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Relativity Spaceが新型ロケットTerran Rを発表!3Dプリンターで作る完全再使用型ロケット【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/6/7〜6/13】

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Relativity Spaceが新型ロケット”Terran R”を発表

3Dプリント技術でロケットの部品の大部分を製造し低コストな小型ロケットを開発している Relativity Spaceが、シリーズEラウンドの資金調達を実施し、総額6億5000万ドル(約713億円)を獲得しました。今回のラウンドは、Fidelity Management & Research Company LLCがリードインベスターを務めた他、8社のベンチャーキャピタル、個人投資家数名が参加しました。

また、資金調達の発表と同日に、新型ロケット”Terran R”を発表しました。

Terran Rは、高さ65.8mの2段型液体燃料ロケットで20tを地球低軌道(LEO)に打ち上げ可能なほか、完全再使用型のロケットとなります。Terran Rの初打ち上げは2024年を予定しています。

Relativity Spaceの第一世代のロケットであるTerran 1の打ち上げ能力は地球低軌道に1,250kgであるので、大幅な打ち上げ能力の強化となります。

Relativity Spaceは、Blue Origin出身のTim Ellis氏とSpaceX出身のJordan Noone氏が2015年に設立したロケットベンチャーです。SpaceX・Blue Origin・Rocket Labといったロケット企業もロケットの製造現場において3Dプリント技術を使用していますが、Relativity Spaceの場合はロケットの部品の90%以上を3Dプリンターで製造しています。また、同社はロケット製造のために、世界最大の金属用3Dプリンター”Stargate”を自社開発しているのも特徴です。

同社の共同創業者兼CEOのTim Ellis氏は、今回の2つの発表にあたり以下のコメントを出しています。

Relativity was founded with the mission to 3D print entire rockets and build humanity’s industrial base on Mars. Scalable, autonomous 3D printing is inevitably required to thrive on Mars, and Terran R is the second product step in a long-term journey Relativity is planning ahead.”
(訳:Relativity Spaceは、ロケット全体を3Dプリンターで製造し人類の産業基盤を火星に構築するというミッションを掲げて設立されました。火星で産業基盤を構築するには、スケーラブルで自律的な3Dプリンターが必要です。Terran Rは、我々のミッション実現における第2段階の製品です。)

Relativity SpaceのTerran 1の打ち上げは2021年中を予定しており、まだ打ち上げ実績が一度も無いにも関わらず、政府機関や民間企業から9件の打ち上げ契約を受注しています。競争が激化する小型ロケット市場の中で、Relativity Spaceの挑戦に注目です。

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