イランでも衛星データを用いたスマート農業導入へ【週刊宇宙ビジネスニュース 1/28~2/4】
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イランでも衛星データを用いたスマート農業導入へ
ここしばらく、原油取引を始めとした様々な経済制裁を受けているイラン。
そのようなイランにおいても、農業のスマート化が進もうとしており、気象データ等を解析することで、収穫量を最大にすることを目指して農業気象系スタートアップが立ち上がったようです。
このスタートアップでは、衛星データや気象データ、地上センサのデータを人工知能等を用いて解析し、作物の品質や収穫量向上を目指したアプリケーションおよびデバイスを開発しているそうです。このスタートアップのアプリケーションでは、農作物の種類や場所に応じた農家向けのサービスを、農村地域の正確な天気予報と共に提供する予定だそうです。衛星データのみを使って解析するのではなく、地上センサを用いて補正することで、より正しく予想することを試みているものと思われます。
すでに天気を予報することには成功しており、今後は降水量確率の予報に取り込むのだそうです。
イランの農家へのスマートフォン普及率は高いとは言えないそうで、WEBブラウザでの情報提供のみならず、SMSのメッセンジャー等でも情報を発信しているそうです。
ただし、経済制裁の影響により、地上センサの部品がうまく入手できない、等の課題はあるそうで、導入にはまだ乗り越えなければならない問題はありそうです。
つい先日まで、政府が閉鎖状況だったためにアメリカでの宇宙関連の予算が止まっていましたが、こちらではアメリカ等とイランの政治的な課題のために、スマート農業導入に課題が生じています。戦争が国家間の競争を生み、技術力を向上させる、という話もありますが、願わくば平和に技術力が向上し、世界中が豊かになると良いな、と思います。
各国の政治的な状況の側面から、宇宙開発を眺めてみることも良いでしょう。
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