【2025年3月】衛星データ利活用に関する論文とニュースをピックアップ!
2025年3月に公開された衛星データの利活用に関する論文の中でも宙畑編集部が気になったものをピックアップしました。
2025年3月に公開された衛星データの利活用に関する論文の中でも宙畑編集部が気になったものをピックアップしました。
・Recovery of pixels with extremely turbid waters and intensive floating algae from false cloud masking in satellite ocean color remote sensing
(極度に濁った水域や大規模な藻類ブルーム(浮遊藻類)が誤って雲として識別される問題を解決するアルゴリズム提案)・Measuring marine hydrodynamics from space using planet satellite imagery
(PlanetScope衛星コンステレーションから得られる短時間(数分間隔)で撮影された連続画像ペアを用いて、沿岸海域の表層流動を推定するための体系的な手法提案)・Spectrotemporal fusion: Generation of frequent hyperspectral satellite imagery
(低時間分解能のハイパースペクトル衛星画像(HSI)と高時間分解能のマルチスペクトル衛星画像(MSI)を融合することで、時間分解能の高いハイパースペクトル衛星画像を生成する「分光時間融合(SpecTF)」という手法提案)・Cloud-based solution for urbanization monitoring using satellite images
(Sentinel Hub(衛星画像クラウドサービス)を活用して、ルーマニアの都市環境の変化を自動的に検出するシステム提案)
宙畑の新連載「#MonthlySatDataNews」では、前月に公開された衛星データの利活用に関する論文やニュースをピックアップして紹介します。
実は、本記事を制作するために、これは!と思った論文やニュースをTwitter上で「#MonthlySatDataNews」「#衛星論文」をつけて備忘録として宙畑編集部メンバーが投稿していました。宙畑読者のみなさまも是非ご参加いただけますと幸いです。
2025年3月の「#MonthlySatDataNews」「#衛星論文」を投稿いただいたのはこの方でした!
SeasFire cube – a multivariate dataset for global wildfire modeling#衛星論文
森林火災のデータセットだ https://t.co/VFyFqEjrpt
— たなこう (@octobersky_031) March 4, 2025
それではさっそく2025年3月の論文を紹介します。
Recovery of pixels with extremely turbid waters and intensive floating algae from false cloud masking in satellite ocean color remote sensing
【どういう論文?】
・本論文は、極度に濁った水域や大規模な藻類ブルーム(浮遊藻類)が誤って雲として識別される問題を解決するアルゴリズムを提案する
【技術や方法のポイントはどこ?】
◾️先行研究の課題
・従来の雲マスキング手法では、近赤外(NIR)または短波長赤外(SWIR)バンドの閾値に基づいて雲を識別していたが、極度に濁った水域や大規模な藻類ブルームが、その高い反射率のために誤って雲として識別される
・特に東シナ海沿岸域や太湖などの内陸湖では、誤った雲マスキングにより重要なデータが失われる
◾️本研究のアプローチ
・藻類が特定の波長の光をどう反射するかを示す指標(AFAI)と、その改良版であるnAFAIを開発
・nAFAIは、雲は全体的に明るいものの特別な分光パターンはない(全ての波長でほぼ均等に反射)という特徴を活用し、AFAIを全体の明るさで割って正規化することで、雲との違いを明確にした指標である
・最初に「雲」と判断されたものを再チェックする「救出手順」を追加
・救出したデータを「濁った水」「藻のかたまり」「特殊な大気粒子」というカテゴリに正しく分類する
◾️データセット
・3種類の衛星センサー(VIIRS、OLCI、GOCI)のデータを使用する
・特に中国の沿岸部と太湖(大きな内陸湖)、南アメリカのラプラタ川河口を中心に分析
・2017年の四季(1月、4月、7月、10月)のデータで季節変化も考慮
◾️技術的特徴
①藻類を見分ける方法(AFAIとnAFAI)
・藻類は特徴的な光の反射パターン(赤い光をあまり反射せず、近赤外線をよく反射するという特性)を持っている
・上記を数値化したのがAFAI(Alternative Floating Algae Index)である
・大量の藻が集まっている場所は全体的に明るく写るため、nAFAI(正規化AFAI)という新指標を開発
・nAFAIは「全体の明るさ」の影響を打ち消すので、厚い雲と大量の藻をより確実に区別できる
②濁った水を見分ける方法:
・濁った水は藻と違い、AFAIが負の値になりやすい(平均約-0.0038)
・また、青い光と近赤外線の反射比(ε(RC)(Blue, NIR2))が0.85より小さくなる特徴がある
・上記特徴を使って、「雲」と誤判定された濁った水域を識別する
【議論の内容・結果は?】
◾️GOCIセンサーの例
①以下図のaは西太平洋(渤海・黄海・東シナ海)の実際のカラー画像であるい
・本地域は非常に濁った水域が多く、従来の手法では大量の「偽の雲」が発生していた
・GOCIセンサーはSWIRバンドを搭載していないため、従来と同様にNIRバンドのみで判定する
・元々「雲」とされていた濁った一部の水域(茶色で示された領域)を正しく識別でき、結果として、元々雲とされた約187万ピクセルのうち、84.12%が「濁った水域」として再識別された

