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Virgin Galactic社、高度80km以上到達で宇宙旅行の試験飛行に成功【週刊宇宙ビジネスニュース 12/10~12/16】

一週間に起きた国内外の宇宙ビジネスニュースを厳選してお届けする連載「週刊宇宙ビジネスニュース」は毎週月曜日更新!

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先週はついにVirgin Galactic社が有人の宇宙飛行を成功させました!
民間による民間のための宇宙旅行時代がもうすぐそこまで来ています。

【週刊宇宙ビジネスニュース 12/10~12/16】

Virgin Galactic社、高度80km以上到達で宇宙旅行の試験飛行に成功

宇宙空間に到達したVSS Unityからの眺め Credit : Virgin Galactic

初の民間宇宙旅行を目指すVirgin Galactic社(米)が12月13日、SpaceShipTwoの2号機「VSS Unity」の試験飛行に成功したというニュース。VSS Unityは、宇宙空間へ到達したのち、カリフォルニア州の砂漠地帯へ着陸。商用運航に向けた大きな目標を達成しました。

Virgin Galactic社は英国Virgin Group会長のリチャード・ブランソン氏が設立し、民間宇宙旅行サービス提供を目指す企業です。航空機に搭載され、高高度から切り離されて自力飛行する有人宇宙船の開発を行なっています。

今回の実験では、SpaceShipTwoは高度13.1km上空で母船となる航空機から切り離され、高度83 km上空まで達しました。今回、この83km上空が宇宙なのか?というところが注目のポイントです。

国際航空連盟(FAI)の定義では、高度100km以上を宇宙空間としていますが、FAIでは、宇宙の定義を高度100kmから引き下げる議論が行われているそうです。
NASA ジェット推進研究所の初代所長フォン・カルマンによる宇宙空間の定義は、「軌道力が空気力を上回るところが宇宙空間と地球の境界」ということでした。FAIなどの主張ではこの「軌道力が空気力を上回るところ」が高度100km地点だということだったのですが、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクダウェル博士の主張によると、4万3000の軌道上物体をデータ解析した結果、衛星が楕円軌道を描いている場合には、近地点高度が100km以下であったとしても周回し続けることができた例が多数あるそうで、軌道に乗れなくなる限界高度は、ほぼ80kmだということでした。

こうした背景から、マクダウェル博士は、宇宙の境界線として80キロメートルがより適切である、としています。さらに米空軍とNASAではすでに、高度80kmを宇宙空間とする定義を採用しており、これらを踏まえてVirgin社では今回の試験飛行で「宇宙空間に到達した」と発表したようです。

Virgin社の試験成功を受けて、Amazon.comのジェフ・ベゾス氏のBlue Originなど民間宇宙旅行を目指す競合企業の動きも活発になっていくかもしれません。今回の発表や、FAIとマクダウェル氏の議論などにより、宇宙旅行をきっかけとして宇宙空間と地球の境界線が高度は80kmである、という主張が定着する可能性は大いにありそうです。

Virgin社についてはこちら:https://www.virgingalactic.com/

【週刊宇宙ビジネスニュース 12/10~12/16】