宙畑 Sorabatake

衛星データ

宇宙ビジネス起業連載vol.4「宙畑編集部、投資家ピッチに挑戦」

5人それぞれで出しあったビジネスアイデアを、ベンチャーキャピタルiSGS インベストメントワークスの五嶋さんに全力プレゼン!貴重なアドバイスをたくさんいただけました!

プロローグ

各々が思う衛星データのビジネスアイデアを持ち寄った宙畑編集部。
プロトタイプとして進めるアイデアを決め、ビジネスモデルを考えていきました。

本記事は、会社設立など全く経験のない中、有志で集まった宙畑メンバーが、実際に宇宙ビジネスとして起業できるのかどうかを追った連載企画第4弾です。

背景は以下をご覧ください。

宙畑編集会議にて

nakamura_dayoよし、ビジネスアイデアが集まって、前回の記事でアイデアに対する意見も集めることができたので、どんどん検証を進めていこう!

muta_dayoそうだね。ただ、集まったはいいけれど、ビジネスアイデアとしてそもそも成立しているのかは気になるところ。

kido_dayo専門家に話を聞いてみたりできるといいよね。xData Allianceに加入してくださっている、iSGSインベストメントワークスの五嶋さんと前にお話したときに、衛星データのビジネスアイデアピッチとかやったら面白いよねって話してたし、もしかしたらご意見いただけるかな。

muta_dayoそれは良さそう!早速聞いてみよう!

こうしてお願いしてみたところ、快く引き受けてくださり、衛星データビジネスアイデアへのフィードバックをいただけることになりました。

今回ご協力いただいた投資家さん

取材にご協力いただいたiSGSインベストメントワークス代表取締役 五嶋一人さん Credit : sorabatake

五嶋 一人(ごしま・かずひと)さん
株式会社 iSGSインベストメントワークス 代表取締役 代表パートナー
銀行において主に法人融資を担当、その後ベンチャーキャピタルにおいて投資先企業の発掘・投資実行・経営支援・ファンド管理業務、及び事業子会社の立ち上げに従事。
2006年、株式会社ディー・エヌ・エー入社。同社の投資及びM&A責任者として、株式会社エアーリンク・WAPTXLTD・株式会社横浜DeNAベイスターズ等の買収、株式会社みんなのウエディングの新設分割の他、多数の投資・買収等を主導。併行して国内外企業の買収後のPMIに経営メンバーとして参画。
2014年、株式会社コロプラ入社。引き続きべンチャー投資及びM&A等に従事。同社での主な投資実績は、ランサーズ株式会社、株式会社Fablic等。
2015年10月、株式会社iSGSインベストメントワークス 代表取締役 代表パートナーに就任。

いざ、衛星データビジネスアイデアプレゼン!

kido_dayo五嶋さん、私たちの企画にご賛同いただき、お時間をありがとうございます!今日は5人が1アイデアずつ、計5つのアイデアのプレゼンをしていきたいと思います。

goshima_sanビジネスアイデアへのフィードバックですよね。よろしくお願いします。

kido_dayoでは、早速やっていきたいと思います。よろしくお願いします。

エントリーNo.1 城戸「衛星データで移住先の情報を先に知ることができる移住先検索サービス」

昨今増加しているテレワークにより、各地に移住する人が増える

kido_dayo今回、私が提案するのは「あんしん地方移住」というサービスです。

城戸の提案サービス「あんしん地方移住」をプレゼンテーション Credit : sorabatake

昨今、コロナウイルス感染症の流行がきっかけとなり、オフィスの解約とか縮小工事の依頼数が増加います。大手IT企業を中心に、オフィスへの出社を前提とせず自宅勤務やワーケーションなどが拡大しており、オフィスに縛られずに働くことができる世の中になってきています。

そんな環境の変化の中で、個人の住む場所に対しての思いの変化に着目しました。
これまで都心のオフィスに通勤しているビジネスパーソンは「交通の便が良い」「オフィスに近い」など便利さを軸に住む場所を決めている人が、特に単身者などは多くいました。出社を前提としない考え方が広がると、例えば「自然が多くゆったり過ごせるところがいい」「友達とは近いところで」「都会の雰囲気がやっぱり好き」「田舎がいい」など軸が多様化してくるはずです。東京の一極集中から地方にどんどん分散していくことになるでしょう。

住居に求める条件

goshima_sanそうですね。最近は本当に増えてきましたよね。

kido_dayo私自身も、勤めているさくらインターネットが原則リモートワークという方針を打ち立てていて、現在は香川県に住みながら自宅(@香川)働いています。先月までは北海道にいまして、来月には大分に移動する予定です。自分の行きたいところに行きながら仕事をするというライフスタイルを実現しています。

自身の移住経験から「そんなつもりじゃなかった!」をなくすサービスを
kido_dayo自分自身が移住を繰り返している中で、困ったことがありました。
自然が多い場所が良いと思って移住したけれど、思ったよりも車が多くて、アスファルトが多くて、自然はどこ?となるとか、黄砂の影響か、ベランダに洗濯物を干すと埃っぽくなるとか、思ったより都会だったとか。良かったこともたくさんありますが、「あれ、こんなはずじゃなかったな」という点も多々感じています。

さらに、首都圏で育った私がいきなり自然豊かな場所に引っ越したりするので、災害へ耐性がなかったということもありました。今年の夏の大雨で、長野の自宅近くで警報が鳴り止まなくて。土砂崩れと河川氾濫の警報でした。このへんの情報をちゃんと知っておかないと、非常時の備えが足りず危険なことになりかねません。

