宇宙旅行会社・Virgin Galactic、年内の上場へ【週刊宇宙ビジネスニュース 7/8〜7/14】
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今月9日、民間宇宙旅行サービスの提供を目指すVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)社は、買収目的会社・Social Capital Hedosophia Holdings(ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィア・ホールディングス 以下、SCH)と合併し、年内に新規株式公開(IPO)を実施する計画を発表しました。
IPOが実現されれば、Virgin Galactic社は宇宙旅行会社としては初の上場企業となります。
同社が目指すのは、およそ上空100km・大気圏と宇宙の境界を観光する、サブオービタル旅行。イーロン・マスク氏が率いるSpaceX(スペースX)社やジェフ・ベゾス氏が率いる、Blue Origin(ブルーオリジン)社とは異なり、Virgin Galactic社はこれまでサブオービタルへの打ち上げ実験に焦点を当ててきました。
同社は現在、60カ国・600人以上の顧客から宇宙旅行の予約を受け付けており、その売上は1億2000万ドルにのぼるとされています。
さらにスペースプレーンの離発着が可能なスペースポート(宇宙港)を米国・ニューメキシコ州に所有していて、昨年新たにイタリアでのスペースポート設立計画を発表しました。
合併後の新会社の代表は、米国のベンチャーキャピタル・Social Capital社の創設者兼CEOのチャマス・パリハピティヤ氏。彼はコミュニケーションツール・slackを展開する、Slack Technologies社をはじめとする様々な企業に出資してきた、シリコンバレーの有名投資家として知られています。
さらにパリハピティヤ氏は、Social Capital社設立前には、ユーザーが大幅に拡大した2007~2011年当時のFacebook社で管理職に就いていた経歴があり、マーク・ザックバーグ氏からも信頼されていたメンバーの一人です。
Virgin Galactic社の創設者である、リチャード・ブランソン氏はプレスリリースの中で「(高度80kmを超えた)飛行テストの成功は、私たちの宇宙船を商用サービスとして展開させていくための軌道に乗っていることを意味します。高度な開発が一層求められる段階である今、新たな体制として乗り出すことで、より多くの投資家に宇宙を開くことで、何千人もの新しい宇宙飛行士へ宇宙を広げられるのです」とコメントしています。
Virgin Galactic社は、今回の合併によって、また一歩宇宙旅行ビジネスをより現実的なものとさせたと言えるでしょう。
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参考文献
Richard Branson’s Virgin Galactic will be the first publicly traded company for human spaceflight