アストロスケールがデブリ除去用のドッキングプレートを開発。全ての低軌道衛星への搭載目指す【宇宙ビジネスニュース】
【2021年11月22日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
アストロスケールがデブリ除去用のドッキングプレートを開発。全ての低軌道衛星への搭載目指す
スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの提供を目指す株式会社アストロスケールホールディングスについてのニュースです。同社のデブリ除去サービスの捕獲対象となる宇宙機に搭載可能な次世代型のドッキングプレートを発表しました。
この次世代型ドッキングプレートは、コンパクトかつ軽量化されていて、衛星の開発や運用を妨げないことが特徴です。さらに、宇宙空間で15年以上の寿命を有することから、大型衛星への搭載も期待されます。
そのほか、アストロスケールのデブリ除去衛星の航法誘導をサポートする識別マーカの搭載、磁石やロボットを用いた複数の捕獲方法に対応可能など、様々な技術的特徴も有しているとのことです。
次世代型ドッキングプレートの発表に関して、アストロスケールの創業者兼CEOの岡田光信氏は以下のコメントを出しています。
過去60年間で12,000機を超える衛星が打ち上がり、その数は今後10年で4倍以上にまで増える可能性があります。私たちは、宇宙産業関係者に、除去を見据えた策を講じることが、宇宙環境保護への真の意思表示であり、行動を示すことであると強く働きかけたいと思います。
現在軌道上で実証を進めているデブリ除去技術実証衛星ELSA-d (End-of-Life Services by Astroscale – demonstration)をはじめ、様々な取り組みを連続的に発表しているアストロスケール。今回発表したドッキングプレートは、11月16日から18日にかけてドイツのブレーメンで開催されたSpace Tech Expo Europe Conferenceで展示されました。
また、アストロスケールは、Virgin Orbit(Nasdaq: VORB)と、両社が協力する機会を模索する新たなパートナーシップを確立するMOU(覚書)を締結しました。今回のMOUを通じて、アストロスケールの10ミッション分の衛星をVirigin Orbitのロケットで打ち上げることや衛星の周波数割り当てなどの分野における政策・規制面での協力等が検討されています。
アストロスケールはデブリ除去技術実証衛星ELSA-dの実証実験の第一フェーズを成功させて以来、企業や各国政府との連携を強化していて、サービス開始に向けて着々と進んでいる様子がうかがえます。