インド人宇宙飛行士が2024年中にISSへ【宇宙ビジネスニュース】
【2024年5月27日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
宇宙分野におけるアメリカとインドの協力関係の強化が進んでいます。
駐インド米国大使のエリック・ガルセッティ氏は、アメリカが2024年末までにISSにインド人宇宙飛行士を送ると述べたとインドの大手通信社Press Trust of Indiaが報じました。ガルセッティ氏はインド宇宙研究機関(ISRO)を訪問し、長官のシュリ・ソマナス・S氏と宇宙分野での協力について会談を行なっていました。
インド人による宇宙飛行は、ソビエト連邦との共同プログラムで、インド人初の宇宙飛行士ラケッシュ・シャルマさんが1984年にソビエト連邦の宇宙ステーション・サリュート7号に滞在して以来だと見られます。
ISROは有人宇宙船「ガガンヤーン」を開発しているほか、独自の宇宙ステーションを2035年に建設する計画や2040年には月面有人着陸を実施する目標を発表しています。2024年2月に、ガガンヤーンで飛行する最初の宇宙飛行士4人を発表しました。
アメリカとは2023年6月に、ジョー・バイデン大統領と訪米していたナレンドラ・モディ首相とによる首脳会談が行われ、NASAとISROが2023年末までに有人宇宙飛行協力の戦略的枠組みを策定すること、さらに2024年にISSの共同作業を実施することを目標に、NASAのジョンソン宇宙センターでインドの宇宙飛行士に高度な訓練を提供することが確認されました。
なお、NASAとISROは共同でSバンドとLバンドのSAR衛星「NISAR」を開発しており、2024年中に打ち上げられる予定で、幅広い分野での協力関係があります。
宙畑編集部のおすすめ関連記事
史上4カ国目!インドのチャンドラヤーン3号が月面着陸に成功【宇宙ビジネスニュース】
第4の宇宙大国・インド、宇宙ステーション構築計画を発表【週刊宇宙ビジネスニュース 6/10〜6/16】
今週の宇宙ニュース
衛星通信会社Intelsat、静止軌道衛星の寿命延長サービスの契約を延長。計9年延長へ【宇宙ビジネスニュース】
QPS研究所、防衛省から技術実証衛星の打ち上げ対応で15.6億円を受注【宇宙ビジネスニュース】
自民党が提言。毎年度の宇宙関連予算1兆円や有人輸送に向けた制度整備、防衛省とJAXAの人事交流の拡大など【宇宙ビジネスニュース】
参考
America will send Indian astronaut to International Space Station by year-end: US envoy