SpaceXメガコンステレーション計画の立役者、ドイツのスタートアップ企業に参画【週刊宇宙ビジネスニュース 3/11~3/17】
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Facebookの上級幹部が退職して話題になった先週。
同社は衛星のメガコンステレーション計画を発表しており、2019年に実験衛星を打ち上げるという可能性も示唆されています。
そんな同社に、衛星のメガコンステレーション用ハードウェアを販売しているドイツのスタートアップMynaric社には、上級幹部が加わりました。
2019年3月14日、SpaceXの元副社長のBulent Altan氏がMynaric社の共同最高経営責任者となると発表がありました。
Bulent氏はSpaceXの創業初期、Elon Musk氏自らが採用したメンバーです。2014年にSpaceXを退職してから、ドイツのミュンヘンでビジネスアクセラレータの会社を設立し、イノベーション開発に取り組んでいました。
同氏はSpaceXでスターリンクメガコンステレーションでミッションのチーフエンジニアをしていました。スターリンクは、SpaceXの推進するメガコンステレーション計画です。衛星を数千機打ち上げ、通信網を構築することで、世界中で通信が可能になります。
同氏は今回、そのトップレベルの技術をもってMynaric社に参画しました。レーザー・衛星を用いたコンステレーション・通信を主事業とするMynaric社にとっては、大きな推進力となり得、今後の動きが注目されます。
SpaceXでは、1月に6000人規模の大量のリストラが行われています。
SpaceX、全従業員の10%をリストラへ【週刊宇宙ビジネスニュース 1/14~1/20】
スタートアップは人数が少ないこともあり、一人一人のケーパビリティによる影響が大企業と比較して大きくなります。リストラ対象者の中には、Bulent氏のように技術力を持ったエンジニアも多数いると考えられます。それら優秀な技術者たちは退職後、様々なスタートアップ、大企業に散っていくことでしょう。このような人材の流動は、欧米では活発です。人材が流動していくことで、各社の技術力も上がっていきます。
昨今、日本も転職市場が賑わってきているものの、宇宙分野では他分野からの流入流出も、宇宙分野内での流動もまだまだ活発とは言えません。
人材が流動し、産業全体の技術力が上がり、異分野の交流が活発になることが、新たなイノベーションや、業界の変化には必須でしょう。
今週の週刊宇宙ビジネスニュース
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参考記事
Here's how Elon Musk and Gwynne Shotwell announced hundreds of layoffs at SpaceX|CNBC