったからです。
5.require(14)
~を必要とする。/人に~を要求する。
needより堅い表現として使われる単語です。
今週の英語フレーズ
Forecasts that predict the space industry to grow to a trillion dollars by the 2040s will require the development of new markets, even with the modest annual growth rates needed to achieve that goal.
宇宙産業が2024年までに何兆億に成長するという目標を実現するには、年間成長率が穏やかであったとしても新しい市場の発達が必要である。
6.hubble(14)
ハッブル宇宙望遠鏡「hubble space telescope」の最初の単語です。
この宇宙望遠鏡は、1990年、NASAがスペースシャトル「ディスカバリー」に搭載して打ち上げた高度解像度を誇る宇宙天体望遠鏡です。
しかし、今、このハッブル宇宙望遠鏡に問題が生じていることが判明しました。搭載されているジャイロが正確に作動していないことが分かったのです。ジャイロは、望遠鏡の回転を計測するものです。
この影響を受けたのが、高精度に観測を行うモードです。天体などの観測対象をずっと観測し続けようとする場合、望遠鏡のわずかなブレも検知し望遠鏡の向きを修正していく必要があります。NASAはこの問題について追求し、解決策を探っています。
ハッブル宇宙望遠鏡に問題が?
7.spaceloft(10)
UP aerospace社が開発した観測ロケットです。12回も打ち上げを行ってようやく成功しました。
最近こちらが話題になっているのは前述したspyderの打ち上げに関して、spaceloftの打ち上げ時のように何度も打ち上げを繰り返すのではないかと打ち上げの失敗を懸念する声が相次いでいるからのようです。
8.soldier(9)
兵士
1で述べたように宇宙技術を軍事的に活用するという動きがすすんでいるようです。
軍では、持ち運び可能なコミュニケーションシステムを要求しています。
今回試験しているのはT2C2というシステムです。
最大の特徴は、膨らませて使うアンテナです。小さなバッグくらいの大きさに畳んで持ち運びができるようになっていることです。
試験的に導入した結果、利用した兵隊からの評価は良く、米軍では1年後には導入したい意向を示しています。
9.accion(22)
Accion Systems Incで、電気推進システムを提供する会社です。
この会社は、衛星に搭載する電気推進システムを製造しています。電気推進は、イオンの力をエネルギーとするものです。
今まで、懸念されていた、毒性の可能性等がなくなったため、幅広い利用が期待されています。
大手企業ボーイング社が大規模な投資を発表
今週は10月10日に、衛星製造大手のボーイング社がAccion Systems Incに投資したことで話題になりました。
10.oneweb(8)
アメリカのベンチャー企業。
2000機以上の人工衛星を打ち上げ、人工衛星による通信網を構築することであらゆる地域にインターネットを届けるサービスを可能にする技術を開発しています。
OneWeb社は、2016年12月ソフトバンクが同社に10億ドルの投資を行ったことで日本でも注目されました。この投資によって、世界で初めて衛星を大量生産をするための製造工場を建設し、製造を開始しました。
1週間に15機の衛星を低コストで製造することを目指しています。
こちらの記事は、one webの役員であった、エリック・ベアガーの辞職に関するものです。本人は、理由については表明していませんが、何か新しい事を始めるのではないかと予想されており、注目が集まっています。
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以上、第29回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。
次回の「今週のSPACE ENGLISH」は10/28(日)に10/15(日)~10/22(土)に公開された「SpaceNews」記事の最頻出英単語TOP10(これまでに紹介した英単語は除外)をご紹介します。
これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!
※これまでの「今週のSPACEENGLISH」はこちら
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