通信コンステにAmazon参入、拡大するAmazonの宇宙ビジネス【週刊宇宙ビジネスニュース 4/1~4/7】
一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!
先日、Amazonが計3236機の通信衛星を打ち上げ、世界中に衛星を経由した高速通信網を構築する予定ではないか?という情報がリークされました。Amazonはこの計画が事実であると認め、Kuiperというプロジェクト名も明らかにされました。
衛星を経由した通信網を構築する計画を発表している企業はすでに多くあり、ソフトバンクの大型出資のOneWebの他に、SpaceXやBoeing、Facebookなども同様の計画を発表しています。
すでにいくつかの企業は実際に衛星を打ち上げ、実証実験を開始しています。先行する企業の実証実験の結果などを鑑み、ビジネスとして成立しそうなことを見極めたうえでの今回のAmazonの参入発表のようにも思えます。
実はAmazon、買い物だけでなく、(ジェフ・ベゾスさん個人のも含めると)宇宙関連で多くの事業を検討中です。すでに発表されている情報をまとめると、下図の左半分になります。今回発表され衛星通信網以外にも、衛星データプラットフォームや有人宇宙旅行のサービス提供を行っている/行う予定でいます。
今回のAmazonの発表を受けて、次にどのようなサービスが出てくるのだろうか?と妄想した方も多かったのではないでしょうか?
彼らがすでに実施しているサービスの延長で考えると、上図の右半分のようなサービス(インフラ)がパッとは考えられるのではないでしょうか。
通信衛星によって世界中の人がインターネットへと接続し、Amazonで売買できるようになる。実際にものを運ぶのは、常時ネットワークへと接続したドローンによる自動配送。さまざまなデータがその過程で取得され、物流は効率化し、私たちの生活も便利になる。このような世界が来るのは、いまの技術と照らし合わせても、10年とかからないような気がします。
通信衛星、つまりはデータ中継衛星が多く打ち上ると、衛星間の通信も行えるようになるため、地球観測画像もほぼリアルタイムに降りてくるようになるでしょう。いまはひまわりのように常に上空に位置する衛星からしかリアルタイム性のあるデータは届きませんが、例えば30cmほどの分解能の画像が常時見えるような世界になると、衛星データを用いたサービスが何かしら作れそうな気がしませんか?
5年後、10年後、どのような世界になっているのか。楽しみですね。
今週の週刊宇宙ビジネスニュース
SpaceIL、月軌道到着【週刊宇宙ビジネスニュース 4/1~4/7】
参考
Amazon to offer broadband access from orbit with 3,236-satellite ‘Project Kuiper’ constellation
Earth on AWS: A Home for Geospatial Data on AWS