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Rocket Labが宇宙用太陽電池セル・パネル業界大手のSolAeroを買収。加速する垂直統合型ビジネスモデル【宇宙ビジネスニュース】

【2021年12月20日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

Rocket LabがSolAeroを買収。加速する垂直統合型ビジネスモデル

小型ロケット及び宇宙システムを提供しているRocket Lab(NASD:RKLB)が、宇宙用太陽電池セル・パネルの主要サプライヤーのSolAero Holdingsを買収したと発表しました。買収額は8000万ドル(約91億円)で、買収は2022年第1四半期に完了する予定です。

SolAeroは、2021年4月に火星を飛行したヘリコプターのIngenuity Mars Helicopterや火星探査機のInsightに搭載されたソーラーパネル、OneWebの通信衛星に搭載する太陽電池などを製造しています。今回の買収によりRocket Labは、SolAeroの425人の従業員を含む世界最高水準の宇宙用太陽電池セル・パネルの生産ラインを獲得し、同社の宇宙システム事業のポートフォリオが更に強固なものになります。

今回の発表に関して、Rocket Labの創業者兼CEOのPeter Beck氏は以下のコメントを出しています。

SolAero is a highly complementary addition to Rocket Lab’s vertically integrated business model and strengthens our ability to streamline space for our customers by delivering complete space mission solutions. We are absolutely thrilled to welcome the SolAero team to the Rocket Lab family.
(訳:SolAeroは、Rocket Labの垂直統合型ビジネスモデルを高度に補完し、完全な宇宙ミッションソリューションを提供することにより、顧客の宇宙開発を効率化する能力を強化します。我々は、SolAeroチームをRocket Labの一員として迎えることにとても興奮しています。)

SolAeroの買収は、宇宙ソフトウェア企業のASI Aerospace、2021年12月に完了した宇宙船分離システム会社Planetary Systems Corporationの買収に続き、Rocket Labが今年発表した3番目の買収案件となります。

SPAC(特別買収目的会社)を活用した上場を始め、2021年は大きな発表が続いたRocket Lab。小型ロケット開発から垂直統合ビジネスモデルの構築を進めるRocket Labに引き続き注目です。

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参考記事

Rocket Lab to Acquire SolAero Holdings, Inc., a Global Leader in Space Solar Power Products