宙畑 Sorabatake

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衛星コンステレーションの実現に向け、また一歩!OneWebとSoftBankが業務提携!【週刊宇宙ビジネスニュース 7/22〜7/28】

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OneWebとSoftBankが業務提携!

7月25日に、低軌道衛星通信サービスを実現しようとしているOneWebとSoftBankが業務提携したことを発表しました。

SoftBankはOneWebに対して今まで合計1000億円以上を投資しています。今回の発表は資金投下のみでなく、業務の上でも提携を行うという発表です。

7月22日に公開されたNASAケネディ宇宙センターのすぐ側に建設されたOneWebの衛星製造工場 Credit : SpaceNews/Jeff Foust

SoftBankはこれまでに通信事業者として技術力や知見を蓄えてきました。それらのノウハウを、今回の業務提携契約を通して、OneWebの事業展開計画の遂行・エンドユーザー向けの商品開発・商業的パートナーシップの構築などをともに進めていく予定とのことです。

OneWebは今年の2月に、最初の6機の衛星の軌道投入に成功しています。今後衛星の打ち上げを重ね、648基で構成される衛星コンステレーションを構築し、2021年には商用サービスを開始することを計画しています。

また7月22日には、フロリダのNASAケネディ宇宙センターのすぐ側に建設されたOneWebの衛星製造工場の開所式が開催されました。開所式には、アメリカ合衆国商務長官のWilbur Ross氏や、連邦通信委員会(FCC)の委員長であるAjit Pai氏や、フロリダ上院議員のRick Scott氏が出席しました。

今回のOneWebのフロリダ工場の大きさは約9,750平方メートルであり、試運転期間を経て最終的にはこの工場で1日に2基の衛星を製造可能とし、今後2年間で648基の衛星群を打ち上げる計画です。

OneWebのCEOであるTony Gingiss氏はこの式典で「我々は、まだこの業界で行われていない衛星大量生産において、先駆者となる」と語っており、今後もOneWebとSoftBankの衛星コンステレーション計画に目が離せません。

Synspectiveが86.7億円もの大規模資金調達に成功!

衛星コンステレーションに関するニュースをもう一つ紹介します。

7月26日に、約25機から構成される小型SAR(合成開口レーダー)衛星のコンステレーション計画を推し進めている日本の宇宙ベンチャー企業であるSynspectiveがシリーズAラウンドにおける大規模な資金調達に成功した事を発表しました。

今回の資金調達は、第三者割当増資による86.7億円という規模であり、2018年2月のSynspective創業からの累積調達額は109.1億円に達します。同社によると1年5カ月で同額の調達は宇宙ベンチャー企業として世界最速であり、日本国内では最大規模とのことです。

Synspectiveが打ち上げ予定のSAR衛星のイメージ図。 Credit : Synspective

SAR衛星は、自ら電波を発することで地表形状や高度・変位を測定する衛星であり、曇天や夜間でも地上を観測できることができます。自ら電波を発し、さらに地上で反射した電波を受信し観測するため多くの電力を消費し衛星の小型化を中々実現できていませんでした。このSAR衛星の小型化を実現できれば、低コストなSAR衛星によるコンステレーション群が構築可能であり、天候に依存しない高頻度の観測が可能になります。

SAR(合成開口レーダー)衛星の基本については、こちらの記事をご覧ください。

SynspectiveのWebサイトによると、Synspectiveは、100kg程度で解像度1~3mのSAR衛星を25機打ち上げるStriXと呼ばれるコンステレーション網の実現を計画しています。一機当たりの衛星の価格は5億円未満を想定しているとのことです。同社は2022年までに、6つの衛星を軌道投入する事を計画しており、それによりアジア主要都市を1日1回撮像することが可能になります。その後、最終目標である25基の衛星コンステレーションについて時期は明言されていませんが、このコンステレーションが実現すれば世界中の主要都市を1日1回撮像することができ、都市の変化を観測することが可能です。

今回の資金調達の発表において、Synspective代表取締役CEOの新井元行氏は以下のように述べています。

2020年に実証初号機の打ち上げを予定しており、現在着実に最終試験を進めています。また、自社衛星打ち上げに先行して複数のパートナーと、衛星の観測データを利用した新規事業創出や事業革新に取り組んでいます。Synspectiveは、データに基づき、着実に進歩する世界の実現に貢献できるよう事業を進めてまいります。

可能性の多いSAR衛星コンステレーションにおいて、フィンランドの宇宙ベンチャーのIceye、アメリカの宇宙ベンチャーであるCapella Space・Trident Space・XpressSARなど、市場で先行するベンチャー企業は多数います。また、小型SAR衛星は、電力の問題から持続時間の短さが課題とされており、調達した資金を用いてどのように技術力を高め、SAR衛星の市場で戦っていくのか、これからのSynspectiveの発表にも注目です。

参考

SoftBank to help OneWeb with product dev • Phasor makes antenna progress • Kleos Space waits out Rocket Lab delay

OneWeb Satellites inaugurates Florida factory

ソフトバンク、OneWebの低軌道衛星通信サービス 提供に向けて事業展開を推進

Synspective

第三者割当増資により累計資金調達額が109億円に

Japanese SAR startup Synspective reaches $100 million in funding