北欧の射場開発を進めるAndøya Spaceがドイツのロケット企業RFAと打ち上げ契約を発表 【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/4/26〜5/2】
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北欧の射場開発を進めるAndøya Spaceがドイツのロケット企業RFAと打ち上げ契約を発表
ノルウェーの小型ロケット専用射場開発を進めるAndøya Spaceが、ドイツのロケットベンチャー企業Rocket Factory Augsburg (RFA)と、2023年以降の打ち上げに関する契約を締結しました。
ノルウェー貿易水産省が90%出資しているAndøya Spaceは、1962年以降観測ロケットの打ち上げサービスを提供してきました。Andøya Spaceは極軌道への打上げを中心とする小型ロケット専用射場を開発中で2022年に完成予定です。北緯69度の北極圏に位置する射場からは、軌道傾斜角が87度から108度までの範囲の打上げサービスを提供できる予定です。
今回締結した打ち上げ契約は、ドイツの大手宇宙企業OHB Systemsの支援のもとでドイツ発ロケットベンチャー企業として創業したRFAが現在開発中の3段式液体燃料ロケット”RFA One”の打上げ契約です。高度300kmに最大1300kgのペイロードを打ち上げ可能なRFA Oneの初号機の打ち上げは、2022年末を予定しています。
RFAのCCOであるJörn Spurmann氏は、今回の契約について以下のコメントを出しています。
Flexible access to space from continental Europe aids RFA in offering its customers the best and most cost-effective launch service for their payloads.
(訳:ヨーロッパ大陸からの宇宙へ柔軟にロケットを打ち上げることは、RFAが顧客のペイロードに対して最適で最も費用対効果の高い打上げサービスを提供できるようになります。)
昨今の小型ロケット市場は、Rocket Lab・Astra・Virgin Orbitをはじめとするアメリカのベンチャー企業がけん引しています。その中で、RFAやIsar Aerospaceといった欧州発の小型ロケット企業が、今後Andøya Spaceの射場を使っていくと考えられます。欧州から小型ロケット打上げにも注目です。
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