そこで、私の「あんしん地方移住」というサービスでは、衛星のデータから植生・降雨量・気温などのデータを分析し事前に周辺の環境を確認できるようにしていきます。これで「あれ、こんなはずじゃなかったな」を減らします。ハザードマップも連携することで、安心・安全に家を探すことができます。

「あんしん地方移住」画面イメージ Credit : sorabatake

民泊やシェアハウスなどのサービスも増えてきていますので、そのあたりと連携して集客していきます。事前にもっと住む際に必要な環境情報を手に入れて「そんなつもりじゃなかった!」をなくし、安心して安全な地方移住を実現していこう!というサービスを提案します。

ターゲットの顔が見えない。ターゲットの行動を深ぼろう。

goshima_sanありがとうございます。城戸さんって、実家があるとかそんな話ではなくて移り住んでいるんですか?

kido_dayoそうなんです。勤めているさくらインターネットが原則リモートワーク勤務を打ち出しており、オフィスに出社するには申請が必要という状況です。一応、出社が必要なときには神奈川の実家から出社できるような体制を作ってはいますが、この半年で1回しか出社していないですね。

goshima_sanなるほど。それはおもしろい笑
さてフィードバックしていきましょう。一言でいうとこのアイデア、お客さんの顔が見えないですね。

kido_kuyashiおお…!(静かにショックを受ける)

goshima_san移住を検討している人々が通る「動線」をもっと考えた方がいいと思います。

・ どこに相談するか
・ どんなことを相談するか
・ 決める際どんなことを重視するか

せっかく自ら移住して生活しているならなおさら、実際に決めるときどんな風に決めるかもっと深ぼってほしいです。

kido_kuyashiなるほど…自分が移住しているのに…

goshima_san移住って、結構いろいろなパターンがあるんですよね。城戸さんのようにいろいろなところを移り住むようなパターンも最近は出てきていますが、多いのは例えば「脱サラして農業やりたい」とか。この2つは似て非なるものです。

kido_kuyashiなるほど。確かに一般的な移住と、私の移住は前提なども少し違うような気がしますね。仕事を現地でするとか、夫婦・家族で移住するとかが多いのかな。

goshima_sanそうそう。よく、「もう脱サラして田舎で農業でもやろうかな」て言ってやってみたんだけど、これが相当大変で、後から「農業ナメんな」みたいに言われてしまう事例とか、ありますよね。これってどうしてなんでしょう?覚悟が足りないとか言われることもありますけど、覚悟するためには事前に覚悟するための情報が必要ですよね。その人たちは情報を収集できていなかったんでしょうか。

kido_kuyashi「そんなはずじゃなかった!」というパターンですね。何の情報が不足していたんんだろうか…。

goshima_san僕は『ドキュメント72時間』っていうドキュメンタリー番組がすごい好きで全部観ているんですけど、地方移住に注目した回があったんです。有楽町にある全国の移住の相談窓口が一カ所に集まっているようなところがあって、地方移住したいと思った人たちがそこに相談に行っているんです。

kido_kuyashiえ、窓口に行くんですね。

goshima_sanそうそう、「じゃあ現地いくつか回ってみよう」というふうな行動ではなく、まず対面の窓口に行って相談するみたいなんですよね。つまりその窓口はすごく強力な集客ツールであることがわかります。それだったら、独自サービス作るより窓口と連携した方が集客率上がりますよね。ターゲットがどんな行動を取るのか、あるいはターゲットにどんな行動を取って欲しいのかというところの切り口があると、事業としての解像度がだいぶ上がってくると思います。

kido_kuyashiなるほど…!(悔しい)

フィードバックの様子 Credit : sorabatake

ユーザ候補は本当に移住者なのか?ほかに本当にそのデータをほしいと思っている人はいないか?

goshima_sanあと、まだ提供されていない情報を衛星データで提供する、窓口は現時点で持っていない、というのであれば、自分たちで窓口を作る必要がなくて、日本中の移住を推進している自治体にこれをSaaS(Software as a Service)かなんかで売る、とかってどうでしょう?

kido_kuyashiなるほど、自治体に向けて販売するんですね。

goshima_san自治体の人たちもいろいろ施策やろうとしているけど、結局紙のパンフレットを作って窓口に積んで渡すか、体験施設を作るかという程度しかソリューションがない。体験施設作っても、2日ぐらい来てもらって、そのとき盛り上げて、いいところは伝わるけどそれを信じて移住したら「そんなはずじゃなかった!」で、移住した本人たちは困った、みたいなのよくあるじゃないですか。

kido_kuyashiたしかに、数日滞在しただけでわかることは少ないです。私も1ヶ月以上滞在してやっとその町を地図なしで動けるようになってきて…という感じです。

goshima_san今は提供されていない情報の中に、実はすごいクリティカルな情報が存在していて、それを衛星データを使うことで、安く、できるだけフレッシュな情報を提供していくというところはすごくいいと思います。

