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ワープスペースが本田圭佑氏が立ち上げたVCらから4億円を調達。加速する小型光中継衛星の実機開発【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/4/19〜4/25】

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ワープスペースがシリーズAラウンドの資金調達で4億円を調達

中継衛星を活用した光通信サービス開発に取り組んでいる株式会社ワープスペースが、4億円の資金調達を実施しました。今回のラウンドに参加した投資家は、SPARX Innovation for Future Co.,Ltd.の宇宙フロンティアファンド、KSK Angel Fund LLCSMBCベンチャーキャピタル株式会社などです。

KSK Angel Fund LLCはプロサッカー選手であり投資家でもある本田圭佑氏が立ち上げたアメリカのVCで、宇宙ベンチャーへの出資はインターステラテクノロジズへの出資に続き、今回で2度目です。

ワープスペースは現在、初の実証衛星であるWARP-01で、軌道上実証実験とネットワークの構築を見据えた衛星運用訓練を行っている最中です。

今回の資金調達にあたり、ワープスペース常間地CEOから以下の質問に対してコメントを頂きました。

―今回調達した4億円を具体的にどのように活用していく予定でしょうか。

2020年までで地上実証の完了、コア特許の出願、複数の顧客候補との相互的フィージビリティスタディ開始など、一定以上の地固めが出来たと考えており、今回の調達資金は、今年から本格的にスタートしている小型光中継衛星の実機開発や人員拡大などに使わせていただく予定です。加えて、セールス活動や知財・特許獲得における取組みも加速させていきます。

ー本田圭佑氏が率いるKSK Angel Fundを投資家の一人に選ばれた最大の理由を教えてください。

弊社の行動指針「Compass of Behaivior」のなかに、”Leap”, “Resilience”という言葉があります。いずれも我々だけではなく多くのスタートアップにとって大切なことですが、本田氏は彼自身の人生でまさにこれらを体現しており、価値観を共有できると感じました。しかも本田氏のような強力な投資家にジョインいただけることは、ビジョン実現へのタイムスケールが長い宇宙ベンチャーにとって非常に心強いことだと考えています。

最後に、ワープスペースの担当者様より、宙畑読者へのコメントも頂きました。

弊社には10代から70代まで幅広い年代の方が活躍しています。衛星SE・エンジニア、地上系、組み込み系など幅広く募集しておりますので、気軽にお問い合わせください。

ワープスペースの「WarpHub InterSat」 小型光中継衛星群(イメージ) Credit : ©WARPSPACE

また、KSK Angel Fundの担当者様にも以下の質問に対してコメントを頂きました。

―プレスリリースで、ワープスペースの光通信サービスが貧困や環境問題などの社会問題を解決していくことに期待されているのを拝見しました。このような課題を解決できるのではないか、と期待している具体的な例がもしあれば教えて頂けますでしょうか。

宇宙光通信の実現によって、常時より高速な地球観測が可能になると聞いています。一見、貧困や環境問題には直接的に関係がなさそうには見えますが、よりタイムリーな農業や漁業等のデータ取得が地球規模で可能になることで、社会インフラがあまり十分でない困難な地域でも、より効率的且つ環境負荷がかからない手法で実現できるようになると思います。また、地球温暖化や大気水質汚染などにおけるセンシング技術においても、今後大きく寄与するのではないかと期待しています。加えて、ワープスペース社自身もルワンダ、ジブチ、ジンバブエなどのアフリカ各国と協業し、事業基盤を作っており、これらの国の社会インフラの発達に寄与しているというのはとても素晴らしいことだと思います。

ー投資家目線で、昨今の宇宙産業全体にどのような期待をしていますでしょうか。

日本の宇宙産業は、他国と比較し規模が小さく、積極的な投資が行われている状況とはいいがたく、特に飛翔体の分野ではSpaceXに代表されるように米国が大きく先行しています。これからは、宇宙に関わる周辺産業への投資も積極的に行われるフェーズとなり、ワープスペース社をはじめとして、日本からもこの産業全体へ貢献できる企業が続々と出てくることを期待しています。

Credit : ©WARPSPACE

ワープスペースが解決する課題は、衛星から地上局へデータ転送などの通信を行う際のボトルネックです。一つは地上局の上空に衛星が通過しているときにしか通信ができないという通信機会の少なさと、もう一つは低軌道衛星事業者にとって大きな負担となっている国際周波数調整を不要にすることです。この課題解決のために、低軌道の地球観測衛星事業社に対する中継衛星を活用した光通信サービス”WarpHub InterSat”を開発しています。

光通信には、大容量データ伝送が可能であるほか、周波数のライセンス取得などの申請請手続きが不要になるといったメリットがあります。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が衛星-地上局間の光通信技術実験に成功しているほか、海外でもアメリカの宇宙ベンチャーのLaser Light CommunicationsBridgeComm, Inc.なども光通信サービスに着手しており、近年注目を集めている分野です。

ワープスペースの事業計画によると、2022年に最初の中継衛星を打ち上げ、光通信サービスのβ版を提供開始。2023年に二機の中継衛星を打ち上げて正式な光通信サービスを開始させる予定です。これらの中継衛星は高度8000-10,000kmの中軌道に打ち上げられ、低軌道衛星との間で1Gbpsの光通信を達成させる計画となっています。

ワープスペースは5月頃をめどにさらなる資金調達を予定しています。事業化に向けて歩みを加速させていくワープスペースに注目です。

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