・他のセンサーによる再識別結果は以下の通りとなっており、最終的に、中国東部沿岸域では約30-40%、太湖では約40-50%、ラプラタ川河口ではほぼ100%近い誤判定の改善を行うことができた

#雲マスキング #海色データ #浮遊藻類 #濁水 #AFAI #nAFAI #VIIRS #OLCI #GOCI #水質モニタリング #偽雲マスク
Measuring marine hydrodynamics from space using planet satellite imagery
【どういう論文?】
・本論文は、PlanetScope衛星コンステレーションから得られる短時間(数分間隔)で撮影された連続画像ペアを用いて、沿岸海域の表層流動を推定するための体系的な手法を提案する
【技術や方法のポイントはどこ?】
◾️先行研究の課題
・先行研究では、主に「WorldView-2/3」などの特定の高性能衛星が使う「in-lineステレオモード」(同じ衛星が1回の通過で同じ場所を角度を変えて複数回撮影する方式)に頼っていた
・上記は、特別にプログラムされたミッションでしか実行できず、場所や時期が限られていたため、世界中の沿岸域を定期的・体系的に観測することができなかった
・一方で、PlanetScopeの衛星画像のアーカイブには膨大な量の画像が保存されているものの、その中から「数分間隔で撮影された、同じ場所の画像ペア」を効率よく見つけ出す方法がなかった
・具体的には、PlanetScopeの180基以上の衛星は「理想的には90秒間隔で均等に分布した軌道」を持つはずだが、実際には「複雑な運用パターンと継続的に変化するコンステレーションの最適化」により、オーバーラップが半確率的に発生しており、規則的なパターンでがない
・また、同じ期間でもモルディブの地域では12組のみのオーバーラップだったのに対し、サンフランシスコ湾では137組のオーバーラップが見つかるなど、地域間で大きな差がある

◾️本研究のアプローチ
・PlanetScopeの衛星コンステレーション(180基以上)の地上軌道オーバーラップを活用して、数分間隔で撮影された画像ペアを系統的に特定するAPIベースの検索アルゴリズムを開発する
・異なる海域環境(オホーツク海の海氷、バルト海の藻類ブルーム、アラビア/ペルシャ湾の浮遊堆積物)での流速場を推定する
・PIV法(Particle Image Velocimetry法)と光学フロー法(Horn-Schunck法)の両方を実装し、結果を比較する
・PIV法とは、写真を小さな窓(ウィンドウ)に分け、その窓内のパターンが次の写真のどこに移動したかを探す方法であり、大きな窓から始めて(例:512×512ピクセル)、徐々に小さな窓(128×128ピクセル)で詳細を捉えていく
・光学フロー法(Horn-Schunck法)は、写真の明るさパターンの変化から動きを推測する
・具体的には、各ピクセルの色(明るさ)は変わらない、急激に(なんらかの影響で)隣接するピクセルとのセット(明るさの組み合わせ)は変わらないという2つの前提に立ち、海全体の色の変化パターンから、どの方向に何がどれだけ動いているかを推測する
・PlanetScope画像から推定した流速場をDELFT3D数値モデル(海の流れをコンピュータ上で再現する「仮想水槽」のようなもの)と比較し、検証する
【議論の内容・結果は?】
◾️オホーツク海での検証結果
・IVと光学フロー法の両方が、シャンタル島と小さなウティチイ島の間の流れの加速と、島の先端を回る反時計回りの再循環領域を明確に捉えている
・最大流速は約1.1m/sで、文献で報告されている潮流の最大振幅(2m/s)の範囲内であった
・北西部の北向き流れは約0.9m/sとなっていて、文献値(1-1.2m/s)とほぼ一致した
・海氷濃度が低い領域で最大流速が観測され、低速度領域で氷が蓄積する傾向が見られる
・上記結果を踏まえると、過酷な環境条件のため現地観測が困難な遠隔地でも、衛星画像ペアから大規模な沿岸海洋力学の空間分布を捉えることができると考えられる