だから切り口はそのままにして、ターゲットとなる移住者の行動をもっと深掘る必要があると思います。そして、このソリューションを欲しがってる人は移住者以外にもいるかもしれないので、もう少し視野を広げて考えてみると良いと思います。

kido_dayo実際この移住生活を通して移住誘致をしたい自治体さんとかともお話する機会が増えたので、チャンスですね。

goshima_sanユーザーインタビューとか、アンケート取ってみるとか。自治体に窓口の受け付けている人たちにインタビューをして、「どんな人たちが来ます?」とか「何をポイントに決める人が多いですか?」とか聞いてみると良いと思います。

kido_dayoありがとうございます!ヒアリングして、もっとブラッシュアップしたいと思います。

goshima_san面白いと思います。ありがとうございます。

エントリーNo.2 田中「河川の清浄度を可視化して汚染問題を解決する地球に優しい釣りアプリ」

海洋プラスチックゴミが海に出る前に、食い止める

tanaka_dayo私は衛星データから河川の清浄度を可視化することで、河川を綺麗にしていく仕組みを考えました。

現在、年間800万トンほどのプラスチックゴミが世界各国から海に流出しています。その8割は河川由来のものです。さらにそのうち6~7割はアジア圏由来であると言われています。

海洋に流出したゴミは、排出した国を直接的に示すことが難しい上、A国から流れてきたものであることが推察できても「A国さんのでしょ?」と言いにくい。そこで、海洋に流出する手前、河川にあるゴミを特定し、回収を促すことができれば、海洋プラスチックゴミの低減になるはずです。

河川にゴミがあるか確認するのは、なんだかんだで人が見つけるのが早いです。そこで、よく河川にいる人(釣り人やランナー)にゴミをモニタリングしてもらいます。今回は釣り人にターゲットを絞り、インセンティブとして「よく魚が釣れる場所」を衛星データで可視化し提供することにしました。

田中「河川の清浄度を可視化して汚染問題を解決する地球に優しい釣りアプリ」のプレゼンテーションの様子 Credit : sorabatake

釣り人が河川のリアルを投稿することで、河川周辺企業や自治体が半強制的に動くことをねらう

tanaka_dayo釣りはポイントを決めたら魚がかかるまで待つため、待ち時間が長いです。そこで、待っている間にゴミを見つけたら写真を撮ってもらい、アップしていきます。

表側としては釣り場を探すためのサービス、裏側としては「ここらへんのポイントでゴミが見つかったよ」と地図上に可視化するサービスになります。そうすることで「この企業周辺にゴミがたくさん出ているね」ということが暗にわかってしまうプラットフォームとなります。

周辺の企業や自治体としては、ブランドイメージが下がってはたまらないので、地域を綺麗にするための対策を講じるはずで、静かな圧力をかけることができるのではないかなと思っています。

汚染対策に必要な、装置や回収ネットなどを販売している企業とパートナーを組むことも念頭に入れています。その場合、このデータを使って生まれた売上の一部を還元してもらいながら運営したいと思っています。

現在、水環境分野の市場規模は2,100億円程度です。年間だいたい5%ほどで推移している中で、全ての企業が必ずしも汚染対策を十分にしていないと考えると、このアプリケーションによってさらに水環境分野の市場規模を押し上げることができます。例えば10%ぐらい押し上げることができるとして、サービス成熟まで5年ぐらい掛かると考えると、5年後にだいたい年間280億円ぐらいの売上が生まれてきます。成功報酬として10%還元されるとすると、年間28億円程度の売上を見込むことができます。この売上から、魚が住む藻場を作るなど、川に魚が戻ってくるための施策もしていきたいです。

各企業に対しての一般人のブランドイメージを基に、イメージがよくない河川沿岸の企業や自治体に対して、パートナー企業が営業をかけるか、河川沿岸企業や自治体側から相談をもらい、コンサルティングするなどの販売方法を考えています。

本サービスを通じて河川に流出するプラスチックゴミや水質の課題を解決し、さらに沿岸での赤潮被害の発生頻度を減らすことなどにも寄与していきたいです。大気汚染や緑化努力に対しても、同じパッケージで対応できると思うので、持続可能な社会を作っていくことにも貢献できると思っています。

ソリューションのイメージ Credit : sorabatake

そもそも、日本の河川は綺麗では?

goshima_sanありがとうございます。
そもそもの話ですいません(笑)、企業活動が原因で汚れている河川って、今日本にあるんですか?

tanaka_dayoそうですね…日本に関していくと、実際のところあまりないような気はしています。中国や東南アジア地域の方が印象としては近いです。ただ、日本の河川でも雨の後、下水道から家庭ゴミが流出する、ということはあると思います。

goshima_sanこの事業アイデア、前提条件のところがちょっとハテナ?だなと思っています。日本の河川の95%は現在普通に魚が棲んでいて、なんなら海から帰ってくるくらいの水質になっているらしいんですよね、そもそも。

日本は1960年代、70年代に公害が大きな問題になったので、そこから相当改善されている。現在の日本においては「あの会社のせいでこの川が汚い」みたいな状況ってもう起きていないんじゃないかなと思うんですよね。

「あんたの会社の近くの川はゴミだらけだから、おまえのところのイメージアップのために金払え」って言うけど、企業からすると「いや、だってうちの排出水はこれだけの基準を満たしていて、国の要件も全部クリアしているから、うちは綺麗で、何も出していない」って思いますよね。これに対して「でも散らかっているだろ!衛星写真に写っているんだから!」みたいな話をしても、両者が不幸というか、着地点が見えないですよね。

