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QPS研究所、JAXAが開発した「オンボード高性能計算機」を搭載へ。AI機能でデータ提供の迅速化を実証予定【宇宙ビジネスニュース】

【2022年12月19日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

SpaceXと打ち上げ契約を締結。6号機の打ち上げは2023年6月以降に

12月15日、小型SAR衛星のコンステレーションの構築を進めるQPS研究所がSpaceXと6号機の打ち上げ契約を締結したことを発表しました。打ち上げ時期は2023年6月以降になる予定です。

QPS研究所 代表取締役社長CEOの大西俊輔氏は、

「当初2022年度に3〜6号機の4機の衛星打上げを計画する中、6号機については、予定より少々遅れることになりましたが、このように契約が無事に締結され発表できることを、打上げに関わる各方面の皆様に心より感謝いたします」

と述べています。

QPS研究所は3号機および4号機を2022年10月に打ち上げたものの、ロケットの失敗で軌道投入されませんでした。5号機はVirgin Orbitの空中発射小型ロケットで、2023年初頭に打ち上げられる予定です。

JAXAが開発したオンボード高性能計算機を搭載し、軌道上実証へ

12月16日には、JAXAの「小型技術刷新衛星研究開発プログラムの新たな宇宙利用サービスの実現に向けた2024年度軌道上実証に係る共同研究提案要請」においてQPS研究所の提案が採択されたことが発表されました。

このプログラムでは、JAXAが研究開発を進めている「ソフトウェアプラットフォーム」を搭載したオンボード高性能計算機をQPS研究所が製造する小型SAR衛星に搭載して軌道上での技術実証を行い、技術を活用した新たなサービス構想を協力して実証することを目的としています。

QPS研究所の小型SAR衛星には、JAXAとSARセンサを専門とする技術会社アルウェットテクノロジーが共同開発した軌道上画像化装置が標準搭載されています。

この軌道上画像化装置が軌道上で画像化したデータを、JAXAが提供するオンボード高性能計算機のAI機能を用いて検出・推論した結果をいかに迅速にユーザーに提供できるかを実証します。

JAXAはオンボード高性能計算機に加えて、最大200kgの小型衛星の打ち上げ機会をQPS研究所に提供します。

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参考

QPS研究所小型SAR衛星6号機の打上げに関して 米国SpaceX社と契約を締結

JAXAの「小型技術刷新衛星研究開発プログラムの 新たな宇宙利用サービスの実現に向けた2024年度軌道上実証に係る 共同研究提案要請」にQPS研究所の提案が採択されました

小型SAR衛星群による新たなサービス創出等に向けた事業共同実証を開始