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H3ロケット3号機の機体が公開。だいち4号を搭載する想定で打ち上げに向け準備進む【宇宙ビジネスニュース】

【2024年3月25日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

3月21日、愛知県飛島村にある三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所 飛島工場にて、H3ロケットの3号機以降の機体の一部が公開されました。

第1段は3号機、第2段は後続号機で使用される予定です。3号機の第2段はすでに種子島に搬入されている機体が使用されます。

H3ロケット3号機の第1段
後続号機で使用される第2段

なお、H3ロケット3号機のペイロードはまだ決定していないものの、先進レーダ衛星「だいち4号」(ALOS-4)を搭載する想定で打ち上げに向けた準備が進められているということです。

3月11日に報道陣向けに公開された「だいち4号」

JAXA H3プロジェクトマネージャの岡田匡史さんは「ペイロードが決まることで、ようやくH3も一人前のロケットになったと言えるようになるのだと思います」「準備する側としては1、2、3号機とも、淡々と準備を進めていくことに変わりはありません」と話しました。

3号機は2月17日に打ち上げられた試験機2号機の機体とベースは同じですが、試験機2号機のフライト結果を踏まえて、パラメーターの細かい調整が行われる予定です。

三菱重工業は、H3ロケットの打ち上げを年間6機、将来的には8機以上に増やしていきたい考えです。三菱重工業の防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部 H3プロジェクトマネージャー 新津真行さんは、H3ロケットの国際競争力の確保について、こう述べました。

「SpaceXがよく引き合いに出されますけれど、やはり我々として全く同じ条件で勝負に出るというよりは、打ち上げ時期などの条件……やはり希望時期に優先して打ち上げるなど、SpaceXではできないようなところで、少しずつ良い条件を提示して、戦っていくようなやり方になると思います」

左から三菱重工業 新津真行さん、JAXA 岡田匡史さん

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