今のビジネスモデルでは、会社のイメージアップ・CSR活動がお金の流れの源泉となっていますが、この前提条件が崩れちゃうとお金が回らなくなってしまうでしょう。

優しくフィードバックしてくれる五嶋さん Credit : sorabatake

tanaka_ohnoたしかにそうですね…。

goshima_sanただじゃあ、河川にゴミないのかというとたぶんある。でもそれは特定の企業のせいという話ではなくて、生活ゴミや一般の方々の不法投棄とかになると思うんです。

tanaka_ohno実際に河川のゴミを見てみると、たしかに家庭ゴミのようなものが多いかもしれません…。

ネガティブな理由より、ポジティブなモチベーションで人を動かそう

goshima_san例えば衛星データで「2020年12月、ゴミが多い川、全国トップ50」とか出せたら、その川を綺麗にする活動に対してSDGsの文脈で全国の企業から出資を集めていくというのはどうでしょう。その方が企業としてはお金を出しやすいんじゃないかな。

nakamura_kuyashiなるほど。確かに。

goshima_sanそれと、釣り人側のインセンティブ設計も弱いように感じます。待っている間の暇つぶしとはいっても、何かないと投稿しませんよね。例えば毎月、環境改善に1番協力してくれた人を表彰するとかかなぁ。ゴミの減少に貢献した釣り人に、Amazonギフト券2千円贈呈とか。で、SNSっぽいところに星印がついていくみたいな。

kido_dayo釣りエサを贈呈してくれるだけでも、釣り人にとってはいいかもしれないですね。

goshima_san環境問題に熱心な企業から資金を出してもらって、一般の釣り人の方々を巻き込んで、河川の環境を少しずつ良くしていこうというなら、このやり方のほうが平和じゃないかなという気はしました。

nakamura_kuyashi感情的にもすごくいいですね、確かに。ポジティブにやりたいと思ってもらえそう。

人を動かせるとビジネスになる

goshima_san河川の上流の方で企業のスポンサーシップをもらって、何かキャンプ的なもののイメージとこの活動をくっつけてみるのも面白いかもしれません。

とにかく人がA地点からB地点に動けば、そこには基本的にビジネスは発生するので。
逆にインターネットビジネスの1番苦手なところって人をA地点からB地点に動かすことなんですよね。このアプリケーションは、ゴミをみんなで協力してなくそうという運動につながるので、人を動かすポテンシャルはめちゃくちゃあると思うんですよね。

味付けかもしれないですけど、それぐらいガツンと変えてもらうと、だいぶ見え方も違って、ポジティブな運動に発展して面白くなるんじゃなかなと思います。

nakamura_kuyashiポジティブさ、すごい大事だなと感じました。どうしても負の側面で考えがちなので、反省しました。

goshima_sanこの仕組みを東南アジアとか中国に輸出するっていうのは可能だと思うんですよね。

nakamura_kuyashiそうですね。ポジティブ側でそうやって輸出できたほうがいいですね。

goshima_sanあとは今の話は結局ソフト面の話なので、衛星も含めてね。考えてみてください。

tanaka_dayoありがとうございます。

密を避けるため、オンラインも活用してプレゼンを行いました Credit : sorabatake

エントリーNo.3 中村「正解データを投稿してお小遣い稼ぎできるサービス」

レシートを送ったら10円もらえる「ONE」の位置情報版「コレドコ」

nakamura_dayo僕が考えた「コレドコ」はレシートを送ったら10円もらえる「ONE」というアプリの地理空間・位置情報収集版です。

最近、衛星データ解析の事例として、機械学習を使って対象物を検出するようなものが増えてきています。しかし検出してみても、それが本当にビニールハウスなのか、本当に田んぼなのか、正解は現場に行ってみないと分からないことが多くあります。

そこで、解析する地域に住む人に正解を投稿してもらってデータを集めるサービスを考えました。

集めたデータは衛星データ解析のために用いるだけでなく、ユーザの住まい・よく撮影している対象物などのデータを元にアプリ上で企業広告を表示するといったビジネスもできると考えています。

投稿し得る情報としては、こんなものが考えられます。

・ ビニールハウス
・ 桜の開花状況
・ ソーラーパネル
・ 田畑の状態
・ 魚が釣れるポイント
・ 積雪状況
・ 住居、建物
・ インフラの築年数

画面に「これどこ?」として撮ってきてほしい対象物が掲載されていて、ユーザがアプリを見て、撮影できそうなものを選んで投稿します。

他の方の投稿も地図上で確認ができ、同じ場所は10枚までといった制限を設けながらデータを収集し、衛星データ解析企業や研究者が使用します。

中村企画「コレドコ」画面イメージ Credit : sorabatake

衛星データ解析者が現地に行かずとも、低コストで正解データを得られる

nakamura_dayo衛星データの解析者の方にとっては、現地に行くよりも時間工数、金銭工数ともに抑えてデータを得ることができます。toCビジネスにおいても、地理空間情報や正確なユーザ情報を基にした広告の訴求ができるという点がメリットになります。

GoogleやAmazonの画像アノテーションサービスで衛星データ1枚に対して任意の対象物に「丸つけてください」というもので対象物ひとつにつき5~10円が必要になりますが、今回は実際に現場に行かなければならないコストの代替となるため、もう少し高値で販売できるんじゃなかろうかと思っています。

1対象物あたり30円とした場合、5万対象物で約150万円ほど。広告を出したい企業には広告訴求1ユーザーあたり100円で配信ができますといったビジネスができると考えています。