#PlanetScope衛星画像 #画像流速測定 #DELFT3D #沿岸海洋 #粒子画像流速測定(PIV) #光学フロー法 #海氷追跡 #藻類ブルーム #浮遊堆積物 #短時間間隔画像ペア #衛星コンステレーション
Spectrotemporal fusion: Generation of frequent hyperspectral satellite imagery
【どういう論文?】
・本論文は、低時間分解能のハイパースペクトル衛星画像(HSI)と高時間分解能のマルチスペクトル衛星画像(MSI)を融合することで、時間分解能の高いハイパースペクトル衛星画像を生成する「分光時間融合(SpecTF)」と呼ばれる新しい手法を提案する
【技術や方法のポイントはどこ?】
◾️従来の手法の課題
①スペクトル超解像法
・スペクトル超解像法は、RGB画像(赤・緑・青の3チャネル)やマルチスペクトル画像(MSI、通常4~10チャネル程度)から、より多くのスペクトルバンドを持つハイパースペクトル画像(HSI、数百チャネル)を生成する技術である
・スペクトル超解像を行うディープラーニングモデルは、RGBやMSIからHSIへの変換規則を学習するために、大量のHSIデータが必要となるが、HSIデータの取得は困難で高コストであり、十分な量と多様性のあるデータセットを構築するのが難しい
・また、訓練データに含まれていない新しい物質や環境条件に対して、モデルの性能が大幅に低下することがあり、例えば都市部のデータで訓練されたモデルが森林地域で良い結果を出せないなど、地域特性に強く依存する
②空間-時間-スペクトル融合(STSF)法
・STSFは、異なる特性(空間分解能、時間分解能、スペクトル分解能)を持つ複数の衛星画像を組み合わせて、すべての面で高分解能なデータを生成する技術である
・例えば、時間分解能が高いが空間分解能が低いMODISデータと、空間分解能が高いが時間分解能が低いLandsatデータを組み合わせる
・従来のSTSF手法の大きな問題点は、予測したい時点(ターゲット時点)のHSIが必要であり、予測時点のHSIを持っていることが前提となってしまう
・本制約は、もし予測したい時点のHSIがすでに存在するなら、そもそも融合によって「予測」する必要がないため、HSIの時間分解能向上という本来の目的に根本的に矛盾している
・また、HSIデータはその特性上、取得頻度が低いため、観測の間の期間を埋める手法が必要となる

