宙畑 Sorabatake

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進む海外の宇宙民間企業の躍進、日本も【週刊宇宙ビジネスニュース 4/8~4/14】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

民間企業初の月への軟着陸を目指していたイスラエルのSpace ILチーム。

探査機Beresheetは着陸直前の150 mの高度で推進機器の動作が停止し、その試みは残念ながら失敗してしまいました。

しかしながら、7カ国しか月周回軌道に衛星を投入できた国はなく、さらに民間企業としては初の偉業ということで、世界中からもお祝いの声が上がっています。

着陸直前にも写真を2枚地球へと届けてくれています。

どちらの写真もグッとくるものがありますね。

彼らの継続した挑戦と月周回軌道到達の成功を称え、元々Space ILや日本からだとiSpace(hakutoチーム)が参加していたGoogle Lunar XPRIZEのレースを運営していたXPRIZE財団が、1億円の賞金を出す、という発表もありました。

軟着陸に失敗した直後にも、「失敗したら、また挑戦すれば良い」という言葉と共に彼らは挑戦を続けることを表明しました。「#Beresheet2」というハッシュタグにて情報を発信していくようです。

また、Space ILの探査機を打ち上げたSpaceXからも別の大きな話題がありました。

先週、SpaceXが開発したFalcon Heavyロケット初の商用打ち上げがあったのです。このロケットには、サウジアラビアの通信衛星が搭載されていました。

Falcon Heavyというと、昨年にテスラを載せて打ち上げていたのが記憶に残っている方も多いかと思いますが、高い軌道に重い衛星を届けることが可能なロケットとなります。

Credit : SpaceX

打ち上げは無事に成功し、前回は1機のブースターの回収に失敗していましたが、今回は3機のブースター共に着陸に成功しました。何度見ても気持ちの良い着陸です……何度見ても、すごい。

回収されたフェアリングカバーは2019年後半にでも再び利用するよ、という発言もあります。SpaceXが計画している通信衛星網構築で、衛星を打ち上げる際に利用するようです。

このように多くの実績を積み続けるSpaceXの評価額は、なんと3兆円にも上ります。年々右肩上がりに成長しているのが目に見えて分かりますね。

このように海外の躍進が目立つ中で、日本では以下のようなニュースがありました。

今まで三菱重工業社のロケット(H-IIA/B)のフェアリングカバーは川崎重工業社が製造してきましたが、この度フェアリングカバー製造大手のRUAG Space社が、三菱重工が開発中のH-III用にフェアリングカバーを供給する契約を結んだようです。

H-IIIフェアリングカバーのすべてがRUAG Space社製になるわけではなさそうですが、世界各国のロケットの性能向上と価格競争などの煽りを受けて、日本のメーカもコスト削減に向けての努力をし始めた、という見方もできるかと思います。
※そもそも川重として新規にフェアリングカバーを造るメリットがなかった、なども要因として考えられますし、
コスト削減が要因かはわかりませんが、慣例に従うのではなく、海外との連携も選択肢に入るようになる(のが当たり前になる)、というのは競争力を高めるうえで非常に大きなことのように感じられます。

欧米では官需が5割程度と、日本の9割に比べると大きく民需の割合が高くなっており、価格競争は日本よりも進んでいるように感じられます。

民間のロケット分野では、堀江貴文さんが創立したことでも有名なインターステラテクノロジズ株式会社が4/30にロケットMOMO 3号機を打ち上げる予定だと発表しました。衛星分野だと、アストロスケール社が増資を受けた、という発表とともに、アメリカに支社を構える、という発表もありました。

このように、日本スタートアップも活気づいている中で、宇宙ビジョン2030に沿って、民需の割合も今後高まっていくよう思われます。
民需の割合を高めるべく、衛星データの利活用促進など各種施策が行われている中で、各企業の関係性がどのようになっていくのか、楽しみですね。

今週の週刊宇宙ビジネスニュース

参考記事

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