さらに、使い終わったデータをTellusのようなプラットフォームで販売すれば、他の人もデータを利用できるので、そこで費用回収するような座組みも用意できると考えています。

まずは地方自治体と衛星データ解析企業との提携を行って実証実験を、特定の場所で実施したいと思っています。「この道路、ここがちょっとひび割れているよ」とか「ここちょっと危ないかも」といった市民の困ったを写真に撮って行政に送る「My City report」というサービスがあります。位置情報と画像の紐づけがあるこのような既存のアプリと連携ができれば、実証実験もスムーズにできるのではないかと思っています。

温めていた企画のプレゼンで熱がこもる中村 Credit : sorabatake

今まで道路や施設はその土地に住む人が管理していたように、行政だけに任せず、市民でできることは市民がやってみるという意識が根付くサービスになると良いなと思っています。よろしくお願いします!

まずは勝負する領域を絞ろう。クライアント・ユーザの顔が見えない。

goshima_sanありがとうございます。
この事業の検討は、段階としては、今までの2つより初期段階ですね。まず取得するデータの幅が広すぎるので、もっと領域を絞らないと、投稿するお客さんの顔が見えないと思います。

需要が多い対象物、少ない対象物ってありますよね。事業として立ち上げていく際には、優先順位も必要です。最初はここという領域、それに見合う料金体系、その写真を撮ってくれそうなターゲットユーザの集客、と考えていったほうがよいと思います。

絞り込みをしてもらえれば、買ってくれる人はどんな企業か、いくらくらい出してくれそうか、そこによく行きそうで投稿してくれそうな人はどんな人か、とかもアドバイスできると思うんですけど、河川だったり何だったりこうだったり、と言われちゃうとどこから手をつけようか、となってしまいますね。

nakamura_ohnoなるほど…(めちゃ悔しい)

毎日出るレシートと、行かないと撮れない現地のデータを同じ土俵で考えてはならない

goshima_sanそれと、レシートの例が出てきていました。レシートって日常的に、自分が特別なアクションを起こさずとも発生するものですよね。それを10円で買い取るって言ったら大いに賛成なんです。

でも、今回の場合、人が動かないといけないんですよね。さっき、インターネットのビジネスで1番難しいのは人をA地点からB地点に動かすこと、と言いましたが、それをまさにやろうとしていて。日常生活で行かないようなところにわざわざ行って、写真を撮って10円なり20円なり30円もらう、というモチベーションはなかなか働かないのではないかと思います。100スポット撮ったところで1000円じゃないですか。30円でも3000円じゃないですか。それわざわざ行く?っていう話なんですよね。ちなみに僕は行かないです(笑)。

そういったところ話も併せて、どのデータなら、撮りに行くモチベーションが働いて、マネタイズできる可能性があるのか?考えてみると良いと思います。

muta_dayoお金じゃないインセンティブが必要なのかもしれないですね。

すでにある巨大サービスに対してどう優位性を出す?

五嶋さん「クラウドソーシングにどう勝つ?」 Credit : sorabatake

goshima_san僕、コロプラというゲーム会社にいたんです。そこで、リアルな地域の風景の情報を使ったゲームをやりたいっていうアイデアがあったんですよね。で、リアルなデータをどうやって集めるのか。その時はクラウドソーシングの大手企業にお願いしようという話が挙がっていました。自分たちで行くより全国のクラウドワーカーさんに写真集めてもらえばいいって。この事業は、その「それならクラウドソーシングがいいんじゃない?」って言われるのに、どう勝ちますか?

お客様はサービスを選べる立場なので、既存のいろいろなサービスに対して、どう優位なのか?写真を集めるのが速いのか、リアルタイム性なのか、安いなのか、質が高いのか、いろいろな切り口があると思うんです。その切り口が1つ決まれば、それを求めるお客さんも見えてくるし。それが見えてくれば領域も決まるし、値段も決まるっていう話だと思うんですよね。

この事業はクラウドワークスとランサーズ、めっちゃ強敵だと思いますよ。衛星データは絡まないけれども、企業が求めるものはこの2サービスで集まっちゃう可能性が高い。

Googleマップで見たらここにビニールハウスあるっぽいんだけど、これ実際にどれぐらいのものなのか、ちょっと行って写真撮ってきてくださいって、アングル指定して、この写真を50枚送ってくれたら5000円払いますってクラウドソーシングサービスに投げたら、たぶんパッと誰かがいきますよ。

こういうサービスと比べて、明らかな優位性があって、ユーザーさんに選ばれるものなのか、高くても使ってくれるものなのか、面倒くさくても使ってくれるものなのか、そこを考えることが次の段階かな、と思います。

nakamura_kuyashiありがとうございます。考えてみます。

なるほど…ちょっと悔しい中村 Credit : sorabatake

muta_dayo(あ〜、めっちゃ悔しそうやな…これは…。)

エントリーNo.4 牟田「本人確認のための実在住所確認サービス」

muta_dayoやればやるだけハードルが上がってくる。これは絶対、1番でやった方が良かったじゃんって言いたくなる〜。

kido_dayoと思って先にやった(笑)

tanaka_dayo僕も(笑)

sugaya_dayo…ずるい(笑)

家の周りの写真を撮影してアップすることで本人確認する

muta_dayo私は、実在住所確認サービスというものを提案します。最近、金融サービスの不正利用ニュースが後を絶ちません。7pay(セブンペイ)だったり、ドコモ口座だったり、SBIだったりと立て続けにあって、これに伴い金融系のサービスのセキュリティがすごく厳しくなっているという風に感じています。