◾️本研究のアプローチ
・SpecTF(スペクトル時間融合)という、少ないバンド数のマルチスペクトル衛星画像(MSI)から、多くのバンド数を持つハイパースペクトル衛星画像(HSI)を創り出す技術を開発する
・まず、HSIの固有のスペクトル自己相関に基づき、少数のバンドの組み合わせで大部分のスペクトル情報を近似できるという特性を活用する
・固有のスペクトル自己相関とは、例えば、隣接する波長は非常に似た値を示すことが多い、特定の物質は特徴的な反射パターンを持ち複数のバンドにわたって相関関係が生じるという2つの特徴に基づき、ほとんどのバンドは数学的に他のバンドの線形結合で近似できるという考え方である
特定の物質(植物、鉱物、水など)は特徴的な反射パターンを持ち、複数のバンドにわたって相関関係が生じる
・過去のHSI-MSIペアを使用して、ハイパースペクトルセンサーとマルチスペクトルセンサー間のスペクトル応答マッピングを確立する(MSIとHSIとの対応関係を学習する)
・上記マッピングを高時間分解能MSIと融合して、高頻度HSIを予測する
【議論の内容・結果は?】
①サイト1: サンタフェ湖(米国)
・データ: Landsat(MSI)とPRISMA(HSI)の融合
・観測期間: 2021-03-19から2021-11-29(8ヶ月間)
・特徴: 強い季節的変化を経験した地域
・結果: SpecTFは参照画像に最も近い結果を示し、特に都市部と植生被覆地域の両方で高いスペクトル忠実度(各波長バンドでの各ピクセル値の再現度)を実現、他の手法は都市部では比較的良好だが、植生地域ではスペクトル歪みが顕著であった


②サイト2: 東ナポリ(イタリア)
・データ: Landsat(MSI)とHyperion(HSI)の融合
・観測期間: 2015-08-06から2015-09-13(約1ヶ月)
・特徴: わずか1ヶ月の期間にもかかわらず、顕著な土地被覆変化が発生
・結果: 特に黄色の破線で囲まれた領域で優位性が明確


③サイト3: BARS(オーストラリア)
・データ: Sentinel-2(MSI)とPRISMA(HSI)の融合
・特徴: 均質性の低い農地
・結果: すべての手法が空間的詳細に顕著な差なく良好な結果を生成


④サイト4: 北カタール
・データ: Sentinel-2(MSI)とPRISMA(HSI)の融合
・観測期間: 2022-05-01から2022-10-22
・特徴: 砂漠地域の時間変化を評価
・結果: SpecTFは砂の色の変化を正確に捉え、高いスペクトル忠実度で目標時のHSIを再構築、LTRNは2位のパフォーマンスだがズーム領域中央部に本来存在しないはずの人工的なスペクトルパターンや異常値が見られた


・他は、オカバンゴデルタ(ボツワナ)での湿地帯顕著な変化、大興安嶺(中国)でのわ雪山での変化を検証した
・以下の通り、SpecTFはすべての指標(MPSNR、MSSIM、RMSE、ERGAS、MSA)で最高のパフォーマンスを達成した



#スペクトル時間融合 #ハイパースペクトル画像 #マルチスペクトル画像 #時間分解能 #スペクトル忠実度 #クロスセンサーマッピング #疎性表現 #辞書学習 #協調表現 #土地被覆変化 #スペクトル自己相関
Cloud-based solution for urbanization monitoring using satellite images
【どういう論文?】
・本論文は、Sentinel Hub(衛星画像クラウドサービス)を活用して、ルーマニアの都市環境の変化を自動的に検出するシステムを提案する
【技術や方法のポイントはどこ?】
◾️先行研究の課題
・都市の(無秩序な)拡大を効率的に監視する方法が不足している
・ルーマニアには、都市エリアの変化を検出・監視できる無料のシステムが存在していなかった
◾️本研究のアプローチ
・Sentinel Hubを活用し、Sentinel 2の衛星データに自動的にアクセスして処理するシステムを構築
・OpenStreetMap(OSM)から都市境界ポリゴンを取得して分析範囲を限定し、精度を向上
・スペクトル指標を計算して衛星画像のパターンを強調する手法を採用
・正規化差分建造物指標(NDBI)と都市化指標(UI)の2つの指標を比較検証する
※NDBIの計算式・・・(SWIR1 – NIR) / (SWIR1 + NIR)
※UIの計算式・・・(SWIR2 – NIR) / (SWIR2 + NIR)
※都市部や建造物は短波長赤外線(SWIR1,2)を強く反射し、近赤外線(NIR)の反射が弱い
※SWIR1は土壌や植生の水分含有量に対する感度が高く、湿った裸地と乾燥した建造物エリアの区別に使われることが多く、SWIR2は鉱物や岩石のタイプの識別に有用で、都市インフラと裸地の区別に有利である
◾️データセット
・データソース: Sentinel 2衛星のマルチスペクトル画像
・期間: 2015年~2020年
・対象地域: ルーマニアの複数都市(主な分析対象はクルージュ県フロレシュティ)
・解像度: 2.3メートル/ピクセル
・使用バンド: 近赤外線(NIR)、短波長赤外線(SWIR1、SWIR2)、可視光線(赤)
・画像サイズ: 幅2403ピクセル、高さ1701ピクセル

