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「能動的な安全対策に繋がる」衛星データを用いた地上・インフラ監視サービス「LIANA」の低価格プランをリリース【宇宙ビジネスニュース】

【2024年3月25日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。

3月21日、スカパーJSAT、ゼンリン、日本工営は、斜面やインフラの変動をモニタリングできるサービス「LIANA」の低価格帯定額利用サービスプラン「LIANAメッシュ」(以下、メッシュプラン)の提供を開始しました。

Credit : SKY Perfect JSAT Holdings Inc. & SKY Perfect JSAT Corporation Source : https://www.skyperfectjsat.space/jsat/service/liana/

「LIANA」は、2022年にスカパーJSATら3社がリリースしました。スカパーJSATの衛星データ解析技術に加えて、日本工営の専門技術者によるコメント、ゼンリンの詳細な地図を使用していることで、土地に変化が見られた場合、特に企業や自治体が管理する敷地や施設への影響を予め把握する事が可能になるという特徴があります。詳細は以下の記事をご覧ください。

必要な範囲だけをモニタリングしたい需要に答えるメッシュプラン

今回リリースされた定額プランでは、これまで最低利用面積が「約50km×50km~」となっていたものが「約1km×1km~」から利用可能となっています。

例えば、50km×50kmで約2500㎢の利用だと、以下の画像の青枠となりほぼ東京全域をカバーする広さになります。今回の定額プランでは、新宿区のみといった柔軟な利用も可能になりました(赤枠は約100㎢の広さ)。

リリースでも「広範囲の地域を一括で解析しモニタリングできる利点がある一方で、高額な費用がかかる課題があり、ユーザーは低価格で必要な範囲だけをモニタリングできるサービスを求めていました。」とあり、メッシュプランはそのようなニーズに柔軟に応えるためにリリースが決まったものと推測されます。

「LIANA」が実現する能動的な安全対策と顧客の声

リリースでは、インフラ事業者の維持管理分野、建設コンサルタントの道路、河川・砂防、海岸分野における地盤調査、測量、設計の効率化、高度化、建設会社の施工分野……と幅広い企業がすでに利用していると紹介されており、実際の顧客の声も紹介されていました。

「地質リスクを広域かつ想起に抽出できる」「能動的な安全対策に繋がると思う」「ドローンレーザ測量で得た点群情報等と組み合わせ、測量の付加価値向上や新たな活用方法等模索できそう」など、衛星データを活用するメリットを端的に述べられているコメントが多くありました。他にもリリースでは顧客の声が掲載されていましたので、気になる方はぜひリリースもご覧ください。

自然災害が激甚化しているなか、少子高齢化により災害に対応できる人的リソースは減り、人手不足となっている企業や地方自治体が増えています。LIANAの低価格プランのリリースのように、衛星データの利用がより容易になることで、そのような課題が解決されることを願います。

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参考

「LIANAメッシュ」の提供を開始 ~SAR衛星データを活用した低価格・定額プランでDXを実現~ | スカパーJSAT