一方でユーザからすると、本人確認でマイナンバーカードを登録しなきゃいけなかったり、免許を登録しなきゃいけなかったり、面倒な作業がどんどん増えてきています。事業者側も、なかなか不正利用に対応しきれなくて、どんどん厳しくしなくてはいけなくなってきて…でも、厳しくしなくてはいけないとなればなるほど持ちたくないのに余計な個人情報を持たないといけなくなるという課題があります。

牟田「衛星データで本人確認サービス」のプレゼンの様子 Credit : sorabatake

さらに今後サービスがグローバル化していく中で、海外のユーザの本人確認ってどこまでどうやってやるの?みたいなところが課題になってきます。入力された住所って本当に実在するの?とか確認するのも、海外ユーザだとさらに難しくなると考えています。

そんな課題に対し、衛星データを使って、実在の住所を確認していくというのが、私の提案するサービスの概要です。金融サービスの利用者としては、自分の住所にプラスして家から撮った写真をアップロードしてもらいます。それに対して、入力された住所から衛星データの最新のものを見に行き、実在する住居なのか、撮った写真が周辺環境と合致しているか確認し、本当にその人がそこに住んでいるか確認します。

使用する技術としては、2つあります。

一つは、衛星画像から建物を検出する技術。すでに多く実証されています。これを時系列で見ていき、住居があることを確認します。

もう一つは、衛星画像から地上の景色を生成するというものです。こちらの技術はまだ研究段階で、精度に課題は残りますが、衛星画像でこうなら地上から撮影するとこうなるだろうという予測を行う研究もあって…

goshima_sanそれってGoogle Earthと違うんですか?

muta_dayoGoogle Earthは上から、Googleストリートビューは地上で車が走って、リアルな様子を撮っているんですよね。日本はほとんどの領域を車が走ってカバーできているんですが、アジアまで地域を広げたりすると、データがなかったりもします。そういう地域の様子も、この技術を使うと予測として見れるようになります。

ソリューションの提供価値・独自性としては、2つあります。
一つは簡単・スピーディー。利用者が写真を撮ってアップするだけで、事業者は不要な個人情報を保有しなくてよいという点です。郵送で住所確認とかしているようなサービスもあると思うんですけど、そういうものも不要になると思います。

もう1つが安全性が高く、写真の改ざんが難しいという点です。例えば、悪いことをするために山中の住所を使おうと思ったら山中の写真をアップする必要があるので、山へ行かないと行けないですよね…。そういうところで不正が働きづらいという利点があります。

ソリューションの提供価値 Credit : sorabatake

課題感の大きい金融系のサービスを最初にねらっていく

金融系のサービスがアーリーアダプターになるのではないかと考えています。冒頭で説明した通りトラブルが頻発しているために、金融系の企業は危機感が強いだろうと考えています。住所と写真を事業者のアプリの中でアップしてもらい、こちらでは審査結果を回答します。住所に対する写真の信頼度みたいなものを返答するようなイメージで考えていて、何件照合したらいくら、みたいなビジネスモデルを考えています。

1件100円で照会できるサービスとすると、すでにあるリスクデータベースの提供サービスの価格感とかを参考にして、提供数として6,000社とかの方々が利用しているとに考えると、例えば国内で1,000社使っていただけたら1年で1,200万円。最終的には海外を含めて対応すると、例えばStripeを契約しているのが数万社とか世の中にあるので、5年後には10億円規模です。

最近DXとかで、金融サービスの動きが加速していると思うんですけど、セキュリティの問題でブレーキがかかることも日本では多いなと。その部分を衛星データでうまくアシストできるといいなと考えています。

セキュリティが厳しい金融系は、風穴を開けづらい。ターゲットを再考してみよう。

goshima_sanありがとうございます。
これ金融にしたのって、なんでですか?金融がやりたいんですかね?

muta_dayoセキュリティが厳しいところがマッチするかなと思ったというところです。

goshima_sanなるほど。一応、こう見えて僕、元銀行員なんですよ(笑)。見ての通り、全く務まらなくて、さっさと辞めてしまったんですけど(笑)

銀行の本人確認って、厳格なルールがあるんですよね。この衛星データ本人確認サービスがあったら、いまのルールで必要な、例えば運転免許証がいらなくなるか?というと、そうはならないと思う。いまの本人確認って、まず運転免許証やパスポートといった写真付きの公的身分証明書、それをを持っていない人は保険証と公共料金の支払い証明2つを合わせるとか、ということで世の中が回っていて、そこにこのサービス入れてくれって、間違いなく入れてくれないと思うんですよね。

ただ「個人情報を持ちたくないけれども、そこそこの本人確認したい」っていうニーズはすごくあると思うんです。周りの景色と位置情報のセットで、本人で間違いないということを速く安く確認できて、しかも余計な個人情報を持たなくていいという切り口は、すごくいい。ただ、たぶん金融じゃない方がいい。笑

