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BlackSkyがRocket Labと9機の衛星の打上げ契約を締結【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/03/22〜03/28】

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BlackSkyがRocket Labと9機の衛星の打上げ契約を締結

地球観測衛星コンステレーションに取り組んでいるBlackSky Holdings, Inc.が、同社の9つの地球観測衛星を、2021年3月から年末にかけてRocket Lab USA, Inc. の液体燃料ロケットElectronで5回にわたり打ち上げる契約を締結しました。 

今回の契約には、3月22日に打ち上げた衛星も含まれているため、今後8機の衛星の打ち上げが予定されることになります。BlackSkyの発表によると、もともと2022年に予定されていたこれらの衛星の打ち上げが一年前倒しになったようです。また今回の契約は、BlackSkyの打ち上げサービスを管理するサービスプロバイダーであるSpaceflight Inc.がサポートしています。

今回の9機の衛星は、パートナー企業のLeoStellaが製造する地球観測衛星(Gen-2)です。2023年には、50cmの解像度と短波長赤外線(SWIR)による観測を可能にする地球観測衛星(Gen-3)の打ち上げを予定しています。BlackSkyは、最終的に30機の地球観測衛星コンステレーションの構築を目指しています。

BlackSkyのCEOのBrian E. O’Toole,氏は、今回の契約について以下のコメントを出しています。

Combined with our AI/ML platform, Spectra AI, BlackSky aims to provide customers with access to dawn-to-dusk global monitoring of key locations around the world. We’re proud to be working with Rocket Lab to achieve this launch cadence and advance our constellation network configuration, which is the foundation of our high-revisit imaging performance.
(訳:我々は、当社の機械学習プラットフォームであるSpectra AIと組み合わせることで、世界中の様々な場所の衛星データを顧客に提供することを目指しています。Rocket Labと協力して打ち上げスケジュールを達成し、当社の高解像度衛星コンステレーションの基盤を構築できることを誇りに思います。)
※Spectra AI:BlackSkyの複数の衛星が収集した画像を、機械学習を用いて解析する独自プラットフォームのこと。

今回の契約は、2021年第一四半期にSPACを用いた上場を発表した企業同士の契約となりました。詳細はこちら。(衛星ベンチャーのBlackSkyがSPACによる上場の計画を発表【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/2/15〜2/21】Rocket LabとSpire Globalが、SPACを活用して上場企業へ【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/03/01〜03/07】

上場後も、精力的に事業化を進める2社に引き続き注目です。

ABL SPACE SYSTEMSがシリーズBラウンドの資金調達を実施

ロケットベンチャーのABL Space Systemsが3月25日、シリーズBラウンドとして1億7000万ドル(約186億円)の資金調達実施を発表しました。今回のラウンドに参加した投資企業は、T. Rowe Price AssociatesFidelity Management & Research LLCの他、情報が公開されていない1社の合計3社です。今回の資金調達でABL Space Systemsの累計調達額は2億2000万ドル(約240億円)となり、企業の評価額は13億ドル(約1430億円)となっています。

ABL Space Systemsが開発する小型ロケットRS1は、全長26メートルで1350kgのペイロードを地球低軌道に打ち上げることができ、一回の打ち上げ費用は1200万ドル(約13億円)と発表されています。ユーザーガイドはこちらからダウンロード可能です。

Rocket Labの小型ロケットElectronは、地球低軌道に300kgのペイロードを打ち上げるのに、一回の費用が約750万ドル(約8.2億円)なので、RS1はElectornに比べ大型なペイロードとなります。

ABL Space Systemsの特徴は、GS0と呼ばれる、コンテナ型の移動式打ち上げ設備です。”Launch Rapidly from Anywhere”をビジョンに開発されたこのシステムは、燃料供給・電気系統・コントロールセンターなど、ロケット打ち上げに必要な機能をタンカーやトラックで輸送可能なコンテナ数個にまとめることが可能です。RS1の初打ち上げは、L2 Aerospaceの2つの衛星を搭載しカリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から実施する予定です。明確な打ち上げ時期は発表されていません。

小型ロケットのプレイヤーは多数存在しますが、業界を牽引するRocket Lab以外で、安定した商業打ち上げを達成している小型ロケット企業はまだありません。ABL Space Systemsのコンテナ型の打ち上げサービスが、今後RocketLabのように安定して商業打ち上げを実現できるか今後とも注目です。

アークエッジ・スペースがシードラウンドの資金調達を実施

3U・6Uサイズのキューブサット開発を手がける株式会社アークエッジ・スペースが、シードラウンドで4億円の資金調達を発表し、インキュベイトファンドリアルテックファンドの2社が投資を行いました。

アークエッジ・スペースは、世界で初めてキューブサットの打上・運用に成功した東京大学中須賀船瀬研究室と連携しながら、2018年7月に株式会社スペースエッジラボとして創業しました。2021年1月には株式会社アークエッジ・スペースに商号変更しています。

創業後、2018年12月にルワンダ政府インフラ規制庁からルワンダ国初の衛星となる3Uのキューブサット開発を受注するほか、2020年6月には国家宇宙センター(NSPO)から6Uキューブサットの開発・製造・打上げ・初期運用に共同研究者として参画しています。

インキュベイトファンド代表パートナーの赤浦徹氏は、以下のコメントを出しています。

アークエッジ・スペースは小型人工衛星(3U、6U)において世界最先端の開発力と世界中にネットワークを持つチームであり、世界の宇宙産業をリードする会社であると期待しております。代表の福代氏、CTOの松下氏とのご縁により出資をさせて頂くこととなり、大変嬉しく思っております。これから日本のスペーステクノロジーを世界へ羽ばたかせるべく、全力でご支援して参る所存です。

日本でも宇宙ベンチャーの数が50社を超え、様々な企業が事業化に向けて走り出しています。

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