衛星を活用した鉱物探査サービス提供・豪スタートアップFleet SpaceがシリーズDラウンドで約147億円を調達【宇宙ビジネスニュース】
【2024年12月16日配信】一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを宙畑編集部員がわかりやすく解説します。
オーストラリア発の衛星企業Fleet Space Technologies(以下Fleet Space)は12月12日、シリーズDラウンドで1億5000万オーストラリアドル(約147億円)を調達したことを発表しました。
Fleet Spaceは、衛星を活用した鉱物探査ソリューション「ExoSphere」の開発を手がけています。イギリスに本拠を置くリオ・ティントやカナダのバリック・ゴールドなど、鉱山・金属業界の大手企業と共同で鉱物探査を進めています。
2050年のカーボンニュートラルに向けて、電動化を促進するためにレアアースなどの鉱物への注目が集まる中、鉱物探査技術への期待も高まっています。今回調達した資金はExoSphereの機能拡張に使われる見込みです。
Fleet SpaceのCEO兼共同創設者であるフラビア・タタ・ナルディーニさんは、ExoSphereについてこのように話しています。
「未来には2つのバージョンがあります。1つは、宇宙、AI、ビッグデータの最新の進歩をクリーンエネルギーの未来の構築に活用するバージョンです。もう1つは、エネルギー転換鉱物の新規発見率が低下し続けることで、ネットゼロ目標が達成できなくなるリスクを冒すバージョンです」
「ExoSphereでは、これらのテクノロジーをエンドツーエンドのプラットフォームに統合し、現代の採掘業務とシームレスに統合して補完することで、探査テクノロジーの最先端を単一のワークフロー内で世界の採掘業界が利用できるようにします」
なお、Fleet Spaceはヨーロッパ宇宙機関の技術者と航空宇宙起業家によって2015年に設立された企業です。現在はアメリカ、カナダ、チリ、ルクセンブルグに拠点を拡大し、全世界で130人以上の従業員をかかえているということです。