◾️システムアーキテクチャ
・基盤: クラウドベースのSentinel Hubプラットフォーム
・API: RESTful APIとOGCサービス(地理情報に特化した標準規格)を使用
・データ保存: AWS S3バケット内のクラウド最適化GeoTIFF(COG)形式
※GeoTIFFだと全ファイルをダウンロードする必要があるが、COG形式では必要な部分だけを効率的に取得でる
・実装言語: Python(NumPy、Matplotlib、EarthPyなどのライブラリを使用)
・環境: UbuntuLinuxとDockerを使用したJupyter Notebook
◾️指標・評価方法
①植生指標
・植物の健康状態や存在を検出するNDVIを採用する
②都市化指標
・建物や都市化された地域を検出するための指標としてNDBIとUI という2つの指標を採用する
・建物や舗装面は短波長赤外線(SWIR)を強く反射し、近赤外線(NIR)の反射が弱いという特性を利用する
③複合指標による精度向上
・単一指標では誤分類が起きやすいため、各都市化指標から植生指標と裸地を引いて精度を高める(NDBI_final = NDBI – NDVI – BSI、UI_final = UI – NDVI)
【議論の内容・結果は?】
◾️総合結果
・前提として、QGISを使用して都市外エリア(確実に都市ではないエリア)を手動でマッピングし評価データとして利用した
・UIの平均誤分類率が0.475%であるのに対し、NDBIは3.995%と大きく、UIの方が全体的な精度が高いことが確認できた

◾️都市化指標(UI)の結果分析
①2015年と2020年の比較
・画像上で黄色く表示されている部分が都市エリアとなる
・「Someşul mic」水路(右上エリア)では過大評価の問題が見られた


②閾値適用
・しきい値を適用することで、裸地や植生によるノイズが除去した
・上記で指摘した水路エリアもフィルタリングにより消えている
・生のUI値では2015年に3.58%、2020年に5.93%のピクセルが都市と分類
・NDVI減算後は2015年に3.51%、2020年に5.78%と若干減少した
・本改善は一見小さいように見えるが、公園や街路樹、屋上緑化など様々なスケール


③2015-2020年の都市化の変化
・2015年から2020年の間に新たに都市化されたエリアを示す

・上記新しい都市ピクセルを2020年のRGB画像に重ねて表示
・画像中央上部では裸地が都市として誤分類されている問題が残っているが、全体としては2015年から2020年の間に出現した都市エリアの明確な概観が得られた

◾️正規化差分建造物指標(NDBI)の結果分析
①NDVI減算後の中間結果
・UIと比較して、裸地が都市として誤分類される問題がより顕著であった
・特に「Someşul mic」水路周辺(左上部)と中央右部で大量の裸地が誤分類されている


②BSI減算後の最終結果
・BSI(裸地指標)も減算することで、誤分類されたエリアが大幅に減少した
・誤分類エリアの指標値が下がり、しきい値適用時にフィルタリングされるようになった


③しきい値適用後の結果
・2015年の画像では都市ピクセルが少なく見えるが、これは裸地減算により都市と裸地の分光反射率が似ているため、一部の都市ピクセルも低下してフィルタリングされたためである

・2020年の画像ではこの問題が見られない

④2015-2020年の変化と重ね合わせ
・2015年から2020年の間に新たに都市化されたエリアを示す

・上記ピクセルを元のRGB画像に重ねたもので比較して裸地問題がより顕著であり、特に左上と右上のエリアでノイズが多いことがわかる

#都市化モニタリング #スペクトル指標 #NDVI #NDBI #UI #都市植生検出
来月も「#MonthlySatDataNews」「#衛星論文」を公開しますので、お楽しみに!