米国国防省機関に元NASAセンター長が就任。その意図とは 第40回「今週のSPACEENGLISH」
fleetは衛星打ち上げに向け資金調達を開始。FAAは、民間宇宙産業に向け規定改正を発表しました。 今後の動きにも注目です。
英語が苦手で最新の宇宙ビジネス情報をキャッチするのに四苦八苦。そんな宙畑編集部員TN.と一緒に、宇宙ビジネスで使用される英単語を学ぶ本連載。
今週は、2/1~2/16の14日間で『SpaceNews』内で頻繁に出現した英単語(※これまでに同連載でご紹介した英単語を除く)を5個ご紹介します。
原文の記事について、記者(TOEIC700点)が読むのにかかった時間と記者の私見による難易度を三ツ星で記載しています。
読者の皆様もお時間のある時にぜひぜひ英語で生の情報を得ることにチャレンジしてみてください!
それではさっそく、Let’s 今週のSPACE ENGLISH!!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
集計対象記事:『SpaceNews』で該当期間に公開された記事のすべて
集計期間:2019/2/1~2019/2/16
※()内の数字は該当期間の登場回数です
1.fleet
Fleetは単体では艦隊などという意味で、宇宙ビジネスにおいては衛星群という意味で用いられます。
話題になっているのは、2015年に設立された、オーストラリアを拠点をおくFleet Space technologiesという企業についてです。IoT(Internet of things)サービスを宇宙技術を利用して提供しており、低コスト衛星をベースにしたシステムの製作も行っています。
現在取り組んでいるのは、多数のデバイスからの信号を集めてその信号を中継するというものです。デバイス1機に関して、年間2ドルで顧客に提供するようです。
このサービスを行うために必要な打ち上げ資金の調達が課題となっています。投資家を中心に資金調達を行っています。
■原文で宇宙ニュースにチャレンジ!
?時間 25min. ?難易度 ★
オーストラリアの企業Fleetが次の10機の衛星打ち上げに向け、シリーズAで資金調達
2.FAA
米国連邦航空局( Federal Aviation Administration)の略です。
現在、FAAでは民間宇宙輸送に関する規定の改変を行っています。具体的な文書は発表されていませんが、業界内での宇宙ビジネスに関する情報をオープンにしていくことを目的としています。
1月下旬にかけてから、アメリカは政府の一部機関を機能停止にしたことに伴い新しい規定の発表が延期されていることが明らかになりました。
しかし、延期された期間、専門家等に意見を聞き反映する時間にあて、より完成度の高い物になったとコメントしています。
具体的な内容が発表されれば、宇宙ビジネス業界では間違いなく話題になるニュースですね。
■原文で宇宙ニュースにチャレンジ!
?時間 12min. ?難易度 ★
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トランプ政権の余波、ロケット打ち上げにも【週刊宇宙ビジネスニュース 12/31~1/6】
3.alliance
英語では同盟や連盟という意味を持ちます。今回はC-band allianceというグループに関連して登場しました。
C-bandというのは、マイクロ波の周波数帯域である6GHz(37-76mm)を指します。この周波数は衛星の通信に利用されます。
C-band alliance はINTELSAT、SES、eutelsat、Telesatによって構成されており、現在米国の連邦通信局に5Gでの通信の提供を提案しています。
■原文で宇宙ニュースにチャレンジ!
?時間 25min. ?難易度 ★★★
C-Band Allianceの計画では、8つの新しい衛星の支払いに5Gネットワークが必要となる
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衛星通信に用いる周波数の取り合いが訴訟に発展する恐れ【週刊宇宙ビジネスニュース 2/4~2/10】
4.NRO
National Reconnaissance Officeの略です。アメリカの国防総省の機関の1つです。
現在話題になっているのはトランプ氏が、このNROの代表としてChris Scolese氏を任命したことについてです。彼は、NASAのセンター長をはじめ、長年NASAで活躍していた人物です。
ニュースでは彼の任命は宇宙軍創設には重要なことであると報じています。軍と国家を代表する宇宙関あでるNASAとの協力関係を築く上で大きな一歩となったのではないかという見解です。
今後の動きにも注目していきたいですね。
■ 原文で宇宙ニュースにチャレンジ!
?時間 15min. ?難易度 ★
5.procurement
名詞、調達という意味です。
宇宙ビジネスニュースではlaunch procurementという組み合わせで目にすることが多いです。これは打ち上げの調達という意味になります。
現在話題になっているのは、空軍のロケット打ち上げについてです。
空軍では、Launch Service agreementというロケット打ち上げ契約を結ぶ企業を選出していました。
SpaceXはこの契約企業の候補として選ばれていましたが、辞退したようです。空軍側はSpaceXの辞退理由については公表しませんでした。
しかし、宇宙業界では、空軍はSpaceXに対して何らか不利益を与えているのではないか。そして空軍は宇宙業界において競争機会を失っているのではないかと懸念が広がっています。
■原文で宇宙ニュースにチャレンジ!
?時間 15min. ?難易度 ★
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以上、第40回「今週のSPACE ENGLISH」いかがだったでしょうか。
これまで英語が苦手でなかなか海外の宇宙ニュースを敬遠していたという方も、「今週のSPACE ENGLISH」で少しずつ宇宙英単語を学んで海外の宇宙ニュースにチャレンジしてみましょう!
執筆者:ラディッシュ担当M.S.
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