例えば、メル◯リで出品する人の本人確認とかはこっちでいいんじゃないかとか。マッチングサービスの本人確認とか。

muta_kuyashi確かに。そこまでセキュリティに振り切らなくてもよかったんですね。

goshima_sanやっぱり銀行って日本のサービス業の中ではトップレベルのセキュリティが必要で、もうルールも仕組みも確立しているので、それを崩しにかかるのは難しい。それよりは、「いま他に方法がないからしゃあないけど、本当はもうちょっと楽なのがいいんだよね」とか、逆に「本当はもうちょっと厳しくしたいんだよね」というふうな絶妙なレンジってたぶん今、これだけSNSが発展している中でけっこうあるはずなんです。

muta_kuyashiECサイトとかですね。

昨今増加している電話番号認証の代替にできるのではないか?

goshima_san例えば食べログって、今は電話番号認証で本人確認を取っているじゃないですか。あれ電話番号である必要ある?って思いませんか?。別に食べログから電話が掛かってくるわけでもないし。正直、電話番号入れたくない人は多いと思うんですよね。

muta_kuyashi入れたくないですね。

goshima_sanソリューションは面白いと思うので、ハマりそうなスイートスポットをもう少し考えることができると良いと思います。例えば電話番号で本人認証取っているところはわりとチャンスある気がしますね。

muta_kuyashiちょっとどれぐらい件数があるのかとかそのあたりを洗ってみたいと思います。

goshima_sanフードデリバリーとかも、いたずら注文を防げるわけだから、写真をセットにしたほうが早く着く、っていうインセンティブをつける、とか、あるかもしれないですよね。

muta_kuyashi確かに。自分のいるところにしか注文できなくなりますね。

goshima_san僕が城戸さんのところにピザ100人前とかってできないですね。

kido_dayo五嶋さん香川にいないですもんね(笑)。

goshima_san例えばそれこそamazonで高額な50万円以上の商品のときは届け先って大丈夫なのか確認とるとかね。

muta_dayoEC面白いですね、確かに。

goshima_sanEC領域とかで、電話番号とかメールアドレスとかよりも、今そこにいるってことが欲しい、高額取引なのでもうちょっと本人確認を厚くしたい、もしくは今免許証とかもらっているけど薄くしたいみたいなところって、たぶんあると思うので、そこですぽっとハマるんじゃないかなと。

ソリューションはめちゃくちゃポテンシャルあると思うので。考えてみてください。

muta_dayoありがとうございます。

五嶋さん「ソリューションはめちゃくちゃポテンシャルあると思うので。考えてみてください」 Credit : sorabatake

エントリーNo.5 菅谷「気の合う友達を見つける衛星メモリートーク」

sugaya_dayo最後の発表となりますが、よろしくお願いします。
最近、コロナウイルス感染症の影響でどこかに出かけて気晴らしする機会がかなり限定されてきてしまって、話す人も限定されてしまっているなと思っています。

育ってきた環境条件を衛星データで見てマッチングするマッチングサイト

sugaya_dayoオンラインでの会話って1対1とか、複数だとしても、オフラインでの飲み会のように席が近い人同士で話すとかしづらくなっていますよね。ただ、できないことも増えてしまったけど、逆にオンラインだからこそ作れる新しい関係作りをポジティブに思考していきたいと思って考えてみました。

誰かと話すときに盛り上がる話題、いろいろありますけど、例えばこんなものがあります。

・ 出身地が一緒だった
・ 家族構成が近い「末っ子なの。長男なの」
・ 小さい頃やった遊び
・ 部活
・ 趣味

いろいろありますが、その人がやってきたことって、環境によるものと、その人の単純な興味によるものとあると思います。その環境による部分や興味を持っている部分といったものをちゃんと共有できるようにすると、新たな関係とかも生みやすいじゃないかなと思いました。

そこで、衛星データで見ることができる土地の被覆分類や、人流データ、標高データといった客観的にわかるものを並べつつ、利用する人の趣味とか趣向を解析して、組み合わせて、共通点が多そうな人、もしくは補完し合える関係の人をマッチさせるというマッチングアプリを考えてみました。

ソリューションの提供価値・独自性 Credit : sorabatake

売上イメージ月額利用料と、ユーザの育ってきた環境からターゲティング広告として、旅行・観光業の広告費をいただくのをマネタイズとして考えています。

姉妹都市候補の選定など他にも転用できる!

さらに姉妹都市候補の選定など、国境を超えた共通点や補完し合える相違点を見つける価値の創出にも利用していきます。遠方の人との交流というはオンラインだからこそできるものだと思うので、今まで出会うことができなかった新たな関係性というのを提供していきたいと思います。

人間の性格を周辺環境で決めちゃう「人類支配プロジェクト」!?

goshima_sanありがとうございます。これ、今日いただいた5つの中で1番とんがってますよね。

sugaya_dayoそうですか!?。最後嫌だったけど最後でよかった(笑)。

goshima_sanこれ例えば衛星データで見える周辺環境「ここに海がある」とか「山がある」とか「気温の変化こうだよ」とかを総合して、「こいつはこんなやつだ」って決めちゃうって話だよね?ヤバいけど、めちゃめちゃ面白いと思う。
「夏の気温が過去30年間何度から何度のところ、冬の気温が過去30年間何度から何度のところ、この2つの条件を加味するところで育ったやつはこんなやつだ」っていう話でしすよね?

