インターステラ、2年ぶり2回目の打ち上げ成功。ZEROの開発も大きく前進【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/6/28〜7/4】
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7月3日、インターステラテクノロジズ(以下、IST)が、「ねじのロケット」と名付けられた、観測ロケットMOMOシリーズの7号機を打ち上げ、宇宙空間への到達を果たしました。
同社の打ち上げ成功は、2019年5月の「宇宙品質にシフト MOMO3号機」以来、2年ぶり、2回目です。
ねじのロケットは、もともと2020年7月に打ち上げられる予定でした。ところが、メインエンジンの点火器の温度上昇が確認できなかったため、点火前に自動停止し、打ち上げを延期していた経緯があります。
その後ISTは、不具合が出ていたエンジンシステムのほか、機体の設計や電子機器、地上支援設備などを中心に全面改良を施した、新型機「MOMO v1」を開発。ねじのロケットは、改良後初の打ち上げでした。
打ち上げ後の記者会見で、代表取締役社長の稲川貴大氏は
「今回の打ち上げ成功をもって、(MOMOロケットの)量産化に進みたいと考えています」
と意気込みを語りました。ISTは、数機のロケットを同時に組み立て可能な工場を2020年11月に竣工させるなど、量産化に向けた製造環境の整備を進めてきました。6月末には、今夏に打ち上げ予定の機体を報道陣向けに公開しています。
さらに、MOMO v1の打ち上げ成功は、2023年頃の完成を目指す、超小型衛星の軌道投入ロケット「ZERO」を開発するうえでも、重要なマイルストーンだったと、稲川氏は説明します。
「MOMO v1では、ZEROに向けた部品の開発も一部行いました。そういった意味では、コンポーネント単位では、ZEROの技術の一部は、実証をクリアしたと言えます」
数少ない国内民間企業による打ち上げ輸送サービスの前進に、期待が膨らみます。
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参考
【プレスリリース】観測ロケット「ねじのロケット」打上げを2021年7月3日(土)に実施