NASA長官・副長官に宇宙飛行士経験のあるネルソン氏とメルロイ氏が任命。【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/4/12〜4/18】
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4月16日、ホワイトハウスはNASAの副長官にパム・メルロイ氏を任命すると発表しました。
メルロイ氏は、米空軍のテストパイロットを経て、1994年に宇宙飛行士候補者に選抜されました。2000年、2002年、2007年の宇宙滞在中に、合計4回の船外活動を行った経験があるほか、スペースシャトルのコマンダーを務めた2人の女性のうちの1人としても知られています。
NASAを退職した後は、Lockheed Martinでオリオン宇宙船の開発に副プロジェクトマネージャーとして従事。その後、国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、通称DARPA)に勤務し、現在は戦略技術室の副局長を務めている人物です。
また、ホワイトハウスは3月19日に、NASAの長官にビル・ネルソン氏を任命する意向を発表しています。
ネルソン氏は、宇宙分野の政策に精通している人物です。下院宇宙小委員会の委員長を務めていた1968年には、ペイロードスペシャリストとして、スペースシャトル・コロンビア号に搭乗した経験があります。上院議員として、2001年から2019年まで商業・科学・交通委員会、2019年からはNASA諮問委員会に参画していました。
政権移行を受けて、前任のジム・ブライデンスタイン氏が辞任して以来、行き先が不透明だとされていたNASA。長官と副長官が任命されたことで、早々に今後の方針が固まるのではないかと考えられます。
アルテミス計画のスケジュール後ろ倒しが懸念される中、宇宙分野での経験が豊富な2人がどのような判断をするのか、注目が集まりそうです。
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参考
President Biden Announces His Intent to Nominate Eight Key Administration Leaders
NASA Statement on Nomination of Pam Melroy for Agency Deputy Administrator