sugaya_dayoそうです。文化だったり、その人の性格・思考というのは国によってもけっこう傾向があったりすると思うんです。血液型で性格の違いがあるかもしれないっていうのと似た話で、実は過ごしてきた環境なんじゃないかって仮説です。

muta_dayo分断を生むのか、融和を生むのか、すれすれのラインですね。

goshima_sanこれは本当にTellus人類支配プロジェクトだなと思う。裏側は。
根拠はまったく違いますが、子供の手の甲のレントゲン写真で将来の身長が予測できる、というのは既にありますが、これは「こういう環境で暮らしてきた人は、冷蔵庫を将来何台買う」とか、「こういう切り口でやってきた人は、実はMacしか買わない」とか、いろいろなことが見えてくる可能性があるわけですよね。

それこそ「人間のいろいろな趣味趣向は環境が全てだ」って言うんだったら、ひょっとしたら、この分析は将来の購買志向予測とか、そこまで細分化できる可能性がある。例えば、「スギ花粉が多いところで育った人は、スギ花粉が少ないところで育った人よりもWindows利用比率が6倍だ」とか(笑)、そんなことがわかったらその人たちにWindowsのPC売れるわけじゃないですか。

五嶋さん「これは本当にTellus人類支配プロジェクトだなと思う」 Credit : sorabatake

そういう可能性がある話なんですよね。これはもう、誰も知りえなかった異次元のマーケティングデータですよね。それは気温かもしれないし、ひょっとしたら風速かもしれないし、緑の量かもしれないし、特定の植物の生息かもしれないし、湿度かもしれないし、いろいろな切り口あるじゃないですか。

しかもずっと蓄積していくっていう。それこそ人が多いところがいいのか、少ないところがいいのか、そこに3年住んでいるのか5年住んでいるかで変わってくるかもしれないという、やろうとしていることが本当に悪魔的ですごいなと思いますね。

だから結局、このやろうとしていることの見せ方が小さくなっちゃっているなと思って。もういっそビジネスじゃなくてもいいんじゃないですか。
本当に人類支配計画とかにしてもいいのかなという。だからとにかくデータたくさん欲しいですよね。

本当に相関があるのか?ビジネスの前に技術検証が必要

kido_dayoまあまず本当に相関があるのかをまず見てみないといけないみたいなところが1個課題としてはありますね。どこまでやるかというところですけど。

goshima_san逆に例えば特定層で、例えば東京大学の人100人のデータを取って、居住地データを取ってみたら、何か特別な共通項が1個だけあると。それは「川から半径500メートル以内に住んだことがある人が8割」とか、ひょっとしたらあるかもしれない。そんなパラメーターは誰も取ろうともしていない、取れるわけがないと思っている、っていう。

それこそ例えば「オリンピック選手全員に聞いてみて取ってみたら、なんとみんな煙突の近くに3年以上住んでいたことがある!」とか、あるかもしれないじゃないですか(笑)。

tanaka_dayoあと宇宙飛行士のデータとかもおもしろいですよね。

goshima_sanそうですよね。だから無作為に取るのもあるし、こういう特定の属性の人たちの共通項って何なんだっていうのを、衛星データという、誰も気が付かないし、誰も持っていなかった切り口からやっていくと、「環境が人を決める」という仮説とは、まさにドンピシャじゃないんですかね。

これ、やったら人類史に名前残りますよ。世界史の教科書に名前が残りますよね。

sugaya_kuyashiマッチングって小さすぎな考えでしたね。衛星データの底知れない可能性に気づけました。(笑)
ありがとうございました。

菅谷プレゼンの様子 Credit : sorabatake

goshima_sanそんな感じですかね。
本当に長い時間ありがとうございます。こんなので大丈夫だったでしょうか(笑)。

muta_dayoとても勉強になりました。

kido_dayoブラッシュアップして、いくつかはちゃんと実現していきたいと思います。私のアイデアは少なくとも絶対実現させるぞ…!

muta_dayoやってみたいですね。

goshima_sanどの案も、やれる可能性、全然あると思いますよ。

kido_dayomuta_dayonakamura_dayosugaya_dayotanaka_dayo
ありがとうございました!!

プレゼンを終えて

muta_dayo終わった〜〜!こんなにたくさんフィードバックいただけるとは、五嶋さんに感謝だね〜!菅谷さんのアイデアで危うく人類の前提を覆すかもしれなかった…笑

nakamura_ohno結構自信あったんだけど、悔しいな。

muta_dayo中村さんだってもう、五嶋さん喋ってるときから顔に出てたもん。「悔しいぞ」って。

nakamura_kuyashiしかしほとんどみんな「ユーザの顔が見えない」って言われたね。

kido_kuyashiつまり、「お金払ってもいいと思ってくれるユーザ」「動いてもいいと思ってくれるユーザ」の設定をうまくできていないということだよね。

sugaya_kuyashi衛星データでできることを考えすぎて、本当にユーザの持つ課題に合っているのかという検討が不足していたね。

kido_kuyashiユーザの課題を深ぼるなんて、基本の基本だと思っていたのに、結局うまくできていなかったなあ…。悔しい!!絶対にヒアリングして実現させたい!

muta_dayo私もこれはいける気がしてきた!やっていくぞ!

それぞれ、プロトタイプとして進めるアイデアを決め、投資家から的確なフィードバックをいただいた5人。衛星データを使うというところに囚われて、ユーザやクライアントとなる人の思考の明確化がうまくできていませんでした。

次回は各々のサービスのユーザ、クライアントの深堀りのため、ヒアリングや調査を進めていきたいと思います。いったいどのアイデアが、サービスインまで到達できるのか?!

宙畑編集部の挑戦はまだまだ続きます。
次回もお楽しみに!

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