宇宙分野に特化したファンドSeraphim Capitalに元ESA長官のヴァーナー氏が参画【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/6/7〜6/13】
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宇宙分野に特化したベンチャーキャピタルのSeraphim Capitalが、元ESA長官のJan Wörner(ヤン・ヴァーナー)氏をシニアアドバイザー兼諮問委員会のメンバーとして迎えます。
ヴァーナー氏は、2007年から2015年までドイツ航空宇宙センター理事会の議長を務めた後、2021年2月まで約5年にわたってESAの長官を務めました。任期中は、通信と地球観測、ナビゲーション、科学のための低コストで高性能な衛星の開発・打ち上げや、スペースデブリの除去をはじめとする宇宙空間の持続可能性の重要性を推進してきた人物です。
Seraphim Capitalは、これまでに約60社の宇宙関連のスタートアップ企業に、1,300億円以上を出資しています。ポートフォリオには、地球観測事業者のSpireやICEYE、楽天が出資していることで知られるAST Space Mobile、スペースデブリの脅威から衛星を守る宇宙状況把握サービスを提供するLeoLabsなど、各分野を引率する企業が名を連ねています。
さらに、Seraphim Capitalは保有している宇宙関連のスタートアップ企業の株式を投資信託を通じて公開市場で取引することを計画を発表しました。
レガシースペースの視点を持ったヴァーナー氏が加わることで、宇宙ビジネスの市場をより明確に分析できるようになるのではないでしょうか。また、ヴァーナー氏は、ESA長官を退任する際に、専門の土木工学分野に戻る意向を示していて、宇宙分野とのコラボレーションを図る可能性もあるのではないかと考えられます。
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参考
Seraphim appoints Jan Wörner, former Director General of the European Space Agency
Seraphim appoints former ESA director general
Seraphim Capital unveils world’s first listed space technology fund