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圏外がなくなる?SpaceXが米通信企業と提携、23年以降スマホでStarlinkが利用可能に【宇宙ビジネスニュース】

【2022年8月29日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

8月25日、SpaceXのイーロン・マスク氏と北米およびヨーロッパで通信サービスを提供するT‑MobileのCEOマイク・シーバート氏が登壇していたイベントで、T‑MobileのスマートフォンがSpaceXのStarlinkによるインターネットサービスに接続可能にする新サービス「Coverage Above and Beyond」が発表されました。

イベントの様子 Credit : SpaceX/T‑Mobile

今回発表された新サービスについてイーロン・マスク氏は、

「(新サービスの)重要な点は、(スマートフォンが繋がらない)デッドゾーンが世界中のどこにもなくなることです」

と述べています。

T‑Mobileによると、アメリカでは50万平方マイル以上のエリア(約129.5万平方キロメートル、アメリカの国土面積の13%に相当)と洋上で、携帯電話がプロバイダー各社の通信サービスを利用できない状況にあります。また、通信プロバイダーがサービスを提供できない地域の多くは、山岳や砂漠をはじめとする地形上の問題があるといいます。

SpaceXとT‑Mobileが発表したCoverage Above and Beyondは、従来は通信サービスの提供が困難だった地域に、サービスを提供します。

既存のスマートフォンに搭載されている無線機を介してサービスを提供するため、ユーザーは追加のデバイスを購入することなく、サービスを利用できます。

T-Mobileは、SpaceXが次世代のStarlink衛星を打ち上げた後、2023年末までにアメリカの一部の地域でベータ版をリリースする計画です。その後、米国本土、ハワイ、アラスカの一部、プエルトリコ、領海のほぼ全域のこれまでT-Mobileのネットワークの電波が届かなかったエリアでもテキストメッセージを利用できるようにします。将来的には、音声通話とデータ通信のサービスも追加される予定です。

新サービスが発表されたイベントで、次世代のStarlink衛星のサイズについて質問が挙がると、イーロン・マスク氏は「ファルコン9に搭載するには大きすぎる」と話しました。さらに、現在開発中の大型ロケット「Starship」の開発が想定以上に遅れた場合は、次世代のStarlink衛星の小型版を打ち上げる可能性があることについても言及しました。

SpaceXとT‑Mobileによるサービスの価格帯や海外展開など、今後の動向に注目が集まりそうです。

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参考

T‑Mobile Takes Coverage Above and Beyond With SpaceX

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