アリアンスペース社・PTScientists社らがESAと契約締結【週刊宇宙ビジネスニュース 1/21~1/27】
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アリアンスペース社・PTScientists社らがESAと契約締結
米国NASAでは、物資を輸送するサービスを民間企業から公募するというプログラムCLPSが進行しており、Google Lunar X Prizeコンペティションに挑戦していた日本のベンチャー企業ispace社が、米ドレイパー研究所とチームを組んで契約を結んでいます。
そんな中、ヨーロッパでも大きな動きがありました。2019年1月21日、2025年までの月探査計画のために、ESAは、ヨーロッパ最大の打ち上げサービスを提供するアリアンスペース社やPTScientists社のグループと契約を締結したと発表しました。
PTScientists社も、ispace社と同じくGoogle Lunar X Prizeコンペティションに挑戦していたドイツのスタートアップ企業です。コンペ終了後も、Audiやボーダフォンらの支援を受けて、月を目指して開発を続けていました。
今回のプロジェクトは、アリアンスペース社がAriane6ロケットを、ベルギーの企業Space Applications Services社が、地上管制と通信サービスを提供。そして、PTScientist社が、月着陸船(ランダー)を提供する計画となっています。
今回のミッションの目的は、より商業的なアプローチで、月のレゴリスを採掘し、酸素などの資源を抽出する技術を実証することです。
大手企業だけでなく、スタートアップ企業がチームに入っているという点が、大きな注目ポイントです。
最終フェーズにエントリーしているチーム5つともが、指定した期限までに月面に到達できないとして、優勝者なしで終了することになった人類初の月面探査コンテストGoogle Lunar XPRIZE。ここで立ち上がったスタートアップ企業たちが、国家機関が提供するプログラムで次々と存在感を示してきています。
国家主導で、大手老舗企業が着実に推進するイメージが先行する月探査ですが、新たなスタートアップの登場により、少しずつ様相を変えてきています。国家主導というレベルから抜け出すにはまだかかりそうですが、民営化に向けた新たな風が吹き込みはじめているようです。