韓国のロケットベンチャーINNOSPACEが、ブラジルの射場からの試験飛行を発表【宇宙ビジネスニュース】
【2022年5月9日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
韓国のロケットベンチャーINNOSPACEが、ブラジルの射場からの試験飛行を発表
韓国のロケットベンチャー企業のINNOSPACEが、ブラジル国防省航空宇宙科学技術局(DCTA)と契約を締結し、慣性航法システム「SISNAV」を同社のロケットHANBIT-TLVで2022年の第4四半期に打ち上げることを発表しました。
INNOSPACEは、自社のハイブリッドロケットエンジンを搭載した小型ロケットHANBIT-Nanoを開発しています。HANBIT-Nanoは全長約17mの2段式ハイブリッドロケットで、50kgのペイロードを搭載可能です。
今回打ち上げ契約を発表したHANBIT-TLVは、一段式のハイブリッドロケットであり、サブオービタル飛行を行います。HANBIT-TLVにはHANBIT-Nanoの第一段エンジンが搭載されているため、SISNAVの打ち上げに加え、同エンジンの性能検証も実施予定です。
INNOSPACEのCEOであるSoo Jong Kimは、以下のコメントを発表しています。
We hope that INNOSPACE will enter the small satellite launch service market with the successful first test launch of HANBIT-TLV in the fourth quarter in Brazil.
(訳:私たちは、2022年第4四半期にブラジルからHANBIT-TLVの初打ち上げを成功させ、INNOSPACEが小型衛星打ち上げサービス市場に参入することを楽しみにしています。)
INNOSPACEのハイブリッドロケットエンジンは、パラフィンベースの推進剤と液体酸素の酸化剤を使用しており、固体ロケットエンジンや液体ロケットエンジンに比べて安全で取り扱いが容易で低コストな点が特長です。
小型ロケット業界では、Rocket LabやVirgin Orbitなど商業打ち上げを実現している企業も複数社ありますが、独自の強みを生かしていくINNOSPACEに注目です。