茨城県那珂市が野菜の生育状況を衛星データで可視化するサービスの実証を開始。スタートアップと共同で【宇宙ビジネスニュース】
【2023年8月21日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
8月17日、茨城県那珂市と農業にかかるコンサルティング事業を行うスタートアップAgrieeが、同社が開発する衛星データを活用した農作物の生育評価システム「GrowthWatcher」を用いた実証事業を開始したことを発表しました。
GrowthWatcherは、農作物の生育状況を、衛星データを活用して可視化することができるサービスです。WEB上で生育状況を確認することができ、圃場管理の効率化やコスト削減が期待されます。
衛星データを活用した農作物の生育評価システムの多くは、水稲・麦・大豆などの穀物類をメインターゲットとしているのに対して、Agriee のGrowthWatcherは野菜類をメインターゲットとしているのが特徴です。
穀物類と異なり、野菜類は同じ場所で同じ作物を連続して栽培すると病害虫が発生したり、生育が悪くなったりする恐れがあるため、違う種類の作物をローテーションさせながら栽培する「輪作」が行われています。GrowthWatcherは野菜類の輪作を前提としたシステム設計になっており、前年に対象圃場で同じ作物を栽培していない場合でも生育評価を行うことができます。
Agrieeは「野菜類をメインターゲットに据えている類似サービスは世界的に見てもまだまだ少なく、GrowthWatcherの大きな強みの一つとなっています」と説明しています。
那珂市は、特産の米、さつまいも、かぼちゃ等のブランド化に取り組むうえで品質管理に課題を感じており、データ活用型農業の実践を検討していたといいます。
那珂市農政課の担当者は「那珂市の農業の課題は様々ありますが、担い手の減少もその一つとなっています。そこでGrowthWatcherの実証実験に参加し、担い手の作業の効率化や事業拡大へのきっかけをつくることで、これから農業を始める担い手はもちろん、現在農業をされている担い手の方々の手助けになると考えております」とコメントしています。