宙畑 Sorabatake

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インドの基幹ロケットGSLV軌道投入失敗【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/8/9〜8/15】

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インドの基幹ロケットGSLV軌道投入失敗

インド宇宙機関(ISRO)が、約一年半ぶりに基幹ロケットGSLVの打ち上げに挑みましたが、人工衛星の軌道投入に失敗しました。

今回打ち上げたGSLV MK-IIは、静止軌道に約2.4t、低軌道に約5tのペイロードを軌道投入可能なインドの大型ロケットです。今回の打ち上げはもともと2020年3月に予定されていましたが、技術トラブルやCOVID-19の影響など、度重なる延期の末の打ち上げでした。今回の打ち上げで搭載されていたのは、インドの静止地球観測衛星”EOS-03”です。

ISROのチェアマンであるK. Sivan氏は、以下のコメントを出しています。

The launch could not be fully accomplished mainly because of a technical anomaly observed in the cryogenic stage
(訳:今回の打ち上げは、主にロケット第三段の極低温エンジンで観測された技術トラブルのために、完全な軌道投入を達成することができなかった。)

宇宙大国であるインドにとって、2017年以来14回連続で成功していたGSLVの連続成功記録が途絶えることになりました。SpaceXをはじめ、民間ロケット企業の躍進が進む中、国家機関のロケットが信頼性の高い打ち上げを継続的に提供していけるか注目です。

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参考記事

GSLV-F10 / EOS-03