「第8回 事業再構築補助金」の公募開始。 事業再構築に挑戦する中小企業を支援
経済産業省が「第8回 事業再構築補助金」の公募を開始しました。コロナ禍の影響により、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、新分野展開、事業再編など思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業などの挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としています。これまでの採択事例の中には宇宙関連事業の採択例もあるので、ご興味のある方は、ぜひご応募してみてはいかがでしょうか。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金は、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するため、新分野展開や事業再構築に挑戦する中小企業を支援する補助金として経済産業省が令和3年以降、定期的に公募を行っています。
2022年10月3日より、「第8回 事業再構築補助金」の公募を開始しており、応募期間は、2023年1月13日(金)18:00まで。
電子申請システムでの受付になり、対象は、コロナの影響で厳しい状況にある中小企業、中堅企業、個人事業主、企業組合などになります。
毎回4,000~5,000社程が採択され、宇宙関連事業の採択例もあるので、チャレンジしてみたいという方はぜひ詳細をご確認ください。
申請要件について
事業再構築補助金には、「通常枠」「大規模賃金引上枠」「回復・再生応援枠」「最低賃金枠」「グリーン成長枠」「緊急対策枠」の6つの枠に分かれています。
通常枠以外の枠で申請をする場合、以下の通常枠の要件を満たした上で、それぞれほかの枠の要件を満たしていることが必要になります。
それぞれの詳細な要件については事業再構築補助金のサイトをご確認ください。
・コロナ禍の影響によって売上が減少していること
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している。
もしくは、2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少している。
・新分野展開、業態転換、事業・業種転換などに取り組むこと
新たな製品などを開発し新分野や新事業への展開など、事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換などを行うこと
・認定支援機関と事業計画を策定すること
事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。
※認定経営革新等支援機関はこちらサイトから検索することができます。
また、補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加の達成を見込む事業計画を策定すること。
補助額や補助率の詳細は、「事業再構築補助金の概要」をご覧ください。
このほか、事業再構築補助金のサイトでは、FAQや説明動画のほか、過去の採択事例集、申請時によくある不備などを確認することができますので合わせてご確認ください。
宇宙関連事業の採択例
過去の採択例は、ワーケーション向けの宿泊業から、食・イベント分野のDX推進など幅広いものになっており、以下のように宇宙関連事業の例も見られます。
①航空・宇宙エンジン部品事業を展開
自動車部品メーカーなどの生産設備を製作するプラント事業を行っている株式会社モリタアンドカンパニーは、プラント事業で培った生産・加工技術を活かし、航空機エンジンとロケットエンジン用の高難度の燃焼室部品の製造に取り組むことで採択をされています。
【企業の強み】
・工程別の機械を組み合わせた効率化・自動化と、難削材の加工技術で100年以上事業を行っている
・航空宇宙品質マネジメントシステムJISQ9100の取得、また、商工会議所やメーカー主催の部品加工トライアルに参加するなど、技術力の向上に努めている
【売上を見込めるポイント】
・航空機エンジンはメンテナンス用部品の需要があり、ロケットエンジンの製造も今後大きく成長が見込める
・海外との分業で部品調達を行っている現状において、世界の部品供給網に懸念が生じ、国内調達のニーズが高まっている
②超小型衛星の運用システムを開発
自動車部品などの精密部品の設計・試作開発や超精密加工を手掛ける原田精機株式会社は、超精密・高精度の加工技術を活かし超小型衛星システムの開発に取り組むことで採択されています。
【企業の強み】
・自動車部品や大型衛星等の精密部品の設計・試作開発、また同時5軸切削加工などの超
精密・高精度の加工技術を追求し続け、品質を保証するための各種認証を取得している
・日本航空宇宙工業会(SJAC)のワーキング委員会として人工衛星に関する国際標準づくりや、惑星探査用車両を開発するなどの知見を有している
【売上を見込めるポイント】
・先端的な独自の光学センサーとデータ通信を通じた超小型衛星の運用・管制システムを開発し、大気や地表の状況を広く短時間に観測することで、SDGsの目標達成や、データの組み合わせによる様々な分野の課題解決に貢献する
・産学官の連携により、商用化に向けたニーズの調査・企画立案・対応技術の開発に取り組み、設計・製造から利用サービスを含めた超小型衛星システムインテグレータを目指す
このほかにも過去の採択例を以下より確認することができます。
社会情勢の影響によりなかなか売上の回復を見込むことが難しい中、新たな挑戦によって事業を再編成したいと思っている企業の方は、ぜひご応募してみてはいかがでしょうか。